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『ラブライブ!』は私達に何をもたらしたのか?

 『ラブライブ!』って本当に美しいですね!特に劇場版のラストライブ・・・極限まで高められた美しさに圧倒されました。『萌え』の上級表現である『尊い』って言葉がこれほど似合う作品ってあるでしょうか?
※ラブライブ!全体を通じた感想・考察記事です。
リアリティという縛りから自由になった美しい映像表現
劇場版で理想のアイドル像が完成された
©2015プロジェクトラブライブ!ムービー
ラブライブ!The School Idle Movieより
当ブログの画像引用について

 ここまで心に響く理由・・・それは『ラブライブ!』という作品がアイドルの持つ偶像部分のみを分離し、現実の枷から飛び立つ事が出来たから。現実に囚われない理想のアイドル像を実現できたからだと思います。

 『ラブライブ!』というコンテンツがμ'sの解散という形で一つの区切りを迎えようとする今、この作品が何を成し遂げ、私たちに何をもたらしたのか振り返ってみました。

ラブライブ!に至るまで・・・


 2009年に放映された『けいおん!』によって広く支持された『声優が歌う音楽アニメ』の流れは、その後2011年放映のアニメ版『THE IDOLM@STER』(アイマス)によって『アイドルアニメ』というジャンルが確立されるに至りました。

 アイマスは架空のアイドルであっても、現実のアイドル以上に支持される事を証明した非常に優れた作品です。

アニメ版 THE IDOLM@STER (amazonリンク)

 アイマスは出自がアイドル育成ゲームという事もあり、アニメらしい表現をつかいながらも、現実離れしないように配慮されていました。スタッフ・ファン・メンバーの競争まで描写する。それは、あくまで現実のアイドルという枠組みをベースにしたドラマ作品だったからです。

 2013年、そこへ発表されたのが『ラブライブ!』という作品でした。架空のアイドルをつくるメディアミックス・プロジェクトを出自とするの一環である本作にとって、現実のアイドルという縛りは初めから希薄なものだったのです。
※『出自』は分離した作品と誤解させるとの指摘があったので訂正いたしました。

現実から解き放たれたラブライブ!という作品


 当時、多くの人がアイドルアニメといえばアイマスのようなものをイメージするなか、京極監督はおそらく気づいていたんだと思います。『アイドルアニメはもっと自由になれる』という事に。

 『ラブライブ!』のTV放送一回目。多くの視聴者の度肝を抜いた突然のミュージカル演出。これによって本作がダンスと楽曲のコラボレーションに重点を置いた作品である事を宣言しました。

TV第1話の突然のライブシーン
この作品の方向性をはっきりと宣言する演出だった
©2013プロジェクトラブライブ!/ラブライブ!1話より

 その特異にも見える現実離れした演出は回を重ねるごとに深まり視聴者を戸惑わせます。しかし秀逸なストーリー構成は私たちの心を掴み、いつしか違和感を感じなくなっていきました・・・ここに、現実のアイドルという枷が外れた『ラブライブ!』という作品がひとつの完成を見たのだと思います。

劇場版でみせた さらなる高み


 しかしそれは通過点に過ぎませんでした。2015年公開の劇場版『ラブライブ!The School Idle Movie』では、突如として挿入される学年別ライブパートがまさにミュージカルそのもの・・・いや、むしろ現実のミュージカルでは実現できないような過激な演出を披露します。

 夢とも現実ともつかない構成は、TVシリーズで慣れていたはずの観客ですら驚愕させ、私たちにより一段の高みへ登るように促します。

TVシリーズよりさらに過激になった演出は
ラストライブへの階段にすぎなかった
©2015プロジェクトラブライブ!ムービー
ラブライブ!The School Idle Movieより

完成された超現実的表現


 そして辿り着いたその先に見たラストライブの光景・・・そこにあったのは現実世界への配慮は微塵も感じさせない背景描写。美しさを最優先にしたカットとカメラワーク。すべてが超現実的表現・・・まさに神々しいまでに純化されたアイドル像がありました。

