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長岡式 D-111 スパイラルホーンスピーカー

過去製作 作例紹介1 (製作時期:2002年8月ごろ)

 長岡鉄男氏設計『D-111』です。『長岡鉄男のスピーカー工作全図面集 (2) 』に掲載されています。バックロードホーンスピーカーの一種で『スパイラルホーンスピーカー』というカテゴリ。渦巻き状のホーンが特徴です。

音道の長さによるバリエーションでD-110からD-113まであり、D-111は中くらいのサイズ。別名『アンモナイト』シリーズと呼ばれていました。(のちにエスカルゴシリーズに名称統一されたらしいです)

 ちなみにD-103と呼ばれる初期型のタイプ(こちらが元祖エスカルゴかな)もあり、こちらは壁掛けをイメージした薄型タイプ。小型の割にホーンが長く開口部が小さいのがアンモナイトとの違いでしょうか。バリエーションにD-104という縦フロア型の機種があります。(製作された方の記事:『長岡鉄男だったら2/D-104 完成

作品概要と変更点


 寸法は縦55cm、横47cm、奥行17.5cm。正面から見るとデカいです。製作は2002年頃。初めて作った大型エンクロージャーでした。

 長岡氏オリジナル設計からの変更点は、ユニット取り付け部分のサブバッフル化と合板厚の変更(15mmから12mm)です。

 塗装は油性ウレタンニスを使いました。当時知識がなくて油性だから速乾だと誤解していました(笑)でも長い乾燥時間とひどい臭いに閉口。塗膜は強いですが、これ以降油性ウレタンは使っていません。今はほとんど水性ウレタンニスです。早く乾くので作業性がいいですね。

 ホーン開口部は15cm×15cm。ユニットは10~12cmクラスならたいてい使えるとの事。当初はDaitoVoiceの10cmDS-100Fを使っていましたが、後にFostexのFE-107Eに変更しました。

製作と内部構造


 当時は電動工具を持ってなくて作業が大変でした。(ドリルすら手動)ただ板取はシンプルなのでホームセンターのパネルソーでほとんど済みます。

 小さくて分かりにくいかもしれませんが製作途中の写真です。(当時なので30万画素のデジカメで画質はイマイチです)左右対称に作るのがポイント!はじめ間違えて同じ向きで2台作ってしまい修正に難儀しました。

 D-111は開口部が小さめなので箱の強度は取りやすいと思います。サンドイッチ構造ですので製作もラクです。音道部の長ささえ揃えば工作精度が低くても作りやすいですね。

 ただ実際には音道部のわずかなカット誤差や、巨大なバッフル板のソリに苦労した気がします。なかなか机上通りにはいきませんね(笑)

 ホーンスロート部は写真のようにアーチ状加工の指示がありました。ここがD-103と違う所です。(D-103は加工無しのスリット)どのくらい意味があるのかな?って感じでしたがここは手ノコでカットしたので大変でした。


 中央の空気室にスピーカーユニットを取り付け、絞った出口(スロート)から徐々に広がる2メートルの音道(ホーン)により、ユニット背面の低音を効率的に取り出す原理です。

 一般的なバックロードホーンに比べるとホーンの折り返しが滑らかですね。180度の折り返しはありません。そのためより直管に近い効果が得られる気がします。

 だから実際はホーン効果と共に共鳴管としての効果も大きい気がしますね。後に製作した1.7m級の共鳴管と低音の動作が近い印象です。

音質:豊かで軽やかな低音


 とにかく低音が豊かで本当に驚きました。10cmユニットでここまで出るのかと。40Hzまで充分にボリュームのある低音。30Hz台になると急激に減りますが通常の音楽では充分です。こもった感じも無く抜けの良い音でした。

 ※今は引っ越して音を出せる状態ではないので測定結果はありません。当時の記録からの印象になります。

 当時は経験が少なかったので10cmユニットでこんな低音が出ることに興奮しました。しかもブーミーな感じじゃなくて軽やかな低音を聞いたのは初めてで驚きましたね。

 後に共鳴管や前面開口のバックロードホーンを聞くと、スパイラルホーンは若干マイルドで聴きやすいですね。多分ホーン開口が横ってことが影響してるのかな。中高音の漏れがフィルターされるのか共鳴管に比べると付帯音が少ない印象でした。

 もう一つは巨大なバッフルですね。バッフルの大きさを心配していましたが音像が甘くなる弊害よりも面から出る音圧の迫力の方が勝っていた気がします。ある意味で『平面バッフル』の発展形ですよね。

 上記の写真は当時の定位置です(乱雑で恥ずかしいですが)ホーン開口の向きは内側にしてあります。下の青い台は本棚兼用スピーカースタンド、中央のテレビは懐かしの14インチです。

 設置位置は後ろの棚から20cm、壁からは70cm位です。横開口ですので、開口部の向きによって結構音が違います。内向きの方が低音の芯がはっきりした好みの音でした。

 当初はDaitoVoiceの格安10cmユニットDS-100Fを使っていましたが、後にフォステクスのFE-107Eに換装。ただこれは防磁型でちょっと中音が大人しいんですよね。よく言えばマイルドですが。

 4ヶ月ほど使いましたが、好みの音ではなかったのでダイトーのDS-100Fに戻しました。写真はDS-100Fを装着してます。紙コーン布エッジのシンプルなユニットですが、安価で良く鳴るので好んで使ってましたね。FE-103に似たキャラクターで、繊細さは及びませんが使いやすいユニットでした。バックロードは元気のあるユニットが似合う気がします。

デメリットは設置性


 デメリットは何と言っても設置性の悪さですね。巨大なんだけど『高さ』がないのでスタンドは欲しくなります。奥行きの薄さが特徴なのでこれを生かした設置ができればいいですね。

 小型なら壁掛けを前提としたD-103も良いんですけどね。アンモナイトシリーズの方が迫力のある音がしそうだったのと、合板の板取に無駄が無かった気がしたのでこの機種にしました。

 結婚して設置場所がなくなったので現在は実家に置いてあります。すごく頑丈なので一度作ったら壊せませんね(笑)薄さと頑丈さから今は簡易テーブルの脚代わりに使われてます。

 現在は残念ながら使用していませんが、長岡式スピーカーにはまるきっかけであり、バックロードホーンの魅力を知った作品として作って良かったと思うスピーカーでした。

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