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映画『きみの声をとどけたい』感想:普通にむっちゃ良い映画ですね!

 映画『きみの声をとどけたい』を見てきました。上映後に『普通にむっちゃ良い映画じゃね?』って声が聞こえました(笑)一言で評価すれば『まさにそんな映画』ですね。

 ものすごく分かりやすくて、ややもすると陳腐になりそうなストーリーを『演出の力』でとても後味のよい作品に仕上げていました。

 小さな街角のお話だけど終わってみれば大作を観たなぁ・・って思わせる(笑)最後は自然と涙が流れて気持ち良くスクリーンを後にできる映画でした。

映画『きみの声をとどけたい』本予告
東北新社 映画チャンネル(公式配信)

※以下ストーリー上の核心に迫るネタバレはないレビューですが未見の方はご注意ください。

劇中音楽の演出がすごく良い!


 『きみの声をとどけたい』で驚いたのは音楽の演出ですね。楽曲を積極的に劇中で使いセリフと歌詞を被せてくる演出、アレ、すっごく好きなんですよね。

 タイトル前のまるでオープニングのような構成。クレジットが出ないので不思議な感じですがあそこ好きだったなぁ。一気に気持ちが盛り上がりました。

 その後も歌詞のないバージョン?(良くわからなくて、違ってたらごめんなさい)を劇中で使ったりする所も良かったな。もちろん劇中でのライブもね。ベタなんだけど、あそこまで感動させるのってすごいなぁ・・・ちょっとビックリしました。

劇中では様々な形で楽曲が使われる。音楽による演出は際立っていた。
映画『きみの声をとどけたい』本予告より画像引用
当ブログの画像引用について
(C)2017「きみの声をとどけたい」製作委員会

 ストレートで奇をてらう所のない作品ですが、楽曲の使い方だけはちょっと普通の作品とは違う演出。ある意味今風なんでしょうけど。でも、すごくマイルドな使い方なので多くの人に受け入れられる演出だと思います。

 自分はこの音楽の使い方がとても好きでした。

ラブコメ要素のないストレートな青春物語


 ストーリーはラブストーリー要素はほとんどないという純粋な青春作品。まあ、予告編そのままって捉えて良いと思います。正直、鑑賞前は『文科省推薦』っぽい雰囲気でなんだかなぁ・・・って印象でした(笑)

病気のお母さん、ラジオ、言霊、商店街・・・など
見る前は説教くさい教育作品かな?って印象だった。
(C)2017「きみの声をとどけたい」製作委員会

 それがここまで見せてくれる作品になってるんだから・・・大したもんですよね。ビックリしました。

 予告では『言霊』とか『ラジオ』とかファンタジー的なやつかな?って思いましたが、ファンタジーとかスピリチュアルな作品というより、基本的には友情と青春の話ですね。

斜に構えた自分でも楽しくなっちゃう不思議な感覚


 自分はひねくれ者なので、こういうストレートな作品はつい説教くさく感じちゃって。まあ、敬遠しちゃうんですよね、正直なところ。とりあえず見てみるか・・・くらいの気分でしたが、冒頭のノリの良い演出から上手く見せてくれるんですよね。

へぇ〜結構面白そうじゃん』って気分にさせて、自分の斜に構えた気持ちをほぐしてくれます。

 主人公の『行合 なぎさ』もちょっと現実離れしたような良い子で、普通だと『こんな人いるわけないじゃん』なんて思っちゃうんだけど、不思議とそういう覚めた気分にさせられないんですよね。

主人公の行合 なぎさ
ありえない行動を取っても不思議と許せてしまう
(C)2017「きみの声をとどけたい」製作委員会

 なぎさ役の片平美那さんの、ちょっとクセのある演技がすごくハマっていたせいかもしれません。

声の演技もかなり良かった


 この作品の主要キャラの声優は、三森すずこさんを除くと、すべて新人声優ユニットのNOW ON AIRのメンバーだそうですね。全然知らなかったのですが。

右端の『紫音』以外はユニットの新人声優が演技
真ん中の乙葉は独特のキャラデザインで面白い
(C)2017「きみの声をとどけたい」製作委員会

 そう聞くと企画ありきって感じで『大丈夫なの?』って思いましたが、さすが選抜されただけあってどの人も上手でしたね。

 特に主人公のなぎさ片平美那さんを充てたのは良い配役だなぁと感心しました。独特の揺れや妙にリアルな感じが面白いです。まあ、大泣きするシーンはいかにもアニメ的でどうかと思いましたが。

