Pages

.

映画『この世界の片隅に』 感想:メンタルの危機をきんモザに救われた。

 映画『この世界の片隅に』を見てきました。

 本当に名作中の名作として語り継がれる作品になるんだろうなと思いました。片渕須直 監督の事はよく知りませんでしたが、クラウドファウンディングで応援した皆さんには敬意を表したいです。

全編美しい水彩調の映像で表現される作品
2016年はアニメ映画界において歴史的な年かもしれない
本予告より画像引用(当ブログの画像引用について
©こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

 2016年がアニメ映画界において特別な年であることを象徴する作品でした。それぞれ個性があるので優劣はつけられませんが、本作は本当に観るべき価値のある作品だと思います。

 でもですね、それを前提にした上で、ど〜うしても言いたい事があります・・・それは・・・感動しやすい人はマジで注意してねっ!って事。

※予告編以上の重大なネタバレはないレビューです。

感動屋さんはメンタルケアに注意!


 もうね・・・超絶メンタルにきちゃいましたよ・・・半端ないです。みんな同じかと思ったけどTwitter見たら意外にヤられてない人多いみたいでビックリしました。まあ、感じ方はそれぞれですからね。

『この世界の片隅に』本予告(公式配信)
©こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

 ちょっとメンタル弱い・・・というか、共感性や感受性が過剰気味な人ね。すぐ感情移入して感動しちゃう人は身構えた方が良いです。

 例えば、映画『聲の形』を観たあと軽く寝込んじゃうようなメンタルの人・・・まぁ自分がそうなんですが・・・『この世界の片隅に』はあまりに感情を揺さぶられすぎて本当にヤバかったです。『聲の形』が癒し系に感じるくらいですよ。

 誤解して欲しくないのは過激描写で見せる作品じゃないので、子供に危険とかじゃないんですよね。むしろ退屈になっちゃう子もいるかもしれないです。大人の方が心に響くという事で。

(補足)あくまで一部の人であって、多くの方にとっては特に身構える作品ではありません。コメント頂けた下記の『もあい様』のような感想もとても多い作品です。本当に見る人によって感じ方の違う作品だなぁと思います。
私は鑑賞後晴れやかというか穏やかな気持ちで映画館を後にすることができたので、katoさんの感想やコメント欄を拝見し「私は本当にこの人達と同じ映画を見たのか……?」と少々戸惑っています(笑) - もあい様のコメントより引用

『日常系』じゃないってば・・・


 でもちょっとビックリしたのは、この作品を『日常系』と評する意見がある事ですね。ましてや『日常系萌えアニメ』とする方もいらっしゃったりして。
『「戦争もの」「太平洋戦争末期のお話」「広島にほど近い呉が舞台」という先入観はことごとく崩されてしまった。これは「萌えアニメ」だ。それも日常系萌えアニメである。』狐の王国 より引用 (※)

 ここで言葉尻の批判をしたいわけじゃないんですよ。『日常系』っていうのも言葉のアヤなのは理解しています。個人的には、本作は『日常を描いた作品』であって『日常系萌えアニメ』ではないと思いますけどね。別に撤回してほしいと言いたいわけじゃないです。(言葉についての意見は文末で)

 ただ、私が言いたいのは、この作品は一部の人に対してはかなり精神的な衝撃が大きいので注意してほしいという事です。日常系+αみたいな表現はちょっとミスリードを誘うのではないかと心配するのです。

 まぁ、自分みたいにちょっと極端な反応する人はわずかかもしれませんけどね・・・自分は子供のいない夫婦なのでストーリー的に直撃弾だったのかもしれないし。

 いずれにせよ、見るのにちょっと覚悟が必要な人がいる。感動しやすい自覚のある人はちょっと注意してほしいです。でも、それでも、心に痛みを感じるかもしれないけど、そのリスクを冒しても本当に見る価値のある作品だと思います。

