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アニメ映画『GODZILLA 2 決戦機動増殖都市』感想:ワクワクするSF版ゴジラ!

 アニメ版ゴジラの2作目『GODZILLA  決戦機動増殖都市』を映画館で鑑賞してきました。SFエンターテイメントとして1作目以上に熱いです!虚淵さんらしい仕掛けにもキレイに引っかかり(笑)すごく楽しめました。
GODZILLA 決戦機動増殖都市 予告編より画像引用
(当ブログの画像引用について)
©2018 TOHO CO.,LTD.

 元はTVシリーズとして企画されたそうですが、単独での娯楽性も高いのはすごい!(結局2回見ました)最終話も絶対観たいですが、3話待たずに見ても全くフラストレーションがたまらないですね。

 ゴジラ作品という意味では賛否両論あるみたいですが、自分は特撮映画への思い入れが強くないので単純に楽しめたのかも。(前日譚の小説は特撮ファンも絶賛みたいですね)

GODZILLA 決戦機動増殖都市 予告1(公式配信)

 Netflixでも同時配信だそうですが、できればネタバレせずに見た方が楽しめる作品だと思います。エンディング後までしっかり楽しみましょう!

※ネタバレを含むレビューとなりますのでご注意ください。
※1作目は見ましたが感想を書いていません。


ビルサルドの本性が現れた2作目!


 1作目もテンポ良くてすごく面白かったですが、まさかの3部作発表に度肝を抜かれたのもあって(笑)『もっと見たい!』って感じで終わったんですよね。

 前作が地球人類の話だとすれば、今作は『ビルサルド』を軸に描いた感じでしたね。前作から『人類&2種の異星人で共闘』という設定にすごく興味を惹かれたので、3種族が絡んでくる展開は期待大です。
本作はビルサルドと地球人を軸に展開
フル3DCGならではの美しい映像も見所
©2018 TOHO CO.,LTD.

 今回はビルサルドの本性が露呈・・・とはいえ『悪者』ってわけじゃないですよね。目的に向かってまっすぐなだけで。良くも悪くも裏表がない。超合理主義な体育会系という感じ。

一層深まるエクシフの謎・・・


 それに対して『エクシフ』の方はね・・・どうしても怪しさが払拭できないです。非常に信頼できるにもかかわらず『信じきれない感じ』がね。メトフィエスが修理してもらったモノとか・・・なんでしょう?怪しいですよね。
メトフィエスって結構大柄だったんだ・・・と思ったシーン
味方なのか敵なのか、そう単純ではなさそう
©2018 TOHO CO.,LTD.

 3話はきっとエクシフを軸にしたエピソードになりそうですが、虚淵さんのことですからね、まぁストレートには描いてこないでしょうけど。いったいどう展開するのか想像もつきません。

ビルサルドはなぜ放浪したのだろう


 ところで、エクシフは母星をギドラに追われたっぽいですが、ビルサルドっていうのは何が原因で母星を失ったのでしょうか?1話にでてきたのかな。

 『地球人はゴジラを制御できなかった』とビルサルドはバカにしますが、ビルサルド自身はどうだったんだよ?って思ったんですよね。

 ビルサルドもギドラにやられたんだろうか・・・。

メカゴジラは驚いたけど面白い!


 それにしてもメカゴジラにはビックリしましたね。

 虚淵さんらしい裏切りですが、さすがにこう来るとは思わなくてビックリでした。メカゴジラはいつ動き出すんだろう・・・ってしばらく思ってました(笑)

 予告ではいかにもメカゴジラが活躍するイメージでしたからね。やれらました。とはいえガッカリ感は全くなかったですね。
予告ですっかり騙された(笑)
でも良く見たら動いてるシーンないね。
©2018 TOHO CO.,LTD.

