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ポッピンQ 感想:思春期を迎えたプリキュア世代に向けた美しい作品、でも大人が見るとちょっと怖いポッピンQ

 映画 『ポッピンQ』を見てきました。ストーリー的には10代前半向けの作品だと思いますけどね。映像の美しさ、ダンスシーン、楽曲、声優さんの演技などなど、大人のアニメファンの鑑賞にも耐えるクオリティの作品になっていたと思います。

タイトルの可愛さで思わず見に行ってしまった
(TVスポット30秒ストーリー編より画像引用)
当ブログの画像引用について
© 東映アニメーション / 「ポッピンQ」Partners 2016

 個人的には配色の美しさがすごいなぁと思いました。予告編で期待はしていたのですが、どのシーンを切り出しても本当に絵になりますね。純粋に映像を楽しむだけでも満足できました。

個人的には予告編よりもこちらが好きですね。
このED曲は素晴らしいと思いました。
映画「ポッピンQ」卒業ソング『さよなら。ありがとう。』特別映像 
東映アニメーション公式YouTubeチャンネル

※後半に少しネタバレのレビュー・考察があるのでご注意ください。

成長したプリキュア世代にむけた作品


 監督はプリキュアシリーズ宮原直樹さん。作品の見た目はかなり違いますけど、ダンスシーンの使い方などこの世代には違和感のない作りだと思います。

この4人ともう1人の計5人の中学生の物語
『さよなら。ありがとう。』特別映像より画像引用)
© 東映アニメーション / 「ポッピンQ」Partners 2016

 成長して思春期を迎えたプリキュア世代に向けて作られた作品なんでしょうね。プリキュア自体も親世代や一部のアニメファンにも支持されていましたが、ポッピンQはさらに広範囲なファン層にも受け入れられそうな気がします。(逆に言えば中途半端になる可能性もあるのですが)

プリキュア仕込みのモーションキャプチャーダンス
主題歌はEXILE PROFESSIONAL GYMとAvaxのコラボ
本編特別先行映像⑤より画像引用)
© 東映アニメーション / 「ポッピンQ」Partners 2016

 まあ、自分はプリキュアにはあまり造詣が深くないのですが・・・同じ3Dのダンスシーンでも『ラブライブ!』とは演出の違いを感じて興味深かったですね。元気の良さといったものが重視されている気がしました。

王道的な成長物語


 ストーリー的には『卒業を目前にして悩みをもった女子中学生たちが仲間との成長によって自分を乗り越えていく』という感じの成長物語。監督がドラゴンボールを手がけていたせいかジャンプの少年マンガ的な明快さがあります。

主人公の小湊伊純(cv 瀬戸麻沙美)
高知の中学で陸上部の出来事にわだかまりを持っている
五人の中で一番現実世界を掘り下げられていた
(『さよなら。ありがとう。』特別映像より画像引用)
© 東映アニメーション / 「ポッピンQ」Partners 2016

 冒頭は五人のキャラクター紹介を兼ねた10分余りのアバンパート。ここは割とサッと流してダンスシーンからのオープニング。慣れない人は突然のダンスに面食らいますが、こういうもんだと思えばいい感じのOPでした。

大道あさひ(cv 小澤亜李)
武道家の両親の意見に引っ張られて悩む。
本編では伊純以外のキャラの掘り下げはあまりなかった。
でもテンポ重視で良かったと思う。
(『さよなら。ありがとう。』特別映像より画像引用)
© 東映アニメーション / 「ポッピンQ」Partners 2016

 現実世界をもっと掘り下げるのかな?と思ったのですが、退屈にならないように配慮されているのかもしれませんね。オープニング後のファンタジーパートからは物語のテンポも変わり俄然面白くなってきます

美しい色彩に見とれる


 ポッピン族の世界に入ってからは本当に映像がキレイでしたね。特に配色がすごく良かったです。

 水彩調のやわらかな風景鮮やかなキャラクターの衣装の色彩がすごく合っていて絵になるシーンの連続でした。どこを切り出してもイラストとして良いなぁと思うような映像でしたね。

ぬいぐるみのようなポッピン族の世界
淡さと鮮やかさの色調のバランスが素晴らしい
(本編特別先行映像⑤より画像引用)
© 東映アニメーション / 「ポッピンQ」Partners 2016

 今回は予告編で映像の美しさに興味を持って見に行ったのでその点ではすごく満足でした。残念だったのはホームページの『切り替わるイメージ画像』の裏面、制服姿の五人の夕暮れの風景ってのがなかった位ですね。あの絵はすごく好きだったんだけどなぁ。


この絵が凄く好きだったけど・・・
(Amazon)

 色彩設計は永井留美子さん、ガッチャマンクラウズ インサイトに参加されている方なんですね。あの作品も色が良かったですね。

ここから少しネタバレ考察があります。
未見の方はこちらでスキップできます。

大人がみると『ちょっと怖い』クライマックスシーン


(この項はネタバレあり)

 まあ、ストーリーはあくまで子供にも安心して見せられる作品なので自分の世代としては感動とかじゃないんですけどね。ただ1点、クライマックスシーンは大人が見ると結構ショックというか・・・違う視点で見てしまいました。

 主人公の伊純が大人バージョンの沙紀に攻撃されて強制的に成長してしまうシーン。大人の女性を通り越して年老いていく伊純・・・子供はどう感じるかわからないけど、大人である自分には結構ギョッとしたシーンでした。

唯一心を開かなかった沙紀(cv 黒沢ともよ)
孤独なまま大人になった『未来の自分』が伊純を攻撃する
(『さよなら。ありがとう。』特別映像より画像引用)
© 東映アニメーション / 「ポッピンQ」Partners 2016