※狐の王国のKoshianX氏よりブックマークコメントいただきました。

痛みは癒えていないけど・・・


 今回、映画のストーリーに踏み込んだ感想は書けません。とてもまだ、自分はこの作品に正面から向き合う事が出来ないんですよね。主人公のすずさんの事を考えただけで心が震えてきて、正直言うと思い出すのが怖いです・・・。

元 能年玲奈さんである『のん』演じるすずさん。
今回予告編の再見だけでも精神的にヤバくなってきた・・・。
©こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

 だから、この作品を見た後に自分の精神はどんな反応を示したのか、そしてどうやって悲しみから回復したのかを書いてみます。同じような人の参考になればと思います。繰り返しますが、それでも見る価値のある作品です。

 戦時中の話ですからね、もちろん見る前からある程度の覚悟はしていましたよ。ツイッターの試写での声や、町山智浩さんのレビューも聞きました。ああ、これは精神的に相当きちゃうかなぁ・・・と身構えてはいました。

こんな戦時中の描写は初めて


 でもいざ見てみると・・・そっちから来るかぁ〜!って感じで、もうどうしようも無かったですね。心の奥の奥の大切な部分が大きく揺り動かされて、感情の振幅は自分の許容範囲を超えてしまいました。

 ほんと、冒頭でも書きましたが過激な描写で泣かせるわけじゃないんですよね。戦争作品にありがちな嫌な奴ってのが本当に少なくって、日常描写が楽しい戦争作品って本当に珍しいと思います。

 呉という舞台ならではの、出征しない若い夫婦の描写って本当に新鮮だったし瑞々しい描き方でした。内地勤務の法務武官の生活を描くのって初めて見た気がします。

内地勤務である夫との生活
辛さはあれども瑞々しい日常が印象的
©こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

 同じ戦時中を描いたアニメ『火垂るの墓』が、嫌な人いっぱいの作品で、辛さの連続でしたよね。それに対して『この世界の片隅に』 は小さな幸せや喜びの積み重ねがたくさんあって、だからこそ一層重いパンチのように効いてしまうのかもしれません。

涙の種類が違う


 だから、いざ感想を書こうと主人公のすずさんのことを思い出そうとするだけで精神的に普通ではいられなくなります。たしかに、本年の大傑作である『君の名は。』や『聲の形』でも号泣と言って良いくらいすごく泣きました。

 でもね、その涙にはある種の心地よさがあったんですよね。泣いた後はグッタリしてしまうけど、しばらく余韻に浸っていたいような気分・・・また何度でも見に行きたいって気分です。

 自分にとって『この世界の片隅に』の涙はそういうのではなかった。盛り上がって気持ちよく感動できる作品じゃない。涙が流れても心の悲しさは解消されず残ってしまう
 
 ボディーブローのように効いてくるという意味では『聲の形』に近い感覚だけど、『この世界の片隅に』はいきなり初見でどうしようもなくなってしまいました。
(参考)映画 聲の形 の感想 前編:全てにピントが合った時の衝撃に言葉が出なかった - アニメとスピーカーと

メンタルの危機を感じた


 エンドクレジットが明けても涙が止まらなくって、上映後にフラフラとトイレの個室に駆け込んで嗚咽しました。こんなことは今まで経験がなかったです。

 ようやく落ち着いた気がして暗くなった駐車場に戻りました。一息ついて水を飲んで、買っていたおにぎりを食べた途端、また突然どうしようもなく嗚咽・・・。

 まさにむせび泣くという感じで、車の中一人で声をあげて泣いてしまいました。しかも何度も・・・別に映画の事とか思い出してないんですよ。ただ食べようとしただけ。

 こんなのはいくら何でも初めてで、正直メンタルの危険を感じるというか、軽いPTSDになるのではないかと本気で心配になってきました。というか運転して帰れるのか・・・俺。

 しばらく休んで、落ち着いてから感情を殺して運転していましたが、ふとした瞬間に心が揺れてしまう。このまま家に帰って奥さんとまともに会話できるだろうか・・・精神的に普通に戻れるのか不安になりました。