 プログラム可能な金属『自立思考金属体 ナノメタル』という設定は一見地味ですがすごく面白かったです。もちろん演出もよかったけどね。

 この辺も『SF的な楽しさ』ですかね。かえってメカゴジラVSゴジラにならなくて良かったくらい。この流れだとギドラやモスラも抽象化された何かとして登場するのでしょうか・・・むちゃくちゃワクワクしますね。

怪獣映画ではなくSF的スピンオフ作品


 この作品がゴジラらしい作品か?と言われれば、自分には正直よく分からないです。でもこの作品って怪獣映画というよりSF作品なのは確かですね。

 不思議な現象も可能な限り理屈をつけて描かれているんですよね。エクシフの予言、自立思考金属体、フツア族のDNA・・・などSF的な設定にワクワクします。
エクシフの予言も科学的な理屈があるという設定
『不思議』で片付けない脚本は興ざめせず楽しめる
©2018 TOHO CO.,LTD.

 自分程度のライト層からすると十分ゴジラ作品なんですよね。ギドラやモスラ(をイメージさせるもの)がああいう風に仄めかされると、いい感じでワクワクしてきます。

 だから自分から見てこの作品は『ゴジラ作品のSF的なスピンオフ』ですね。逆に言えばゴジラ映画だけど怪獣映画でないのかも。

地球の支配者になるなら、自らゴジラになるしかないのか


 ゴジラ出現の原因が『原爆や環境破壊』と一見とってつけたように描かれるのは、最初は違和感がありました。後付けでゴジラ映画を強調してるのかな?って。

 ただ『人類がゴジラを生み出した』って事を示すためには必要だったのかな。自ら生み出したものを制御できないなら、自らが変わるしかないというビルサルドの主張が効いてくるんですよね。

 地球の支配者になるなら、自らゴジラになるしかないのか・・・という葛藤。ゴジラ出現以前は人類こそがゴジラだったという自覚を促したのかもしれません。

ハルオの究極の選択が、自分と重なって熱くなる!


 クライマックスのヴァルチャーによる攻撃シーン。あそこはさすがに熱くなりましたね。よく考えると1作目と同じ事してるのにね(笑)全然興ざめしないのがすごい。
文字通りワタリガラスのような姿のヴァルチャー
繰り返し攻撃が渡り鳥を意味しているのかな
©2018 TOHO CO.,LTD.

 ラストにメトフィエスとガルグの双方から説得されるシーンでは、スクリーンの左右からの声が天使と悪魔のようでした。あそこは見てるこちらも葛藤でしたね。

 本当に究極の選択で『どうする?』って・・・ハルオと自分がダブってくる感覚はまさに手に汗握るシーンでした。

ガルグの見通し甘すぎでしょ・・・


 でも良く考えるとユウコはナノメタル化したからって協力したかな・・・ハルオは(鱗粉の影響でナノメタル化されなかったけど)もともと反対してたわけで。

 ユウコがビルサルドの考えに親和的だったからって、ガルグも都合良く考えすぎだよね。ちょっと優しくされたからって勘違いするみたいな・・・ホント人の言動をストレートに受け取ってしまうみたいですね。
ナノメタル化した後は人格まで操作できるのだろうか?
ユウコが同調すると考えるのは甘いような。
©2018 TOHO CO.,LTD.

 あそこは、まずビルサルドの操縦士ベルベだけがナノメタル化して突入。それでダメだったら一か八か地球人操縦士のナノメタル化を強行する・・・ってのが合理的じゃないでしょうかね。

 メカゴジラシティのガスを早々に停止してしまうとかさ、ビルサルドって自信がありすぎるのか判断が拙速なのがね・・・母星を失ったのも結構コレが原因じゃないかなぁって思ったりして(笑)

ラブシーンの演技に絵が追いついていない!


 SFとして面白い本作ですが、ちょっと残念だったのはラブシーンですね。

 メカゴジラシティ屋外のユウコとハルオのシーン。花澤香菜さんの声の演技に絵が負けてる気がしました。

 まあ、花澤香菜さんの演技が上手いですからね・・・仕方ないところもありますが。二人の声の演技が良かっただけに映像の演技との差が気になりました。
止め絵でみると素晴らしいんだけど・・・
この前からの語り合いが単調にみえてしまった。
©2018 TOHO CO.,LTD.