 あとアーティストの乙葉役の鈴木陽斗実さんの演技も良かったですね。落ち着いた声と演技で新人だとは思わなかったです。というか、役では大学生設定だと思っちゃいました。他のキャラと同じ17歳の設定だったんですね(笑)
劇中ライブでも使われる『Wishes Come True』を歌う乙葉役の鈴木陽斗実さん。

初日はアニメファンばかりだったけど


 鑑賞初日は金曜日だった事もあって、観客はほとんど男性のアニメファンって感じでした。でもこの作品って、もっと一般の10代、20代の人たちに受け入れられる作品ですよね。

 キャラクターデザインも独特だけど、萌え度を下げてかなり万人向けになってるし。(メガネっ子の雫だけはかなり萌えますが)リアルな女子高生の気持ちはわからないけど、多少斜に構えたような男子高校生にも普通に楽しめるんじゃないかなぁ

萌え度の低いキャラクターデザイン
でも眼鏡キャラの雫(左端)は良い感じですね!
静止画でみると平面的だけど結構よく動いてます。
(C)2017「きみの声をとどけたい」製作委員会

 たまにしか映画を見ない人も、この作品はすごく良い気分で映画館を後にできるだろうなと思うんですよね。アニメファン以外の一般の若い人たちも見に来るといいなぁ。

 とはいえ、HoneyWorksの『告白実行委員会』シリーズみたいに中高生をすごく誘引する作品じゃないのでツラいですね。泣ける恋愛話カッコ良いキャラも出てこないしね。(男性キャラは人気声優さんで固めてあるとけどね)

上映後にエネルギーをもらえた作品


 新人声優ユニットのNOW ON AIRのメンバーが声優をやって、楽曲もタイアップなんて聞くと、企画ありきのユニット活動かよ・・・なんて(自分みたいに)萎える人もいるかもしれません。

NOW ON AIR セカンドシングル「キボウノカケラ」Music Video
Lantis Channel (公式配信)
後味の良さはEDに使われたこの曲の影響が大きいと思う。

 自分も先に知ってたら行くの迷ったかも(笑)『難解でひねった作品』や『シリアス展開』が大好きなので、大丈夫かな?と心配しましたが、そんな自分にも楽しめるように工夫された演出に感心しました。

 隣のおじさんも思いっきり泣いていましたが、自分もラストは涙が溢れました。さすがに泣くと思わなかったので我ながらびっくりしました(笑)

 こういう涙は全然消耗しないし、むしろエネルギーをもらえる感じですね。もちろん消耗しちゃうような作品も大好きですけどね。こういうのもタマには良いですよね。

 どのくらい一般の人まで観客が広がるかわかりませんが『なんだかマジメそうな作品』なんて敬遠されなきゃいいなぁ・・・っていらぬ心配をしてしまう作品でした。

監督:伊藤尚往/脚本:石川学
キャラクターデザイン:青木俊直
アニメーションキャラクターデザイン:高野綾
色彩設定:堀川佳典/音楽:松田彬人
制作:東北新社・マッドハウス

映画『きみの声をとどけたい』公式サイト

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『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』感想&考察:一般向け?実は斬新で深く考えさせられる作品だった!

 いやはや、さすがシャフトというか、さすが新房さんと言うべきか・・・びっくりしちゃいましたよ。『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』初日に映画館で見てきました。

シャフトらしさを残しながらも新たな魅力のキャラデザが印象的だった。
『DAOKO × 米津玄師『打上花火』MUSIC VIDEO』より画像引用
当ブログの画像引用について
(C)2017「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作委員会

 先日の記事では予告編を大絶賛しましたが、今作はシャフト・新房さんの製作とはいえ『一般ウケ』を狙ってきてるんだろうなぁ・・・と思ってたんですよね。なにしろあの『君の名は。』の川村元気プロデューサーが参加しているわけで。

 それが蓋を開けてみれば斬新で難解な演出!挑戦的すぎるよ・・・いいのか・・・これで・・・大丈夫か?と心配になりましたが、でもね、たしかに難解なところもあったけど、すごく良いシーンがあって、ストーリーも考察したくなる深さがあり、『もう一度見たいな・・・』と思った作品でした。

※次項からネタバレありのレビュー&考察になりますのでご注意ください。

※文末に2・3回目を見た後の追記をしました(2017/09/09更新)評価を大きく変更して『絶賛』になりました!(リンク

※ところで自分はオリジナルのTVドラマ版もリアルタイムで見た世代です。あれはすごかったですね・・・『とんでもないものを見た!』って衝撃を受けた思い出があります。
 目一杯背伸びした13歳の奥菜恵と山崎裕太の演技が素晴らしかったんですよね。自分の運命をどうにもできない子供時代の恋の切なさがすごく表現された短編でした。

一番好きなシーンは『あの』シーン!