きんモザに救われる・・・


 いつもですと、映画で感動した後は音楽とかって聞かないんです。余韻に浸りたいんですよね。でも、今回ばかりはね、このまま帰宅すると自分の心が持たないような気がしました。

 そんな時、本当に幸運だったんですが、一昨日に見たばかりの映画『きんいろモザイク Pretty Days』のEDテーマ『Starring!!』をiPodに入れたばかりだったんです。とっても気に入った曲だったので、これで気を紛らわそうとしました。

 すると信じられないほどの涙・・・この曲でここまで泣くなんてウソ見たいですが、いままで我慢していた感情が一気に爆発したように号泣しました。まさかこの曲で泣くなんて想像もしてなかったよ。

悲しみが幸せに振り替わる


 夜だったので暗がりに停められてラッキーでした。本当に楽しくて幸せなこの曲を何度も泣きながらリピートして口ずさんでいると、これが不思議・・・きんモザで感動したような錯覚に陥ってくるのです

 つらくて悲しい感情で溢れてしまった精神が、きんモザの幸せな感情にどんどん『振り替えられていく』のを実感して驚きました。何回リピートしたか忘れましたが、涙が枯れるころにはすっかり幸せで感動したような心地よい気分に。

amazon MP3 (試聴あり)
過剰な感情の揺れをきんモザで消費する事で、『悲しい感動』が『幸せな感動』に振り替えられた。

 本当に冗談みたいな話ですがネタではなくて本当です。

 前回の投稿で、きんモザに代表される日常系萌えアニメは『大人の癒し』であると書きましたが、まさかこんな形で救われるとは想像もしていませんでした。

奇跡的な神の采配


 2016年後半の傑作アニメ映画『君の名は。』『聲の形』『この世界の片隅に』 の3本。この公開順序も奇跡的な並びだと思ったものです。

 でも自分は『この世界の片隅に』 と『きんいろモザイクPretty Days』が同日公開である事の奇跡に感謝せずにはいられない。

 『この世界の片隅に』がアイスクリームなら『きんいろモザイクPD』は添えられたウエハースのように悲しみの心を癒してくれる存在。アニメの神様がいるなら本当に気の利いた事をしてくれたものです。

速やかな回復ができたけど・・・


 帰宅して奥さんと会った時には、なんとか会話ができるほどまで感情が回復してきました。今回奥さんと一緒に行く予定だったのですが、予定が変わって一人で行ったのは結果的にラッキーでした。

 いくら何でもここまで自分の心がやられるとは思っていなかったですからね。泣き過ぎたせいかひどい頭痛と胃痛でぐったり。夜中にまた精神的に不安定になったので、起きてきんモザの楽曲を聞き直しました。

 影響が心の芯に響いてくる感じなので、より心身への影響が大きいです。幸い2日ほどで回復できましたが、きんモザがなければもっと長く引きずってたと思います。

 副作用で、未だにきんモザEDの『Starring!!』を聞くと泣けてきますけどね・・・。

 感動しやすい自覚のある人は、頭痛薬や胃薬などストレス対応の薬を用意するのはもちろんですが、鑑賞後にネガティブな心の揺れを、幸せな気分に振り替えられる音楽などを用意するなど、準備をすることをお勧めします。

 でも、何度も言いますが、それだけしても見る価値のある作品です。

こだわりの兵器描写


 宮崎駿氏に勝るとも劣らない兵器描写へのこだわりを持つといわれる片渕須直 監督。本作では人間描写のみならず、兵器の正確な描写も話題でしたね。

水彩調の美しい色彩だけど
兵器や設備、街並みまで非常にこだわって描かれている
©こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

 自分も人並みには戦争の知識はあると思っていましたが、初めて知った事がいくつもありました。空襲といえば街を焼き払うための焼夷弾の事はよく聞いていますが、基地を破壊するための爆弾についてはよく知りませんでした。