 ポリゴンピクチュアズの技術ならもっと豊かな表現ができたのでは?と思うのですが、あえての演出意図なのかな・・・表情がちょっと平板でしたね。派手にすると逆に違和感でるんだろうか。

 バストと腕で可愛らしいポージングは認めますが(笑)体の演技という点では人形っぽい違和感がね。静かなシーンなだけに気になりました。

 その他のシーンでは多少の違和感は気にならなかったけどね。花澤さんの演技で引っ張ってくれたせいかな。3Dでラブシーンをうまく表現するってのは難しいものですね。

セルルックの限界はどこか


 3DCGをセルアニメ風に表現するセルルック技法。ポリゴンピクチュアズの作品はいくつも見ていますが、見るたび表現力が向上していて驚かされます。

 もちろん一般の視点から見るとまだ違和感多いと思いますが、比べてみるとどんどん良くなっているんですよね。ただ、ここが壁なのかなぁってラブシーンを見て感じました。

 ただ、『BLAME!』や『シドニアの騎士』では萌え表現に成功していたので、技術的な点というより、演出的に敢えて避けたという可能性もあるのかな?
劇場アニメ『BLAME!』2017年 より
セルルックでここまでの可愛らしさを達成している。
(C)弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局
関連記事 映画『BLAME!』感想:超ワクワクできるSFエンターテイメント! - アニメとスピーカーと‥

 ビルサルドみたいなゴツイ感じのキャラはすごい合ってるんですけどね。戦闘シーンの動きなんかはほとんど違和感を感じなくなりました。

3Dならではの表現はさらに進歩


 また、細かい書き込みをしたスーツの表現はセルルックならではですね。ただ、スーツの細かさと表情のフラットさに違和感を感じるのも事実。この辺は微妙なさじ加減ですね。
3DCGの特性を生かした母船の美しい描写
機械類の表現はさすがに見応えがある。
©2018 TOHO CO.,LTD.

 フツア族のミアナ・マイナはフラットな描き方が逆に良かったです。機敏な動きも素晴らしくて全然違和感を感じませんでした。

 セルルックの表現は観客の感じ方も大きいので奥が深いですね。今後も注目です。

いったいどこに着地するのか!謎の解明にワクワク。


 エンディング後の予告的エピローグ・・・あれはワクワクしますね。ED中に帰っちゃう人が結構いるのですが『ちょっと〜!』って声かけたくなります(笑)

 まあ観なくてもどうせ次作の予告編でやるだろうけど少しもったいないですよね。ただ、EDもすごく地味で長いので帰る人が多くても仕方ないかな・・・もう少し最後まで見てもらえる工夫が欲しいですね。
フツア族のミアナ・マイナ。
モスラの予言とエクシフに関連がある予感が・・・
©2018 TOHO CO.,LTD.

 それにしても、エクシフの謎、フツアの謎、ユウコの安否、ギドラとは、そしてゴジラを撃退できるのか・・・それとも全く違う展開になるのか?本当に予想がつかないですね。

 個人的にはフツアの予言(モスラ?)とエクシフの予言の共通性とか気になります。ギドラが出る3話が『星を喰う者』というタイトルなのも意味深ですね。でもこれも引っ掛けだったりして(笑)
 
 次作も大いに期待できるSFエンターテイメント作品でした!

アニメ版GODZILLA 公式サイト
http://godzilla-anime.com


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『機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 6誕生 赤い彗星』感想:このまま1stを描いて欲しい渾身の完結編!