 カラフルなカワイイ衣装をまとったまま年老いていく伊純のグロテスクさ。これって、子供向けアニメを見ている自分に対する『メタ』的な批判のような・・・もしや『卒業』というキーワードも自分に対するメッセージなのだろうか・・・みたいな(笑)被害妄想を一瞬感じてしまうほどの一種異様なインパクトがありました。

 あの部分だけはなんとも言えない怖さを感じましたね。大人バージョンの沙紀が『年をとることの恐ろしさ』『失うことの恐ろしさ』を子供たちに思い知らせようとする。そこに込められたメッセージとはなんだろう・・・と、ふと考えてしまいました。

 最後に子供の沙紀に吸収される大人の沙紀。その表情は負けてホッとしたような、子供時代の伊純の幸せを喜ぶような・・・なんとも言えない表情でしたね。

 『戻せない過去』を山ほど抱えてしまった大人である自分は、子供たちとは違う感想を持ってしまいます。
※一部名前を修正しました
※ネタバレここまでです。

声優さんも見所いっぱい


 まあ、そんな深読みは置いておいて(笑)アニメファンとしてはたくさんの有名声優さんの活躍も見所ですね。

 主人公の小湊伊純役は『ちはやふる』の瀬戸麻沙美さん。突っ走って思い悩む感じがすっごくハマリ役でしたね。

 主要キャラの友立小夏(黄色のピアノキャラ)と都久井沙紀(薄紫の孤独ダンスキャラ)が種﨑敦美さんと黒沢ともよさんという『響けユーフォニアム2』ペアでした。

 種﨑さんは鎧塚先輩役でしたが今回は結構元気な可愛いキャラ黄前久美子役の黒沢さんは逆に寡黙キャラ。全然違うので聞いていても気づきませんでした(笑)知った上で見ればもっと楽しめたかも。

残念ながらユーフォペアの絡みはほとんどない・・・
個人的には黄色の小夏ちゃんがイチオシ
『さよなら。ありがとう。』特別映像より画像引用
© 東映アニメーション / 「ポッピンQ」Partners 2016

 もちろん大道あさひ(緑の武道家キャラ)役の小澤亜李さんの可愛さは言うまでもないですね。日岡 蒼役(青色の受験最優先キャラ)の井澤詩織さんはガルパンのそど子役なんですね。

 あと、記憶が確かなら大人の役斎藤千和さんだった気がするのですが(違ってたらゴメンなさい)さすがの一言ですね。すごく印象的な演技でした。


エンディング後の特別映像!


 公開直前になってアナウンスされたエンディング後の特別映像。すごく面白かったですね。というかアニメファン的にはこちらの方が面白そう!って思いました。絶対見たいでしょ、コレ。

 すわ、TVアニメ続編決定か・・・って思いましたが、結局なにも表示されずに・・・え?何?って感じで(笑)

謎の少年レノ (cv 内山昂輝)
彼の正体は明かされぬまま衝撃の特別映像へ!
これで続編なかったら怒るよ・・・責任とってください東映さん
TVスポット30秒 ストーリー編より画像引用)
© 東映アニメーション / 「ポッピンQ」Partners 2016

 これは本当に是非とも続編をつくっていただきたいですね。そのためにも興行成績が良くなる事を祈ります

誰に向けた作品なのか


 予告編を見た感じだと正直誰に向けた作品なのか・・・少しわかりにくかったですね。女子中学生が主人公のファンタジー作品だってのはわかりますが。なかなか渋い感じもしてアニメファン向けの作品なのかな?と思ったりもしました。

 先日のHoneyWorksの作品みたいにターゲット層に集中的に宣伝して支持を得るという作戦だったのでしょうか。あの作品もターゲット以外には全く知名度がありませんでしたが、当日は劇場が一杯になってました。
関連 ずっと前から好きでした。~告白実行委員会~ 感想:マジでヤバイので中高生は見たほうが良い映画 - アニメとスピーカーと 

 ポッピンQの場合は、中学生が主人公なので中学生向けかな?と思いましたが、実際にみるともう少し若い世代向けな気もしますね。

映画を見せるのが難しい世代


 前日譚がコミカライズもされているようですが、Wikipediaによると『ちゃお』『ぷっちぐみ』という小学生向けの雑誌だったりするようで、ちょっと背伸びしたい小学校高学年向けなのかもしれません。そう考えるとストーリー的にもちょうどいい気もします。

 ただ、初日は祝日でしたが、小中学生の姿を見なかったんですよね・・・まあ、郊外なので都会は違うんですかね。東映60周年記念作品という事で公開館数も多く力が入ってますが、すこし心配になりました。

劇場アニメ『ポッピンQ』予告映像
(東映アニメーション公式YouTubeチャンネル)

 小学校高学年って親と映画を見たい年齢じゃないし、かといって男子ならともかく、小学生の女子だけで映画を見に行くのは結構ハードルが高い微妙な年齢ですよね。プリキュアだと親子需要が見込めるけど・・・映画としては開拓が難しい層かもしれません。

 質の高い力の入った作品なのでぜひ興行的にも成功を願いたいですね。なんといっても続編を見たいので! 

原作:東堂いづみ/脚本:荒井修子
監督:宮原直樹
キャラクター原案:黒星紅白
キャラクターデザイン・総作画監督:浦上貴之
色彩設計:永井留美子/美術監督:大西穣
アニメーション制作:東映アニメーション

『ポッピンQ』公式サイト:http://www.popin-q.com

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