 また、高射砲が山の上に作られる事、高射砲の弾薬は着色されている事、上空の炸裂弾の破片が降り注ぎ危険な事など、なるほどと思う事が多かったです。

 また、湾に入港する戦艦の巨大な姿や、破壊前の軍港の様子なども興味深く、単なる反戦作品かと敬遠しているアニメファンにもお薦めしたいですね。
(参考)軍への記述が共感できる記事でした。「この世界の片隅に」は大傑作戦争映画だ。戦争映画マニア必見。 -  新リストラなう日記 たぬきち最後の日々 より

日常系と新日常系と・・・


 冒頭でも書きましたが、さすがに本作を『日常系アニメ』とするのはどうかなぁと思うんですよね。もちろん、単に日常が描かれているから『日常系』と表現してたりする人もいるでしょうし、冗談半分であえて言っている人もいるでしょうけど。

https://ja.wikipedia.org/wiki/空気系

 まあキャッチーな言葉ですし、そう表現したくなる作品ではありますけど。

 でもやっぱり『日常を描いた作品』と言うべきじゃないかなぁ。『日常系』アニメに『厳しい現実』や『悲しみ』を描くのは用語上の矛盾ですよね。

 まして、いくらキャラ萌えしたとしても『日常系萌えアニメ』は明らかにミスリードを誘う表現だと思うので怖い。

 今回調べて初めて知ったのですけど、『日常系萌えアニメ』に『厳しい現実』を付加した作品は『新日常系』という呼び名があるんですね
『一見すると登場人物はいつも日常を送っているようで、実はその背景となる世界は過酷な状況や運命が潜み、いつ日常が壊れるか危うい日々の物語が「新日常系」という、新たな概念として分類されている。つまり、ハートフルと見せかけて、ハートフルボッコな作品のことである』ピクシブ百科事典 - 新日常系 - より

 今回は『日常系』より、対極の意味となる『新日常系』という用語が適切だと思いますが、いかんせん一般への認知度は低いので伝わりにくいですね。

 そういう意味ではTwitterでの Dieske (@diecoo1025)氏の発言が面白いです。


 つまり・・・『 日常系 』という事ですね。新日常系の意味を視覚的に訴える秀逸なアイディアで感心しました。

観るべき価値のある作品


 まあ、いずれにせよ、この作品はやっぱりド直球に『本当に観る価値のある傑作』と言いたいかな。多くの人に見てもらいたい、でもあくまで自己責任でどうぞ(※)という感じ。

(※)追記:ブックマークコメントで指摘がありましたが、危険な作品という意味では全然なくて『知った上で』という意味です。『日常系と聞いていたのに・・・』という不意打ち感で楽しむ作品ではないと思うので・・・誤解させちゃったらごめんなさい。

 戦時中の若い夫婦の日常を瑞々しく描き、できるだけバイアスを排して戦争を描き、元能年玲奈さんである『のん』演じる『すずさん』の奇跡的にシンクロする演技に驚愕する、他に比類のない作品です。

 ただ、自分はまだ2回目を見にいく勇気がありません。奥さんにも見てほしいけど、自分みたいな気分にさせたらかわいそうな気もするし。(でも奥さんは自分ほどは感動屋じゃないので大丈夫かな)

 とにかく、本当に見に行ってよかったです。監督はじめこの作品を制作した皆さん、支援した皆さんには心から敬意を表したい作品でした。

原作:こうの史代
監督・脚本:片渕須直
音楽:コトリンゴ
企画:丸山正雄/監督補・画面構成:浦谷千恵
キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
色彩設計:坂本いずみ
アニメーション制作 : MAPPA

この世界の片隅に 公式サイト
reade more... Résuméabuiyad

映画 きんいろモザイク Pretty Days 感想:幸せをくれる甘いファンタジー

 初日に見てきました!映画『きんいろモザイク Pretty Days』。
 鑑賞後の後味がとっても良くて気持ち良く映画館を後にできる作品でしたね。後半はかなり笑ってしまって、なかなか幸せな気分にさせてもらいました。

「きんいろモザイク Pretty Days」CM(上映中)
KADOKAWAanime (公式配信)
©原悠衣・芳文社/きんいろモザイク Pretty Days製作委員会

 映画と言っても新作スペシャルエピソードと題した49分の中編で値段も一律1,200円。ちょっと別用があったついでにサクッと見られる気軽さでした。

※以下軽いネタバレありのレビューですので未見の方はご注意ください。

意外と万人向けのエピソード・ゼロ?