 いきなりですが・・・初見で一番好きだったシーンといえば、それは『なずなが歌うシーン』でしたね。突然「瑠璃色の地球」を歌ってアイドルの姿になるなんて。あのシーンは『まさか!』でしたね。

予告では無かった想像のシーンがすごく印象的
この辺から夢と現実とifの世界が曖昧になってくる。
アニメに慣れていない人は付いて来れただろうか。
(C)2017「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作委員会

 劇場版ラブライブ!』を絶賛した自分としては突然のミュージカル演出は初めてではありませんが、それにしてもこの作品の、あのタイミングで始まるとは思わないじゃないですか!

 正直言って一般の人は付いて来れたんでしょうか・・・大変心配なのですが(笑)自分としては『スッゲー!』でしたね。この歌声がまた良いんですよね。広瀬すずさんは本作全部ですごく良い演技なんだけど、特にこの歌声は良かった

 この斬新な演出で『さぁ、ここからちょっと難解になるよ、ついてきてね!』って言われたような気がします。そういえば曲名から、なずなのお母さんが松田聖子世代とわかって『あれ、時代設定・・・もしかしてTV版の公開当時(93年)かな?』って思ったのですがどうなんでしょう。

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ラストシーン、典道のいない教室の疑問


 難解といえば、初見ではちょっと理解が難しかったシーンはいくつもあります。(そもそも理解する必要があるのかって問題かもですが)

 一番最初に疑問に思うのは『ラストシーン』ですよね。夏休み明け(ですよね?)どうして典道は出席していないのか・・・?

このカケラを掴んだ事で一体何が起きたのか
(C)2017「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作委員会

 オリジナルのドラマ版だとたしか結末は違いましたよね?切ない終わり方だったけど疑問とかは無かった気がする。アニメ版の『典道がいない』という事実は終盤の一連の流れと密接につながっている気がしますね。

 『なずな』は元々転校予定なんだから、そもそも名前を呼ばれないのはわかる。でも典道はいるはずなのにいない・・・初見なのでまだ理解できてないですが、勝手に想像するに次のような説が考えられますね。

  1. 2人は『典道の作った世界』に行ってしまった 説
  2. 典道がなずなを追って引っ越し先に行った 
  3. 実は2人とも海で死んで行方不明 
  4. などなど・・・(まだ他の人の考察読んでないので)

 個人的には1かなぁ・・・あの電車が分岐して海に行った時『時間をやり直している』んじゃなくて『もうひとつの世界を作っている』と感じたんですよね。なずなの言っている『これは、典道くんが作った世界なんだね』って言葉ですよね。

分岐した線路には現実ばなれした標識。
最初はこれは夢の中の話なのかと思っていた。
(C)2017「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作委員会

パラレルワールドは『なずなの実父』の願いかも


 これをパラレルワールドと言って良いのかわかりませんが、やり直したかった世界を具現化する原因、あの海で拾った『謎の球体』の正体はなんでしょう?

 そこを説明するのは野暮かもしれませんが、自分が思うに、亡くなった『なずなのお父さん』の願いが作り出したものだと思うんですよね。詳細ははっきりしないけど、海で亡くなった『実のお父さん』。

この球体はお父さんの願いの結晶なのか・・・
(C)2017「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作委員会

 きっと彼も『やり直したい』という強い願いを持って亡くなったんじゃないかな・・・彼の魂がなずなを海に呼び寄せてあの球体を拾わせた。ここまでくるとSFじゃなくてファンタジーだけどね。

 お父さんの想いが、なずなと典道を『もうひとつの世界』に連れて行ったのかもしれない。最後に花火師が打ち上げて粉々になった球体のカケラ。『願いが映ったカケラ』を握りしめて・・・あ、ここまで全部『想像』ですけどね(笑)間違ってたらゴメンなさい。

それでもまだ残る疑問


 でも考えてみれば『典道の作った世界に行く』って、元の世界にとっては『2人が海で行方不明』とあまり変わらないね。ただ一つ謎なのは、担任の先生が典道の出欠を普通に取っていた事なんですよね・・・。

 もし亡くなったり行方不明なら騒ぎになったりしないだろうか?存在自体が消えたならともかく・・・そう考えると普通に『引っ越し先に行った 説』もありかなぁと。みなさんはどう思われますかね?