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI誕生 赤い彗星』を映画館で鑑賞しました。前半の会戦シーンは本当に凄かったですね。これをスクリーンで見られただけで満足なレベル。

 見る前は一律1,800円は高いなぁと思ったけど・・・あのシーンを見せられたら納得するしかないです(笑)いい体験ができました。思わず2回見に行ってしまいましたね。
機動戦士ガンダムTHE ORIGIN
予告・冒頭15分映像より画像引用
(当ブログの画像引用について)
(C)SOTSU・SUNRISE

 後半はやや地味な構成とは言え、ファーストガンダムの『文字通りの前日譚』として気持ちの良い締めくくり。

 唯一残念なのは、続編の発表がなかったことかな・・・・サブライズあるかな?って期待してたんだけどなぁ。ランバラルがオリジン版で活躍するシーンを見たかった!

※ネタバレのあるレビューですのでご注意ください。

溜めに溜めた、迫力の奇襲!


 それにしてもドズル艦隊 決死の転回からの奇襲。あれはすごい迫力でしたね。でも、あまりに近すぎる接敵にビックリ。あそこまで近づけるものかな?って思ってしまった。
ちょっと戯画的に描かれるドズルだが
大スクリーンでの迫力は素晴らしい
(C)SOTSU・SUNRISE

 『連邦も撃てよ!』と思ったけど、艦速を考えると交錯する時間はほんの一瞬ですよね。(映画ではゆっくりに見えるけど)さすがに連邦も即応は無理だったのかな。
不運も重なり一方的な攻撃を受ける連邦。
ティアンム艦隊への雪辱をレビル艦隊にぶつける開放感!
(C)SOTSU・SUNRISE

 不明艦発見から対応まで運悪く時間が空いてしまって・・・レビル将軍もさ、もう少し早くブリッジに来てくれればね(笑)ミノフスキー粒子を使った作戦に慣れていないってことなんでしょうが。

大スクリーンで見ごたえのある構図


 シャアの攻撃タイミングも絶妙でしたね。シャアの攻撃がドズル艦隊への対応を遅らせることになるとは。まあそこまで読んでいたわけじゃなさそうですが、運も持ってますよね。
5話ラストと時間軸が噛み合うシャアの登場シーン。
その意味合いが理解できるうまい構成でした。
(C)SOTSU・SUNRISE

 そしてザクII達の一方的で無慈悲な攻撃の連続。このシーンは艦艇もモビルスーツも広角的な構図が映画館のスクリーンに映えました。

 アップシーンは威圧感があるし、引きのシーンは空間を感じます。できるだけデカイ画面で見たいシーンですね。
ムサイの巨体が動く迫力は大スクリーンならではの体験
(C)SOTSU・SUNRISE

 会戦シーンはジェットコースターにでも乗っているような迫力で、文字通り『手に汗握る』感覚になるほどでした。これは素晴らしかったです。

屈辱的な和平なら戦争継続か・・・


  後半は一転、政治的な展開。ここは安彦総監督の思いが込められている気がしましたね。人々の思惑が複雑に絡み合って和平の芽が摘まれていく感じ。

 人類はまだ十分に破局を経験していないというヤシマ氏の言葉が重いですね。一度始まった戦争をやめるのがどんなに困難なことか。人は合理性だけで決断できるわけじゃないですね。
意外とミライさんのシーンも多くてうれしい。
物語の起点、サイド7へ引き寄せられる登場人物たち。
(C)SOTSU・SUNRISE

 和平っていうのはあくまで受け入れ可能な条件であって、屈辱的な和平なら戦争継続を選びたい。継続の選択肢がある限りは・・・って悲しいかな、サンクコストに囚われがちな人間の本能ですかね。

レビル脱出の指示したのは誰か?