 きんモザの映画と聞いてどんな話にするつもりだろう・・・と思っていましたが、公開前の特報を見るとしっとりした雰囲気で、おお!なんか映画っぽい・・・と思ったんですけどね。

大宮 忍(右)をメインにした話かと思いきや
小路 綾(左)に焦点を当てたストーリー
©原悠衣・芳文社/きんいろモザイク Pretty Days製作委員会
特報/CMより画像引用
当ブログの画像引用について

 特報ではしのちゃんに何か起こるのかな・・・って雰囲気でしたよね。でも公式サイトみると完全にお祭りな感じでちょっと内容が想像つきませんでした。

 蓋を開けてみればTVシリーズの続編というよりも『エピソード・ゼロ』的な物語で、TV版本編に詳しくない人でも全然OKな感じでしたね。日常系とはいえストーリーもしっかりあって、むしろTVシリーズよりわかりやすいくらいで万人向けになってた気がします。

 現在休業中の種田梨沙さんが出演という事で注目してましたが、小路 綾ちゃん視点のエピソードとはいえほとんど主役級の出演でびっくりしましたね。

エンディングが無茶苦茶よかった


 中盤までのちょっとしっとりした回想エピソードから、エンディングにかけてのコメディー連打でグッグッと盛り上げてくる感じが、短時間のTVではできないすごくいい構成でした。

綾ちゃんの衣装は最高に可愛かった
赤面シーンもたくさんあるしお芝居シーンも素晴らしい
©原悠衣・芳文社/きんいろモザイク Pretty Days製作委員会

 プレゼントシーンとか演劇シーンはおもわず体震わせて笑ってしまったのですけど・・・両隣の人はあまり笑ってなかったのでアレッ?って感じでしたけど、個人的にはかなりツボにはまりました。

かなり笑ってしまいました・・・
©原悠衣・芳文社/きんいろモザイク Pretty Days製作委員会

 そこで盛り上がったまま突入するエンディングが最高でしたね。ED曲の『Starring!!』がすっごく気持ちの良い曲で、本当にもっと続いて欲しい・・・って感じでした。曲中にエピローグ挟み込んでくる演出もすごく良かったなぁ。

amazon MP3 (試聴あり)

日常系アニメへの偏見


 正直言うと、日常系アニメは結構苦手なジャンルだったりするんですけどね。日常系って言ってもいろんな種類があってひとくくりにはできない訳ですけど。

 特に萌え度の高い日常系っていうのは良い歳して見るのはちょっと抵抗があるわけで、食わず嫌いで見てない作品もまだ多いのですけどね。ようやく最近は偏見もなくなってきて素直な気持ちで見る事ができるようになりました。

 見た中で好きだったのは『ゆゆ式』や『恋愛ラボ』ですかね。(恋愛ラボはラブコメかな?)個人的に日常系で合う合わないのポイントの一つは笑いどころが合うかどうかってのがありますね。

コメディ要素が強い日常系が好みかも(画像/amazon)

 この二つは笑いどころもツボにはまってましたね。でも萌えって意味では実はそれほどでもなくて日常系コメディー作品として見てたのかな。

 ちなみに入れなかった作品は『みなみけ』かな。4期しか見てないけど、びっくりするくらい理解できませんでしたね。1期から見れば違うんだろうか・・・。

日常すぎると入れなかったり・・・


 萌えという点では『ご注文はうさぎですか?』ですかね。キャラやOPはすごく好きなんですけど、肝心の本編は日常すぎてあまり入れなかったんですよね・・・本編あまり見ないけど好きって感じ。

ごちうさはストーリーには入れなかったけど萌えという点では好きな作品
(画像/amazon)