 でも、いろんな想像を掻き立てられる作品ですよね。疑問が残るからダメという意味じゃやなくて、いい意味で深い作品だと思います。

広瀬すずの演技は最高!だったけど・・・典道の声は


 予告の時から言ってましたが、広瀬すずさんの演技は本当に良かった!オリジナル版の奥菜恵(当時13歳)の演技(というか存在感)ってのは本当にすごかったので、あれをどう再現するのか?って課題は見事にクリアされていたと思います。

 アニメと実写なのでもちろん『再現』というのは不可能なんですけどね。アニメとして再解釈することに成功したって感じですかね。そこに広瀬すずさんの声と演技は欠かせない。微妙に声優さんっぽくない感じがアタリになった気がします。

映像で見ると二人とも子供と大人の両面を持つ感じがすごくよく表現されていた。
ただ、典道役の声はすこし大人っぽすぎて違和感が最後まで残った。
(C)2017「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作委員会

 逆に残念だったのは・・・典道役の菅田将暉さんの声かなぁ。予告編の時からちょっと気になってはいたけどね。やっぱり馴染めなかったなぁ。直前に劇場版『火花』の予告編に主人公で出てたせいもあるんだけどね。顔が浮かんじゃうんですよね。あれよくないよね(笑)

中学生設定への変更が悩ましい所


 典道については、ドラマ版の良さだった子供が背伸びした『危うさ』みたいなのがね。ちょっと無かったというか。なずなに比べて男子の典道は少し幼いはずなんですよね。

 ドラマでは小学6年設定だった気がするけどアニメでは中学生設定なんですよね。その辺はある程度考えなきゃいけないわけですけど。

 とはいえ、ちょっと大人っぽすぎる声だったのが馴染めない原因かな。大人が演技してる感じがしちゃってね。もう少しナチュラルに不安定な感じがあればなぁ・・・でもまあ難しいですよね。高い評価なさっている方もいますからね、個人的な好みかもしれませんが。

評価は分かれそう・・・でももう一度見にくつもり。


 やっぱり『君の名は。』みたいに感動しよう!と期待した人は、ちょっと拍子抜けしちゃうんじゃないかなぁ・・・って心配はするんですよね。実際はどうなんだろう。結構、評価分かれそうですよね。

 たしかに今の流れなら、一般受けするような『感動的でわかりやすい作品』を求めれられるんでしょうけどね。でもこの作品は『傑作である実写ドラマ』のアニメ版。『単なる再現』では超えられないと思うんですよね。それならシャフトや新房さんを使う意味ないわけで・・・・。

 だから簡単に評価を下すのはちょっと違うんじゃないかなぁと思います。斬新で難解な演出だからわかりにくいけど見ごたえのある作品だと思います。でも・・・やっぱり一般受けは難しいかなぁ(笑)

 初見だといろいろ衝撃的で受け止めきれていないので、もう一度見に行くつもりです。その時はまた追記すると思います。

 でもこれだけは最後に一言。『予告3&MV』は本当に最高だったのでEDはもうちょっと手を入れて欲しかったゾ!(笑)


【以降は2・3回目を見てからの追記です!】(2017/09/09更新)

【追記】2回目の鑑賞でまさかの感涙!絶賛に変更します。


 まさか2度目の鑑賞でここまで感動するとはね・・・自分でも予想外でしたが、2度目を見た今では『絶賛』に評価を上方修正させてください(笑)

 正直な話、2度目は『初見の考察を確認しよう』くらいの気持ちで見たんですよね。そしたら3度も泣いてしまうとはね。初見も良かったとはいえ『感涙とかはない作品』かなぁって思ってたので油断してハンカチが間に合いませんでしたよ

 結局また後日、3度目を見に行ってしまいました。

改変世界は『なずなの望んだ世界』だと思った

 
 初見の感想では、改変世界っていうのは『典道が望んだ世界』をやり直しているのかな?思っていたんですよね。でも2度目を見たとき『あれ?』って思いました。

 ああ、これは『典道が願った世界』というより『なずなが願った世界』じゃないか・・・って感じたんですよね。

 つまり、亡くなったお父さんの想いが、典道に『なずなの望んだ世界』を作らせたんじゃないかなって。

2人の逃避行には亡き父の後押しを感じた。
一見ご都合主義に見えるシーンも典道に託した父の想いが見える。
(C)2017「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作委員会

 なずなの将来の可能性を閉ざして欲しくない、なずなに無限の可能性があることを知ってほしい・・・そして、なずなの未来を『新しい父親』に奪われたくない!