 でも1作目で死んだ次男のサスロ・ザビが存命だったらどうなってたでしょうね。優秀で人望の厚いサスロならギレンの横暴にストップをかけられただろうか・・・まあ結局いつか暗殺されちゃいそうですが。

 それにしてもキリシアはすごいよね。デギンを尊重するフリをしつつ混乱を広げる感じ。本心がイマイチ読めないけど、やっぱり主導権を握るために敢えて戦争を求めたってことかな?
デギンの信頼を得るキリシア
逆襲のシャアのイメージのせいか真の黒幕という印象
(C)SOTSU・SUNRISE

 ちなみにレビル将軍を解放させたのはキリシアだとして、デギンは知っていたのだろうか?そこがちょっと疑問でしたね。

 デギンの怒りって『解放してやったのに戦争継続を訴えやがって!』って怒りとも取れるし『捕虜として休戦交渉に利用しようと思ってたのに逃げやがって!』とも取れるし。どうなんでしょうね?

『ジオンに兵なし』は最高のアジテーション


 オリジンにおけるレビル将軍って最強のアジテーター(扇動者)ってイメージでした。ナチスとの講和に反対したイギリスのチャーチル首相を強く連想しますね。

 ただ、レビル将軍も善人というより『負けたくない』という気持ちが『ジオンに兵なし』を叫ばせた気がするんですよね。あそこで和平になったらレビル将軍の名誉は挽回の余地がないですもんね。
『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』
の上映と重なったのは面白い偶然。(見てないけど)
(C)SOTSU・SUNRISE

 ファーストでは『実際にジオンを見た事実なのかな?』という印象でしたが、今は和平論を封じるためのアジテーションだよなぁと感じました。

 将軍まで上り詰めるだけあって老獪な政治家ですよね。でもこれも『人間の性(サガ)』を描いている気がするんですよね。

 デギンが演説を見て単純に激昂するのも、デギンの人間性を美化しすぎない感じでいいな。安彦総監督の意向かはわからないけど、この辺の描きかたはすごく好きですね。

演説をエンディング曲のように使うカッコよさ!


 それにしても『ジオンに兵なし』の演説で終わるラスト!カッコよかったですね。(思いっきり扇動されてますが(笑))

 前半にクライマックスを持ってきた関係で、後半はどうしても地味な展開になりましたが、この構成でスカッとした締めになりました。
実際のエンディング曲は山崎まさよしが歌う『破線の涙』
機動戦士ガンダム THE ORIGIN 予告3

 演説がある意味でエンディング曲になってましたね(笑)演説をバックに登場人物が紹介される演出。あれはなかなか味わいありました。

 そして最後に『ジオンに兵なし』と戦争継続を呼びかけるシーンでスパッとエンディングロールへ。完結でありスタートとなる、この作品らしい気持ちの良い終わりかただったと思います。

キャラクターデザインは良かった


 ファーストと違って、今風なキャラのアレンジは賛否両論ですかね?自分も最初は違和感ありましたが今は肯定的ですね。ファーストのイメージを崩さない範囲でうまく現代化しているなぁと感じました。
一番デフォルメされたのがガルマかな?
でもこのガルマで続きをを見てみたい・・・。
(C)SOTSU・SUNRISE

 キャラなんかは、やっぱりファーストのままというわけにもいかないでしょ・・・と思うんですよね。

 デザインだけじゃなくてキャラの性格付けもちょっとオーバーな感じになっていますが、方向性としてズレていないので違和感なかったのかな。強調してるって感じで。

THE ORIGIN の明るさは『戦前』の明るさか


 地味だったファーストに比べて、明るさや能天気さが強調される感じがしますが、それって『戦前』のイメージとしてありかなと思います。やっぱり戦争前のエピソードだから平和の空気を感じるんですよね。
緒戦の頃は連邦もエリート揃いの落ち着いた雰囲気。
ファースト時代とは違いを感じる。
(C)SOTSU・SUNRISE

 戦前といえば、連邦の職業軍人の姿も印象的でしたね。ファーストの疲弊して混乱した姿とは違う、落ち着いて余裕のある指揮。官僚的な面はあるとは言え、頼りになる感じでした。 

『君は生き延びることができるか』の意味


 エンディング後のエピローグ。新品のホワイトベースとまだ元気なパオロ艦長が新鮮ですね(笑)(エンディング中に帰ってしまった人が何人かいた・・・)
結局ガンダムって何だかわからないアムロ・・・
無力な一少年である彼が開花する直前までを描く。
(C)SOTSU・SUNRISE