 その点『きんいろモザイク』は独特のコメディ感があって『ごちうさ』よりは入れる感じでした。とはいえ眠くなっちゃう回もあってファンかと言われると・・・怪しいのですが、なんといってもキャラの魅力は抜群ですよね。

 今回の『きんいろモザイク Pretty Days』は自分のような純粋な日常系がちょっと苦手な人にも入りやすいストーリー展開でよかったです。

日常系萌えアニメの魅力とは


 今となっては『萌えアニメ』って言葉自体がちょっと死語っぽくなってますけど、日常系アニメにおける萌えってある意味『キモ』というか、そこを楽しむための作品ですよね。

 萌え要素ってのは今やジャンルを超えて広くあるわけですけど、その他のいろんな要素を取り払い、濁りを沈殿させて、透き通ったきれ〜な上澄みだけをすくって鑑賞するような、純粋な『萌え』を楽しむのが日常系作品じゃないか、というのが自分の認識なんですよね。

 ある意味で、アニメ界における粋人というか数寄向けの作品ですよね。一見子供向けのようでありながら、実は大人のファンに向けた作品なので、見慣れない人には『日曜の朝にやっている子供向けアニメ』とどう違うのかわからないですよね。

 子供向けアニメが『未来ある幼い子供達に夢と希望を与える作品』だとすれば、大人向け日常アニメは『厳しい現実を生きる大人たちに癒しと生きる望みを与える作品』。

 自分へのご褒美に甘いお菓子を食べるように、甘くて楽しい夢の時間を与えてくれるフィクションな訳です。

日常系萌えアニメはアニメファンにとって甘いファンタジー
©原悠衣・芳文社/きんいろモザイク Pretty Days製作委員会

 きんモザ難民ごちうさ難民なんて言葉もあったように、厳しい現実を前にこれらの作品を必要とする人々が大勢いるわけですよね。だから日常系作品は現実を乗り越えるための究極のファンタジー

 非現実的だと批判するのは野暮なわけで『あんな女子高生はいない』なんてのは『ミッキーマウスはいない』と言っているのと同じくらいナンセンスなわけですよね。

 そういう意味では『きんいろモザイク』は日常系萌えアニメとしてはまさに、保守本流の系譜を受け継ぐ作品なのかもしれません。

幸せな気分で帰れる作品


 凄まじい名作が目白押しの2016年のアニメ映画界。本作はたしかに号泣もしないし考えさせる事もない、毒や痛みを抜いた、悪い人は誰一人いないフワフワした作品です。

 でもこんな、ただただ(一部の人を)幸せな気分にしてくれるだけの作品が映画館で流れているような世の中は嫌いじゃないな・・・と思うんですよね。

 まあ細かい事を言えば気になる所もなくはないけど、『きんいろモザイク Pretty Days』は秋の休日を鼻歌歌いながら映画館を後にしたくなるような素敵な作品に仕上がっていたと思います!

監督:天衝/副監督:名和宗則
脚本:高橋龍也
キャラクターデザイン・総作画監督:植田和幸
色彩設計:歌川律子・木村聡子
プロデュース:ジェンコ/アニメーション制作:Studio五組
公式サイト:http://www.kinmosa.com

reade more... Résuméabuiyad

聴力と楽器の音域の関係:高音の聞こえない中高年もハイレゾは楽しめるのか?

 オーディオの世界ではハイレゾの流行も定着してきた感じがしますね。アニソン系の楽曲もハイレゾ版が普通に配信されてますけど、自分はすっかり乗り遅れちゃいました

 というのも、自分も中年になって聴力も衰え始めてるわけで・・・。ハイレゾ用に高額な機器とソフトを用意する意味があるのかなぁ・・って思うんですよね。

ハイレゾじゃないけどStereo誌(2010)付録のFostex P650
再生帯域はf0~20kHzだけど高音域は聞こえているのか?
中高年のオーディオファンにとって気になるのが聴力