この映像が映画館のスクリーン一杯に映し出された時
自分のつまらない常識も消えて無くなった
©2015プロジェクトラブライブ!ムービー
ラブライブ!The School Idle Movieより

 現時点での最高の技術で実現された究極のアイドル表現・・・それを見た時、誰もが心を動かされずにはいられなかったのです。

ラブライブ!がもたらしたもの


 実のところ、自分はアイドル自体にあまり興味がなかったし、ましてアニメのアイドルなんて実体のない幻想に熱狂するなんて考えられませんでした。

 だからTV版『ラブライブ!』では、いい歳してアイドルアニメなんて・・・という自分の常識に『ストーリーが意外と面白いから見ているんだ・・・』と言い訳していました。ちょっと後ろめたい気持ちで。

ラブライブ!の美しさは映像技術の力にも裏打ちされている
3Dと2Dの融合は劇場版において驚きの完成度を見た
©2015プロジェクトラブライブ!ムービー
ラブライブ!The School Idle Movieより

 でも、そんなくだらない常識を吹き飛ばしてくれたラストライブのシーン。今なら誰憚ることなく断言できます。

 『ラブライブ!』は美しい・・・

 実体がなく抽象化したからこそ表現できるものがある。劇中の『飛べるよ』というセリフは、まさにこの作品自体に向けられた言葉のように思えてなりません。

 現実のアイドルという縛りから飛び立った時、アニメーションはここまでの表現ができるという事を教えてくれました。アニメーションの可能性がさらに一歩広がった事を実感できたのです。

 こんな瞬間に立ち会えた幸運に感謝するとともに、京極監督はじめ、こんな素敵な作品を作り上げてくれた皆さんに最大限の賛辞を送りたいです!本当にありがとう!
【関連投稿1】映画 ラブライブ!The School Idol Movie 感想:うれしい裏切り!ハラハラドキドキ感動の大団円!
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劇場版Blu-rayは特装版の中古がお買い得ですね

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ラブライブ!『μ's Live in Theater』を見た感想とレポート:みんなありがとう!

 行ってきました!『ラブライブ!ありがとうプロジェクト』の一環、『μ's Live in Theater』もう・・・本当に良かったです。最高でした

フルサイズの立派な色紙が入場特典
袋を付けてくれた109シネマズ菖蒲の配慮に感謝!
©プロジェクトラブライブ!

 埼玉の109シネマズ菖蒲だったんですが、雰囲気も丁度良くて、座席にも恵まれてリラックスして楽しめました。満員の劇場で誰の目を気にすることなく没頭できたのは本当に幸運でした。

心配だったけど、あっという間の89分・・・


 『μ's Live in Theater』はこれまでの楽曲のアニメPVを30曲流すだけ・・・でも、89分が本当に短く感じました。

 劇場版の楽曲に入る頃には「ええ、もう終わっちゃうのか・・・」と思うほど。『どんなときもずっと』でメンバーが羽根をとるシーンからぐっと来ちゃって、終盤ではほとんど泣きっぱなしになってしまいましたよ!

 自分はラブライブ!だけでなくアニメ・アイドル系のライブ自体行ったことがないので、棒の振り方も知らないし、ただ大画面でPVを見たい!というだけで見に行ったんですよね。

 いわゆる地蔵状態ですから、白い目で見られるのでは・・・と心配でしたが、いやぁ、ライバーの人たちも適度に場を盛り上げてくれて、地蔵でいても問題無い感じで楽しめました。

丁度良い温度の会場


 予約した席はセンター中央寄り。激しいラブライバーの人たちは中央を避けるのでは?と思ったら予想的中。若いライバーらしき人たちは、配慮してくれたのかサイドに席を取ってくれていました。それにしても10代の若い人や女性も多くて、場所柄でしょうけど本当に色んな方がいましたね。

 あと初めて見たけど、光る棒、サイリウムじゃなくて蛍光灯みたいな明るい棒でびっくりしましたよ。あれが目の前で振られたら結構やばかったけど、幸い前の席の方はサイリウムを控えめに使ってくれてて助かりました