 そう思ったら、涙が溢れてきちゃったんですよね。お父さんに自分の歳が近いからですかね(笑)そっちに感情移入しちゃいましたよ。

自分の運命をあきらめないでほしい・・・


 この作品に『正解』はなくて良いのかもしれない。10代には10代の感じ方で、2〜30代には懐かしい若い頃の恋を振り返ったりとか。それぞれの立場からの感想がバラバラで良い作品。

 だから自分にとって『なずな』はヒロインであると同時に娘と感じてしまう世代。自分はあんなに可愛い愛娘を残した父親の気持ちに寄り添ってしまう世代。子供はいないけど自然とそういう気持ちになってしまうんですよね。

こんなにもたくさんの可能性を見せてくれた『もしも玉』
次はどんな世界で会えるか
なずなの涙はポジティブな感動だと感じた。
(C)2017「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作委員会

 なずなはアイドルにだってなれるよ!好きな人と恋愛してほしい!自分の運命をあきらめないでほしい・・・それが、あの球を持っていたお父さんが、典道を通して伝えたかったこと

 そう思ったら、なずなの2度目の歌のシーンで涙が止まらなくなりました・・・。

目の芝居の凄さがクセになる


 あと、この作品って何度も見たくなるクセになるシーンが多いですよね。歌のシーンはもちろんなんだけど、2度目のプールの後、なずなが教室に戻ってきた時のシーン

 あのシーンのなずなの瞳がすごいですよね。なずなのセリフは一切無いのに『目だけで芝居をしている!』って感じ。あのシーンを体験したくて3度目を見に行ったくらいでした(笑)

初見では独特の表現に違和感すら感じたが
2度目からは瞳に凝縮された演技の虜になった。
(C)2017「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作委員会

 リアルな芝居では不可能なアニメならではの表現!新房さんがインタビューで言っていましたが、まさにこんな表現なんだろうなぁ。クセになる快感なんですよね。

最後に『ラストの謎』は・・・


 それにしてもこの作品、初見では『驚き』が先に来てしまって。ちゃんと受け止められてませんでしたね。初見で好印象だった人は機会があれば2度目を見るのをお薦めしたい作品です。


 結局ラストの謎ってのは3回見てもわからなかったです(笑)でも今はポジティブな結末に感じていますね。いずれにしても二人は一緒にいるんじゃないかな?って、なぜだか不思議な確信を持って言えるんですよね・・・でも自分の願望かな?(笑)

【追記2】ラストの謎が解けた・・・かな?


 わからなかったラストの謎・・・コメントいただいた『もあい』さんに返信しているときに思いつきました!もしかしてこういう事だったりして・・・。
 自分の解釈も、他の人の解釈もみんな『もしも玉の破片』のひとつひとつ。ラストシーンを観客に投げたんじゃなくて、映画の世界と観客の世界がIFで繋がったラストシーンだったんじゃないかな。

 妄想しすぎかもしれないけど、そうだったら良いなぁ・・・なんか気に入ったので自分の解釈はこの『もしも玉の破片』説に変更します(笑)

『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』公式サイト

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アニメ映画の予告編 ベスト8選 :何度もリピートしてしまう傑作予告編!

 アニメ映画の予告編は好きですか?私はすごく好きです!

 予告編って本編とは違った素晴らしさがありますよね。楽曲、セリフ、カット割り、テキスト、これらが凝縮された美しさ・・・これがすっごく良いんですよね。

 ネット動画の時代になって、予告編も見ごたえがある作品が増えました。ここ10年のクオリティーの向上はすごいですよね。

 今回はここ10年の個人的『傑作予告編』のベストを『8選』として感想をまとめてみました。順位はないですが、どれも何度も何度もリピートしてしまった予告編です!本編ではなくて、あくまで『予告編(ロングPV含む)』単体の感想です。


【目次:年代順です】

「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」予告3 (2017年)


 今回唯一の公開前の予告作品。この『予告3』になって一気にハマってしまい何度もリピートしたことか・・・なんか好きすぎて止まらなくなりました(笑)数日で50回以上は見てるはず。非常に爽快感の強い予告編で、歌詞とセリフが渾然一体となって弾けるようなラストが見事です。

東宝MOVIEチャンネル 公式配信
©2017「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作委員会

 前半は予告1・2でも使われた『Forever Friends』(TV実写版の挿入曲)でゆったりとしたスタート。ホント名曲ですよね。今回もそれで終わるのか・・・と思いきや、今回からの新テーマ曲『打上花火』これがすごく良いんですよね!