 ハイレゾの特徴はCDを超える超高音域と巨大なデータ量による細かな表現

 わかりやすいのが超高域ですよね。『ハイレゾ対応』って機器の多くが超高音を再生できますって事だったりするし。

 CDを越える20kHz(2万Hz)以上の高音(40kHz位)を再生できるというやつですが、人間の可聴領域はせいぜい22kHzなんだから無駄じゃない?とたびたび論争になりますよね。

 でも、そもそも中高年になったらCDの20kHzだって聞こえなくなるわけで。中年以降はオーディオが楽しめなくなるとしたら・・・ちょっと怖いですよね。

 今回は高音の聴力とオーディオの関係について調べてみました。

自分の聴力を検査してみる


 聴力検査といえば健康診断ですが、実は病院での聴力検査は『8kHz以下』しか検査しないそうです。つまり8kHz以上の高音は『日常生活で必要性が低い』ので検査しないんだそうです。(参考:神尾記念病院

 でもオーディオ的には8kHzじゃあ話にならないですよね(笑)今はカンタンに検査できるスマホアプリも出ています。また、このブログでもスピーカー測定用の音源を公開しています。
(参考:ブラウザですぐ聴けます)スピーカー聴感測定用テストデータ1(高音域の部)/(中音域の部)/(低音域の部

耳年齢を測ろう! スマホアプリ
色々あるけどiOS5以降対応で、iPodToch 4th でも使えるアプリ(無料)

15kHzまでしか聞こえない世界とは・・・?


 検査の結果驚愕の事実が!というか予想どおりなのですが(笑)自分の聴覚は15kHzがやっとでした。がっくり。

 このアプリでは15kHzが聞こえれば30歳以下という認定みたいですが・・・まあ40代前半としては普通みたいですね。
(測定結果)ギャー、頑張って15kHzがやっと。
なんと奥さんは同年代なのに19kHzが聞こえる・・・。
© AxIS Co. Ltd

 おそらく10代の頃はもっと聞こえていたはずだから、その頃から考えるとかなり落ちている聴力・・・それでは15kHzまでしか聞こえない世界とはどんなものなのか!知りたくないですか?

 一言で言えば、『とくに変わらない』ですね・・・あはは。微妙に老眼を感じている視力に比べると日常生活では全くと言っていいほど認識できません

聴覚の衰えは自覚できるのか?


 じゃあオーディオ的にはどうなのか?と言われると、これもかなり微妙・・・。今でこそアニソン中心に聴いてますが、吹奏楽部だったので若いころはクラッシックまで幅広く聴いていました。

 その当時のソフトを聴いても自覚は難しいですね。確かにもう少しシンバル華やかさが欲しいと思ったり、ちょっと満足できない感もあったりもします。

 でもなぁ、使っている機材のグレードがねぇ(笑)妥協して買った機材なので、前から不満はあったんですよね。『シンバルの華やかさ』なんて結構レベルの高い話じゃないですか。これがすべて聴覚のせいかと言われると・・・どうでしょう?

 音楽を聞く時はヘッドホンで集中して聞くことも多いのですが、聴力の劣化を自覚できているかといえば・・・・しているような?気もする・・・程度のかなり微妙な感覚です。

 明らかに15kHz以上は聞こえてないのに、どうしてこれほど自覚が無いんでしょう?

楽器の音の範囲って結構せまい?


 15kHzだの20kHzだの数字で言われてもピンと来ませんが、実際の楽器の音程範囲はどうなのでしょうか。

  下記の引用先によると、極めて広い範囲をカバーできるピアノですら上限4kHzほど。ソプラノ歌手も1kHzくらいまでが一般的なようで意外と低いんですね。
『CDは20kHzという超高域まで記録・再生できるにもかかわらず20kHzまでの超高音出せる楽器は存在しない。楽器の中でももっとも広い音域を誇るピアノであっても一般的な88健では最低音(Aまたはラ)が約27Hz、最高音(Cまたはド)も約4200Hzでしかない。』
copyright © Mycar-life.
#1: 音の周波数帯域とは何かを知ろう - カーオーディオ情報サイト・マイカーライフ より引用
ピアノ:最低音 27Hz - 最高音 4186Hz(約4.2kHz)