 掛け声とかもそんなに気にならずに、ライブ感を盛り上げる感じで良かったですね。(劇場の音量は割と控えめだったので、あれ以上掛け声が被ると聞こえにくくなったかもしれませんが)

 両脇は幸いにも若く無い男性ファン(多分自分の方が年上だと思うけど・・・)が地蔵で固めてくれたので思いっきり映像に没頭できました。 

大画面で楽しめる高画質に感動


 冒頭こそ硬かった場の空気も、曲が進むにつれて暖まってきて、自然と体が揺れてきます。それにしても本当に映像がキレイ!感動的でした。都合により(主に経済的な理由ですけど)円盤を買えていないので、地デジ録画だとノイジーになる部分もスッキリ。

 あの大スクリーンでも全くノイズを感じないのは本当に気持ちがいいですね。ネット動画でしか見たことの無いPVもあの美しさ・・・それにしても楽曲と映像を一緒に見ると最高に良いですね。楽曲を聴いているだけでは味わえない楽しさ。あっという間に時間が過ぎていきます。

後半は感動してしまいました・・・


 そして、終盤。『どんなときもずっと』のラストシーン。羽根の件は知っていたんですがやっぱりこみ上げてきちゃいますね。そしていよいよ、劇場版の楽曲になるともうヤバイ・・・。『Hello,星を数えて』なんて映画でも別に泣くところじゃなかったのに、なぜか涙が溢れてきます

 もう劇場版に入ったって事実だけで思い出して来ちゃうんですよね。『?←HEARTBEAT』の空想ライブシーンはもう放心状態で見てました(笑)そして最後の『僕たちはひとつの光』・・・改めて、本当にキレイですよね、スクリーンによく映えます。テロップが出てくるとまた涙が・・・最後は他の皆さんと一緒に拍手で終わることができました。

 終わった後、もうぐったり・・・完璧に堪能することができました。こんな素晴らしい企画をプレゼントしてくれたスタッフの皆さんや、良い雰囲気をつくってくれた観客の皆さんに『ありがとう!』と言いたくなる・・・とても幸せな時間でした。
【関連】映画 ラブライブ!The School Idol Movie 感想:うれしい裏切り!ハラハラドキドキ感動の大団円!
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BD版も発売されましたね!

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傷物語 Ⅰ 鉄血篇 感想 :劇場作品としての気合を感じた!

 傷物語 Ⅰ 『鉄血篇』を映画館で見てきました。『化物語』の前日譚として、3部作の第1部なわけですが、たしかに面白い・・・面白いけど・・・欲求不満じゃ〜(笑)第2部が夏公開と聞いて気が遠くなりました・・・でも間違いなく面白いので絶対見に行きますけどね。

傷物語Ⅰ 鉄血篇/本予告 aniplex(公式配信)
2作目を見に行った感想も書きました。
傷物語 Ⅱ 熱血篇の感想:羽川さんの魅力をこれでもか!てくらい詰め込んだ映画で感謝しかない - アニメとスピーカーと
※核心に迫るネタバレはないレビューですが未見の方はご注意ください。

シネスコを生かしたすばらしい映像


 まず一番の印象は、全編シネマスコープサイズ(横長画面)を生かした映像。スクリーンでみるとすっごくキレイです。

 アニメは劇場版でもほとんどビスタサイズですが、シネスコサイズを前提に、大胆な構図を積極的に使っていて素晴らしいですね。広角な開放感のある構図はもちろん、アップで羽川翼の髪がたなびくシーンなんてもう最高でしたよ。もう、この姿を見れただけで元取れちゃったなぁ・・・って感じ。

アップ映像が視野いっぱいに広がっても間延び感を感じない
公開告知CM(羽川翼編)より
(C)西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
当ブログの画像引用について