 終盤からの駆け上がるような高揚感!典道となずなの掛け合いに『もう少しだけ〜♪』の歌詞が素晴らしい効果。セリフと歌詞が急速に近づき一点に交わってタイトル表示のラスト。急に空中に放り出されたような開放感が気持ち良くて・・・ついもう一度見てしまいます(笑)

 それにしても、なずな役の『広瀬すず』の演技がすごいイイ!特にこのセリフ『これは、典道くんが作った世界なんだね』で完全にやられちゃいました・・・なんだろ、何回聞いても聞き飽きないや。専業声優さんじゃないのでどうかな?と思いましたが本編が楽しみです。

 これだけ予告編が素晴らしいと『予告負け』(予告編で期待しすぎてがっかりするパターン)しちゃう可能性もありますが『絶対見に行きたい!』って思わせているので予告編としては大成功じゃないでしょうか。

※書いた後に『打上花火』のアニメ映像付きのミュージックビデオが発表されましたね。これが本当に素晴らしすぎる・・・公開前にここまで感動しちゃって逆に心配になります。むちゃくちゃ好みで本編見る前に100点つけたくなりました(笑)

『DAOKO × 米津玄師『打上花火』MUSIC VIDEO Youtube 公式動画

◉『打上花火』作詞:米津玄師
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」公式サイト

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映画『聲の形』 ロングPV (2016年)


 巧妙にネタバレを排しながらも映画の魅力を余すところなく紹介した傑作PV。映画館で見た短縮版の予告も印象的だったけど、やっぱりこのロングPVが最高に好きですね。2分半の長尺でも思いっきり没入させてくれます。

KyoaniChannel 公式配信
(c)大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会

 前半は牛尾憲輔さんの劇伴とのリズムの合わせ方がすごく良いんですよね。激しさはないのにググッと心を持って行きます。あらゆる感情を織り込んだような不思議な楽曲で辛いシーンでも心があったかくなるんですよね。楽曲が途切れてセリフが入る効果も最高。

 そして何と言っても石田の「月?」からのaiko『恋をしたのは』が流れるのがね・・・もう最高!そこからの電車のシーン告白報告シーンは予告編ならではの気持ちの良い演出です。

 そして花火のシーン・・・ここも間奏のタイミングに挿入してるがウマイ。石田の『叫び』を受けるように歌詞が再開するのが職人芸。シビれますよね!本編とはまた違った素晴らしさです。

 歌詞の『伝えたかったことは今も♪』に被せるように黒板の『ありがとう』の文字。これすごいですよね!なんでこんなカット割りを思いつくんだろう・・・幾重にも重ねた演出に圧倒されて目頭熱くなってきます。

 そしてラストに向けて石田の台詞とカット割りでググッと高揚感を高めてのタイトル・・・まさに100点満点の着地って感じです。

 決して派手さはありませんが予告編ならではの手法を駆使して感動させる。しかも肝心なネタバレは避けつつもストーリーはしっかり紹介する。鑑賞前も楽しめて、鑑賞後も感動できる。見れば見るほど圧倒される、本当にすごい予告編だと思います。
関連記事 映画 聲の形 の感想 前編:全てにピントが合った時の衝撃に言葉が出なかった - 本編の感想です(長文です)
◉『恋をしたのは』作詞:AIKO
映画『聲の形』公式サイト

傷物語〈Ⅱ熱血篇〉ロングPV (2016年)


 素晴らしいテンポ感!傷物語3部作のなかでも一番好きな予告編(PV)です。羽川翼ファンとしては最高に魅力的な作品。傷物語としても全編の雰囲気がよく表現されている予告編ですよね。

アニプレックス公式配信
YouTubeリンク先でご覧下さい)
© 西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト

 しっとりシーンからの突然の転換。『TOHO・ANIPLEX・講談社・SHAFT40th』の連続クレジットをこんなにカッコよく演出できるなんて本当にすごい(笑)リズムに合わせたカットもすごく良いですよね。

 細かくカット割りされる羽川さんの表情がもう最高。サブリミナル効果じゃないけど完全に洗脳されちゃいます。

わたしのパンツ見たくせに』の入れ方も職人芸的タイミング。キスショットの真面目なセリフに被せるように入るのがホント素晴らしい!『しかも、じ〜っと見たくせに』の表情はもう快感です。羽川ファンとしては絶対に外せない予告編作品ですね。もちろん本編も最高でした。

傷物語 公式サイト
関連記事 傷物語 Ⅱ 熱血篇の感想:羽川さんの魅力をこれでもか!てくらい詰め込んだ映画で感謝しかない - 本編の感想記事です。

『たまこラブストーリー』本予告 (2014年)


 何を隠そう・・・このブログを始めるきっかけになった予告編です。この予告編があまりに大好きで『これが好きだ〜!』と言いたい気持ちがブログ立ち上げの原動力になりました(笑)実はこのブログは最初っからアニメの予告編が好きで始めたようなものですね。

KyoaniChannel 公式配信
YouTubeリンク先でご覧下さい)
(C) 京都アニメーション/うさぎ山商店街

 TVシリーズ『たまこまーけっと』も好きでしたが『恋愛成分をもっと見たい!』と思ってた自分にとっては願ったり叶ったりの予告編。『もち蔵』視点のゆったりした前半もすごく良いですが、なんといっても圧巻は後半!