 これを聞くと15kHzどころか10kHzだって必要ないじゃん!と思いそうですが、実際には楽器の音には倍音成分が含まれるのでもっと高い音も発生するんですね。

倍音成分は高域まで伸びている


 実際に倍音成分を測定したのが下記の引用先。鍵盤楽器で和音を弾いたところ、出した音の音域以外まで幅広く音が測定できた事が書いてあります。

 弾いた和音は130Hzから520Hz(0.13-0.52kHz)程度の低めの音です。しかしグラフを見ると1,000Hz(1kHz)を超え、遥かに高域の20kHzまで倍音成分が観測されています。特にグランドピアノ(緑)は高域の倍音成分が豊かであることがわかりますね。
 『和音を同じような強さで弾いてもらいました。和音は真ん中のドを中心とした和音、記号で言えば、C3、C4、E4、G4、C5の和音です。』
Copyright © (株)ふくろう不動産
グランドピアノと電子ピアノの音の周波数を計測してみました- (株)ふくろう不動産 より引用

 簡易測定とはいえ、楽器の基音域だけ聞こえれば十分とは言えないのは確かなようです。

 でも逆に考えると、倍音成分が多少削られる程度なわけで、楽器や音声の音域は15kHzも聞こえれば十分との見方もできますね。

聞こえない高音の意味はあるのか


 とりあえず15kHz以上の超高域が聞こえなくてもオーディオ的には不満なく楽しめる感じです。じゃあ聞こえない高音にこだわる意味あるの?という事ですよね。

 『超音波を体で感じる』という説もありますが個人的にはあまり賛同できないんですよね。

 一つわりと納得できる説としては『超高域の信号がそれ以下の帯域信号の質に影響する』という説。超高域を記録することによる可聴範囲の信号に対する影響については考慮する必要はあるかもしれません。

 実際下記のような意見もありますし、オーディオ工作でも超高域ノイズの可聴領域への影響を考えると、一概には否定できないよなぁと思ったりします。
 楽器の録音の場合も同様で,不可聴域の成分が録音されていると,再生時に可聴域の音に影響を及ぼすということが言えます。(中略)
 人間性能については,部屋や耳や空気も非線形な性質を含んでいるので,「20kHz以上の音波が聞こえなくても,20kHz以上の成分が含まれた音源の聴き分けはできる」という人や環境が存在する可能性は,そんなこんなで十分信じるに値します.
 96kHz録音の意義について - 宅録チェリストの憂鬱

 まあ素人なんで分からないですけどね。この辺は簡単な測定では判断がつかないですし、本格的な調査もできないので。とは言え経験則も無視できないのかなぁと思います。

高齢になってもオーディオを楽しめるのか


 結論から言えば、多少高音が聞こえなくても十分オーディオは楽しめるって事ですね。少なくとも40代で16kHz以上が聞こえない自分としてはそういう感想です。まあ、50代・60代となるとどうなるかはわかりませんが。

 音のリアリティというのは高音の伸びだけでなくて、S/N比などの微細音の表現も重要なわけで、ハイレゾのもう一つの特徴はそこですからね。可聴領域の微細音の表現がわかればハイレゾの意味はあるわけですよね。

 でもそれを聞き分けるには聴力以上に良い機材が必要なので・・・『高音が出るだけ』のハイレゾじゃなくて、本当に高品質な機材とソフトが必要になるのかなぁと思います。

 もちろん、若い頃ならもっと良いんでしょうけどね。聴力の良い若い頃にオーディオを楽しんでおくのは大切だと思います。

 若い人がちょっとムリしても良い機材で高音質を狙うのは、とても合理的な判断だと思います。高級オーディオは老後の楽しみに・・・なんてちょっとナンセンスですよね。

 次回はハイレゾの微細音について着目した記事を書いてみたいですね。そしてハイレゾ体験談も書く予定です〜!

reade more... Résuméabuiyad