 TV作品を大画面で見ると若干の違和感というか間延び感が出ることがありますが、そういう違和感も全然感じません。ただ、大きな劇場の場合は少し後方気味の席の方が構図を楽しめていいと思いましたね。本当に大スクリーンで最大限楽しめるように作られていると思います。

TVシリーズとは違う演出


 また、演出がTVシリーズとはずいぶん違うのも印象的でしたね。化物語で特徴的だったテキストが高速で切り替わるような演出はあまりなく、テキストはむしろ読ませるような演出でした。

 あの演出はやっぱりTVの方が向いてるんでしょうかね。録画なら止めて読めるし。ちなみに『黒齣』のかわりに『noir』みたいにフランス語が使われていて、それも印象が変わる原因でしたね。

 どちらが優れているとは言えませんが、テレビとは違うってことを強く印象付けられました。

よく動く映像と、じっくりした展開


  TVシリーズの『化物語』も動かないわけじゃないですが、傷物語は動きのダイナミックさが格段に素晴らしいですね。忍野メメの登場シーンなんてものすごいスピード感で、シネスコの大画面を縦横無尽に動いている感じですごい迫力でした。これもやっぱり映画を意識しているのかなと思いました。

大スクリーンに映える驚くほどスピード感のある映像
Ⅰ 鉄血篇 公開中CMより
(C)西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト

 それに対してストーリー展開は、30分番組という枠にとらわれないせいか、区切りをつけずにじっくり展開していきますね。TVシリーズのメリハリのついた感覚で見ると、ちょっとゆったりした感じもします。これも映画ならではですよね。冒頭の意味不明なシーンが中盤でスッと回収される構成は気持ちよかったです。

 どんどん盛り上がってきて、おお、いよいよ・・・!という所で終わるので・・・うぉー早く見たい!って感じになりましたけどね。


実は・・・まだ


 あ、ここまで書いてきてなんですが・・・自分はまだ『化物語』しか見てません。(原作小説もよんでいません)偉そうなこと書いてごめんなさい(笑)

 『物語シリーズ』のアニメ化は2009年からなので、『涼宮ハルヒの憂鬱』と同じく自分の中で見逃している時代なんですよね。ハルヒの方は先日鑑賞していたく感動しました。
【参考】2015年に『涼宮ハルヒの憂鬱』を初めて見た感想:まさかここまで面白いとは!

 深夜アニメの代名詞的存在として、ハルヒに並んで有名な『化物語』。ちょっとアニメの事を知っている人なら、知らない人はいない有名作品ですよね。

 自分は自己紹介の通り、魔法少女まどか☆マギカ以降に深夜アニメを見始めたので『化物語』をはじめとする物語シリーズは未見だったんですよね・・・でも、まどマギと同じシャフト・新房監督作品ですから、当然ながらすっごい興味がありました。

『傷物語』はエピソード1


 でも気付いた時には、すごい量のシリーズ化がされているじゃないですか・・・それに順番がヒッジョーにわかりにくい。ラノベ系は総じてその傾向はありますが、ハルヒにくらべても分かりにくい・・・。
『『化物語』『偽物語』『猫物語(黒)』「セカンドシーズン」『憑物語』『終物語』『暦物語』はテレビ放送およびインターネット配信された。『傷物語』は三部作の劇場アニメ化として、〈I 鉄血篇〉が公開された。』Wikipediaより

 でも本作『傷物語』の映画公開がきっかけで、ようやく見ることができました。映画公開が後押ししてくれたわけでありがたいですね。

 できれば全部見た方がいいのかな?とおもったのですが、時間的に第1作の『化物語』(15話)のみ鑑賞。そしたら『傷物語』は『化物語』の前日譚なので、とりあえず化物語のみでOKだったみたいですね。よかった。

 実際、化物語のみの鑑賞でも十分楽しめました。『化物語』未見でも理解できますけど、当然見た方が楽しめますよね。スターウォーズEP1みたいな感じですかね。

早く2部が見たい!