 告白シーンからの主題歌「プリンシプル」がもう素晴らしすぎます。自分の手のひらを見ながらの歌詞『いま少し震える手で♪』に心が震えました。たまこ視点の後半は本当に心にしみます。派手な演出ではないんですけどね。

 あまりに予告編が好きすぎて、本編では「プリンシプル」がEDにちょっと使われただけだったのが結構ショック(笑)でした。もちろん本編は大好きでしたけどね。

 そんな自分のような予告編好きのためじゃないでしょうが、のちに公開された3分半もある『たまこラブストーリー』ロングPVでは、たっぷり「プリンシプル」付きの映像を楽しめます。これは嬉しかったですね。

◉『プリンシプル』作詞:愛鈴
◉『たまこラブストーリー』公式サイト
関連記事 あの頃の感情を忘れちまった40歳の自分へ たまこラブストーリー予告編レビュー:最初に書いた記事なのでひどい・・・特に前半の自分語りは黒歴史ですね(笑)スルー推奨です。


『小鳥遊六花・改 ~劇場版 中二病でも恋がしたい!~』予告 (2013年)


 TVシリーズ1期の総集編+αとして製作された映画でしたが、この予告編はものすごくきれいに構成されていて本編以上に大好きでした。特に内田真礼さんの歌う「-Across the line-」が本当に素晴らしいんですよね。

KyoaniChannel 公式配信
(C) 虎虎/京都アニメーション/中二病でも製作委員会

 それまではアニメ声優さんの歌う曲にはちょっと偏見があって、ましてこの曲のように『いかにもアニメ声』な曲にはかなり抵抗があったんですよね。でもそんなくだらない偏見など吹っ飛ばす『圧倒的な魅力』で開眼させられました。

 この予告編も楽曲の良さはもちろんカット割り挿入テキストがすごく良くて見ごたえありますよね。くみん先輩の『乙女ですから』のタイミングも最高!

 ちなみにもっと前に公開された『特報2』もすごく好きでした。セリフはありませんが絶妙なカット割りで楽曲「-Across the line-」とすごくあってるんですよね。短い時間に凝縮した魅力があります。

 肝心の映画本編は「-Across the line-」が止め絵OPで流れたので少々残念。個人的には予告編が素晴らしすぎて拍子抜け感がありましたが、まあ製作時間がなかったから仕方ないですかね。『六花目線で描く』とはなんだったのか・・・と思いましたが、スクリーンで見られたので良かったです。来年の新作映画が楽しみですね。

『小鳥遊六花・改 ~劇場版 中二病でも恋がしたい!~』公式サイト
新劇場版『映画 中二病でも恋がしたい Take on Me 』公式サイト
関連記事 劇場版 中二病でも恋がしたい! 予告編レビュー - これも初期の記事なので読みにくくてごめんなさい。結局本編の感想書いてないし。

『ねらわれた学園』 ロングPV (2012年)


 これは長めのPVですが、むちゃくちゃ本編見たくなる予告編です。監督の中村亮介さんらしい『輝く映像』、そして『ミュージックビデオ的な複数楽曲』と好みは分かれそうですが『まさに自分の好み!』って感じの予告編。

松竹チャンネル/SHOCHIKUch 公式配信
(C) 眉村卓・講談社/ねらわれた学園製作委員会

ナレーションによるゆったりとした冒頭。楽曲がsupercellの「銀色飛行船」に変わると一気に空気が変わってセリフによる構成に。サビの盛り上がりにセリフの当て方がすごく良いですよね。京極の『魔法がかかっている間に・・・』の一節が本当に好きです。

 そして切ない恋愛パートの前半が終わると、一気に場が変わってSFパートの後半。渡辺麻友さんの「サヨナラの橋」が本当に良いですね!生徒会長の『そうなりますよね』のセリフが絶妙なリズム感でなんだかすごく好きです。

 終盤にかけて一気にスピード感アップ!あえて歌詞中心に構成するのもすごく良いですね。そしてラストの水着の写真撮影!これを最後に持ってくる構成は本当に好きです。『季節(とき)が過ぎて、僕らは キセキの意味を知る 』このキャチフレーズにヤラれちゃいました。

 大昔の原作があるとはいえ実質オリジナル作品。たっぷりストーリーを見せながらも本編を見たい!と思わせる予告編でした。当時は短縮版の予告しか見てなくて、本編を映画館で見逃しちゃったんですよね。このPV見てたら絶対行ったのにな・・・本当に後悔しました