 TVシリーズにせずに劇場版としたのは、昨今の映画化ブームの流れもあるのかもしれません。でも単にTVシリーズの映画化という枠を超えて、映画ならではの作りになっていると感じました。

 夏の2部公開が待ち遠しいですが、残りの物語シリーズを鑑賞して待ってます!これは未見者の特権ですね!

※そういえば、劇中で出てきた芳賀書店のパロディ・・・今時わかる人いるんだろうか?と思ってしまった。そもそもアダルト本自体いまは買わないもんね。スマホにしちゃったらストーリーが変わっちゃうし・・・ちょっと時代を感じました。

2作目を見に行った感想です。
傷物語 Ⅱ 熱血篇の感想:羽川さんの魅力をこれでもか!てくらい詰め込んだ映画で感謝しかない - アニメとスピーカーと


「傷物語」公式サイト 

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『スピーカー』『オーディオ・ビデオ』『備忘録・Mac・その他』『生活』
当ブログの引用画像について法律上の扱いについての説明


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2016年に見た『涼宮ハルヒの消失』感想と考察:長門は恋をしていたか?


 あわわわ・・・なんかもう色々ヤバイです。これは・・・俺の脳内2次元容量がすべて長門有希に塗りつぶされていく(笑)なるほど『長門は俺の嫁』って言い出す人が続出したわけだ!ホント納得しちゃいますね。

ここまで長門有希の魅力を引き出されるとは!
でも萌えだけじゃないジェットコースターのような激しい展開
(C)2009 Nagaru Tanigawa・Noizi Ito/SOS団
当ブログの画像引用について

 年末に見た『涼宮ハルヒの憂鬱』に引き続き、2016年になって初めて見る劇場版『涼宮ハルヒの消失』の感想です。今見てもまさに衝撃的・・・
※後半からネタバレのレビューとなりますのでご注意ください。
【参考】2015年に『涼宮ハルヒの憂鬱』を初めて見た感想:まさかここまで面白いとは!

すぐにもう一度見たくなる、まさに名作!


 しっかし良くできた作品ですよね。163分という長尺にもかかわらず飽きるどころか、見終わった後もすぐにもう一度見たくなります。さらにTVシリーズ本編も最初っから見直したくなるんですよね。

 これはまさに名作。エピソードの中でも一番人気と言われるだけのことはあります。当初はTVシリーズの一部として検討されたらしいですが、やっぱり劇場版にした意味は大きいですね。あくまでTVシリーズの延長ではありますが、シリーズ全体をまとめあげたすばらしい構成になっていると思います。

なにが素晴らしいのか!


 とにかく考察したくなる点が山ほどあって(笑)きっと当時はすごいことになっただろうことは想像に難くありませんね。

 前半のミステリーのような面白さ、そして二転三転するジェットコースターのような後半の展開。朝比奈みくる(大人バージョン)の魅力、そして何と言っても長門有希の、もう何といったらいいのかわからないような切なさ!

現在の京アニ作品に通じる美しいシーン
『中二病でも恋がしたい』や『境界の彼方』を連想させる切なさ
(C)2009 Nagaru Tanigawa・Noizi Ito/SOS団

 とにかく素晴らしい作品でした。すべてが数珠つなぎになったような見事な伏線の回収。TVシリーズから劇場版までひとくくりで壮大な一つの作品ですね。2016年になってもぜひ見るべきオススメの作品群だと思います。
※以下よりネタバレとなりますのでご注意ください。
こちらをクリックすると最終章へ飛べます。

長門の感情はエラーだったのか?


 本作の重要なテーマ、長門有希の『感情』について。どうしても考察したくなっちゃいますよね!感情自体はTVシリーズ序盤から萌芽が感じられました。

 でも、おそらく情報統合思念体は感情の発生については想定済みだったと思うんです。当然ですよね、高度に発達した生命体なのですから。

長門に感情が芽生えることは不可避だった
しかしなぜ長門はエラーを起こしたのか
(C)2009 Nagaru Tanigawa・Noizi Ito/SOS団

 感情自体をエラーと見る考えもありますが、個人的には感情が発生しても問題が起きないように対策されていたのだと思います。でも結果としてエラーになってしまった、それはなぜか?