 映画本編は予想以上に素晴らしい作品でした。この予告が気に入った人なら絶対楽しめる作品だと思います。時代の先取り感があり『君の名は。』が好きな人ならこの作品も気に入るんじゃないかな?今でこそ再評価されるべき作品ですね。

◉ねらわれた学園 公式サイト

劇場版 『魔法少女まどか☆マギカ』劇場予告第2弾 (2012年)


 見たこともないような映像、すばらしい楽曲、でもそれだけじゃない圧倒感!自分の深夜アニメへの偏見を吹き飛ばした傑作です。たくさん予告編があってどれも大好きですが・・・一つ挙げるとすればやっぱりこの『劇場予告第2弾』ですね。

劇場版 『魔法少女まどか☆マギカ』劇場予告第2弾より
©Magica Quartet / Aniplex・Madoka Movie Project
公式movieページでご覧ください。真ん中くらいです)

 当時深夜アニメに疎かった自分にも聞こえてきた『魔法少女まどか☆マギカ』映画公開のニュース。どんなもんだろう・・・と予告編を見た時の衝撃は忘れられません。たくさんの予告編を何時間も繰り返し見てしまい精神的にもヤバイ感じに。本編見る前に完全に虜になってましたね。

 この『劇場版予告第2弾』は前半がほむら、後半はまどかモノローグ。シンプルなのに力強く心に響きますよね。特に後半OP曲『ルミナス』からの『もう良いんだよ・・・』のまどかの一連のセリフ、絶妙なカット割り・・・本編未見にもかかわらずとんでもなく訴えるものがありました。

 萌えアニメに偏見を持って食わず嫌いだった自分を変えてくれた作品。悠木碧さんはじめ声優さんの演技の素晴らしさを教えてくれた作品。間違いなく自分の人生に影響を与えた予告編でした。

◉劇場版 『魔法少女まどか☆マギカ』 前後編 公式サイト

「秒速5センチメートル」予告編 HD版 (2007年)


 10年前の予告編ですがいま見ても全く遜色ない、それどころかこの時代にはありえないクオリティーで、まるでオーパーツのような予告編作品。新海さんの予告編はどれも大好きですが、特にこの予告編を見た時の衝撃は凄かったですね。予告編で感動したのは初めてだったと思いますし、自分の予告編好きの原点といって良いと思います。

(C) Makoto Shinkai/ CoMix Wave Films(公式配信)

 音楽・カット割り・セリフ・テキストの絶妙な組み合わせで胸が締め付けられるような切なさ。冒頭のピアノイントロからタイトルまでにわずかな間に一気に心を持っていかれますね。ピアノの一音一音が、風景のカット一つ一つが、本当に印象的。

 『なぁ、栃木って行ったことあるか?』って、なんでもないセリフなのに、どうしてここまで印象的になるんだろう・・・すごいですよね。さらにセリフに別のセリフを重ねるテキストの演出が見事です。

 2007年当時はようやくネットで予告編が配信されはじめた頃、ハイビジョン画質で配信するというのは本当に驚きでした。ダウンロードして再生した時の衝撃といったら・・・信じられないクオリティ!何度繰り返し見た事か・・・まさに時代の変革を感じる出来事でした。

◉『秒速5センチメートル』公式サイト

最後に:予告編の魅力とPVとの違い


  今回は「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の予告3にハマったのをきっかけに、以前から書いてみたかった予告編のベスト記事を書いてみました。

 終わってみれば、あれれ?若干偏りすぎかな?(笑)ラブストーリー系が多すぎですね・・・SFやアクション物もソコソコ見たつもりだったんですけどね。あはは・・・。

 予告編の何が良いかって楽曲と台詞を合わせて盛り上がるところですね。本編だと楽曲にかぶせてくる演出って少ないですよね。新海さんの作品で一般的になりましたけど。TVアニメのOP/EDも好きですけどね。やっぱり予告編には台詞やテキストが入る独特の良さがあります。

 ちなみに予告編とロングPVの違いですが、予告編は映画公開前、ロングPVは映画公開後に発表される事が多いですね。PVはプロモーションビデオの略だと思うので予告編と基本的な意味は同じですね。

 ただPVは公開後の発表だけあって予告編より情報量が多い気がします。ロングPVは1分半から3分以上まであり、劇場やTV広告を前提としない長尺のものが多いですね。

 昔は簡単に見られなかった予告編ですが、今はネットで高画質の予告編が何度でもみられます。それだけに映画の販促としてはかなり重要ですよね。今後もより素晴らしい予告編が見られる事を期待したいです!

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