『エンドレスエイト』説


 その理由には『エンドレスエイト』説を採りたいですね。つまりあの、アニメ史に残る曰く付きのエピソード『エンドレスエイト』がエラーの原因であるという説です。

 情報統合思念体が準備していた『感情が発生しても問題が起きない』システム。しかし、そのシステムは100年程度の運用を想定していたのではないでしょうか?

『それはおもいっきりベタな代物なんだ』
このシーンは目頭が熱くなりました・・・
(C)2009 Nagaru Tanigawa・Noizi Ito/SOS団

 想定をはるかに超える500年以上の運用。しかも感情を揺さぶるような濃ゆ〜い夏休みの2週間!それをあのメンバーで1万5千回も繰り返すという荒業。さすがの情報統合思念体も想定外の状況のはずです。

 100年程度なら何の問題もなかっただろう感情の処理システム。想定をはるかに超えた感情の蓄積を処理しきれなくなり、とうとうバグが顕在化してしまった・・・そんな風に解釈しました。

 そう考えると『エンドレスエイト』の非常識な構成も納得いくんですよね。

そして改変へ・・・


 その結果、感情の行き場を失った長門は、あんな風に世界を改変する暴挙に出てしまった。でもそれは、溢れる感情をどうすればいいのかわからなくなって、キョンに判断を委ねたということだったわけで・・・彼女なりの思春期、一種の中二病だったのかもしれない・・・なんて思うわけです。

記憶の蓄積→人格の形成→感情の発露
長すぎた時間は彼女に思春期をもたらしたのかも知れない
(C)2009 Nagaru Tanigawa・Noizi Ito/SOS団

 子供が成長して自分の人格をもつように、アンドロイドである彼女は想定外の記憶の蓄積により独自の人格を形成したのかもしれない。それが与えられた設定を超える感情の発露につながった・・・そんな風に感じてしまいました。

長門の感情はどうなったのか・・・


 修正プログラムを注入された長門は、また感情のないアンドロイドに戻ってしまったのか?それじゃあ、いくらなんでも残酷すぎるだろ・・・。

 ラストの病院の屋上、そしてエンディング後の図書館のシーンで見せた長門の表情をみるに、リセットされたわけじゃないんだ・・・と安心しました。

長門の感情は消え去ってはいなかった・・・
(C)2009 Nagaru Tanigawa・Noizi Ito/SOS団

 修正プログラムは、例えてみれば上書きアップグレードのようなもので、記憶を維持したまま修正するプログラム。記憶は人格と直結しているから、感情を維持したままで異常動作をしなくてすむようになったんだろう・・・と思います。

 だって、少しだけど、明らかに前よりも感情を強く感じられるようになってましたよね。処分が検討されることには寂しさが滲んでいたし、なにより『ありがとう』の言葉が印象的でしたね。人間としてちょっとだけ成長したのかも。

長門のラブストーリーなのか?


 上映当時の考察を調べると、長門のラブストーリー説にはかなりの批判はあったようですね。『色恋話に堕とすな!』的な・・・。

 まあ、たしかに単なるラブストーリーと単純化するのは違和感ありますね。もっと深い話だ!って言いたくなる気持ちはわかります。でも広い意味での青春の物語、アンドロイドの思春期のお話と考えると、当然ながら恋心を排除はできないわけで・・・。

恋愛モノじゃないと批判もありますが・・・
でもやっぱりホッとしたシーン
(C)2009 Nagaru Tanigawa・Noizi Ito/SOS団

 なにより、長門が世界を改変した理由として『普通の女の子に憧れた』と言うのがあるけど、もう一つ『キョンの希望を叶えてあげたかった』というのも・・・あるんじゃないかな?

 つまりキョンが願っているように見えた『何も事件のない平和な生活』。彼女は『キョンが望んでいたかも知れない世界』を提供してあげた。長門は自覚してなかったとしても、それは恋だよなぁ・・・と思うんですよね。

 そういうピュアないろんな感情が一緒になって彼女を突き動かしたんでしょうね。でも、あえて長門のラブストーリーと思いたいかな・・・やっぱり青春に恋はつきものですからね(笑)

長門はハルヒのいない学校で恋する事を願っていたのか・・・
それは解釈の余地があるけれど、このシーンはあまりに悲しかった
(C)2009 Nagaru Tanigawa・Noizi Ito/SOS団

 ハルヒのいる世界を選んだキョンに、あまりにも悲しげだった長門の姿が本当につらかったんですよね。だから病院の屋上のシーンで救われました・・・よかった。結局ハーレム展開かよ・・・って感じもしなくもないですが、でもやっぱりあれで良かったと思いますね。

朝比奈さん大人バージョン


 本作で大活躍なのは朝比奈みくる(大人バージョン)ですよね。TVシリーズのみくるちゃんは本当に素晴らしかったですが、大人バージョンは本当にいい味でてましたね。声優の後藤邑子さんの演技、すごいなぁと感心しきりです。特に次のシーン。

(C)2009 Nagaru Tanigawa・Noizi Ito/SOS団 (画像・セリフ共に)
色々大変だったけど、全部いい思い出です。
ねえキョンくん、きっと、いつかあなたも
この高校生活を懐かしく思う日がきます。
終わってしまえば、なにもかもあっという間だった、
夢のように過ぎてしまった・・・そんなふうに思う時が。

 オッサンになってからこのセリフ聞くと・・・なんかもう本当に・・・色々沁みますね。ある種、唐突にこのセリフが出てくるのですが、これって本作のテーマに深く関わっている気がしてなりません。

 この後、朝比奈さんがキョンに肩を寄せて謎の囁きがありますよね。これは結局原作でも不明みたいなんですが、おそらく謝罪の言葉だろうという説が主流ですね。2度3度みると違った味わいで見ることができました。

 もう一つ、朝比奈さんが長門を恐れる理由ってなんだろう。朝比奈ミクルの冒険で襲われたからだろうか・・・?
※これ以下は超絶ネタバレなので未見の人は見ないでください。
こちらをクリックすると最終章へ飛べます。



美しすぎる朝倉涼子の舞


 本作でもう一つ見逃せないのが朝倉涼子の凶行シーン。このシーンにびっくりしたのは当然なんだけど、実はとっても大好きなシーンです。

 彼女が舞うようにナイフを扱うシーンが本当に美しいですよね。悦楽に浸るような笑顔でナイフを振り回し、美しいまでに残酷なセリフを流れるようにに口ずさむ。どのセリフも本当に印象的で素晴らしい。

美しく舞うように、しかし容赦なく命を奪おうとする
『それがあなたの感じる人生最後の感覚だから』はすごいインパクトだった
(C)2009 Nagaru Tanigawa・Noizi Ito/SOS団

 可愛らしさと残酷さの対比がすばらしくて、狂ってるんだけど狂った感じが全くしない。まさに確信犯的。これほど美しい凶行シーンを見たことがありません。

最後に


 本当にいろんな解釈・考察ができる作品で面白いですね。とても一言では言い表せない素晴らしさがあります。

 2016年の今鑑賞することで、京アニの歴史を辿るような面白さもありますが、それ以上に新たな発見があるし、単に旧作を見る以上の価値があります。今見ても全然色あせることなく楽しめます。今ならすぐに繰り返し見ることのできる便利さもありますね。

 私のように最近深夜アニメにハマった人には、ちょうどハルヒを見逃している人も多いと思うんですよね。未見の人にはTVシリーズ含めて是非お勧めしたい作品でした。

 これがTVシリーズと合わせて月400円でみられるDアニメストアはありがたいですね。本当に感謝です!
【参考】2015年に『涼宮ハルヒの憂鬱』を初めて見た感想:まさかここまで面白いとは!
他の『アニメ』の記事を読む
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当ブログの引用画像について法律上の扱いについての説明

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