 ラストナレーションの『君は生き延びることができるか』ってファーストの予告編で使われた常套句だそうですね。まったく覚えてなかったよ。

 覚えてたら感慨深かったろうなぁ。まさに壮大な予告編というか・・・オリジンで聞くとさらに深みの増すセリフですよね。

大河に注ぐ源流の物語


 THE ORIGIN への批判として、世界観が矮小化しているという意見をみたのですが、自分は矮小というより源流を描いたという気がするんですよね。

 1年戦争で始まるガンダムを大河に例えるなら、その源流である幾筋もの小川が合流していく物語。それがTHE ORIGINかなって。
小川で遊ぶフラウ・ボゥ
彼女はなぜか1stより大人びて見えた。
サイド7の残りわずかな平和を象徴するシーン。
(C)SOTSU・SUNRISE

 シャア、セイラ、ラル、ガルマ、キリシア、アムロ、カイ・・・それぞれの人生に焦点を当てたエピソードがファーストガンダムの時間軸で交錯し飲み込まれていく。

 確かに矮小なエピソードなんだけど大きな歴史の細部を見るような、ガンダムシリーズの総仕上げとして見るからこその味わいを感じました。


最後に・・・シャアとランバラル。


 足掛け4年・・・途中は映画館じゃなくてもよかったかな?と思いつつも(笑)最後まで楽しめる作品でした。

 今までは1作目が一番好きでしたが、6作目が抜いた感じですかね。単独作品としては1ですが、まあルウム編は5・6はまとめて1作という感じですかね。

 でもシャアのキザっぷりがすごかったですね(笑)ファルメルの部下たちも引いていたような。若さゆえの・・・がシャアの名台詞ですが、ある意味中二病っぽいかも。声優の池田秀一さんの重厚な声を楽しめて良かったです。

 それにしても最後にランバ・ラルの出演がなかったのは残念!(ラストに一瞬でた?)さすがにファーストを焼き直すのは色々問題はあるんでしょうが・・・劇場版の『新3部作』としてファーストガンダムを現代に再現して欲しかったなぁ!

 安彦総監督はじめスタッフの皆さんお疲れ様でした。ありがとう。そしていつか続編も期待しています!

機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式サイト
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引用の出所の明示に©を使うことに問題がありますか?という質問について

 下記の記事のコメントで質問をいただきました。画像引用した場合、出所の明示として著作権者を表記しますが、そこに(C)©コピーライトマークを表記するのに問題はないか?という質問です。

『アニメブログの画像引用で違法と言われない著作権法のポイント』

 長くなってしまったので回答を独立記事とさせていただきました。この記事は上記の内容を前提としていますので、未読の方は合わせてお読みください。

【コメントでの質問内容】
現在は無方式主義なので、(c)表記はあろうがなかろうが意味はあまりないという前提ではありますが、質問です。
今の日本においては(c)表記は著作権者が自分の著作物だと表明するために付けられているように思うのですが、引用の際に引用者が勝手に(c)表記を入れてしまうと本文中にもあるように正式許諾を受けたように誤解を生むような気がします。
もともとグレーゾーンな画像の引用に別の罪(著作者名詐称罪?)が加わったりしないのでしょうか?

 まず前提として、私は引用の表示として©(C)コピーライトマークの有無はどちらでも良いという立場です。

 作品名でなく権利者名を表示する場合、アニメの場合は権利者が複雑なため、権利者自ら表示している(C)〜を記載するのが簡便であるとしています。この場合の(C)は著作権者を示すCopyrightの省略形としての意味です。

 その上で、ご心配の点についてご説明します。少し長いので下記に要点をまとめました。詳しい説明は本文をごらんください。

1:誤解が原因で『著作者名詐称罪』に問われるか?
  回答:ありえないと考えます。
2:(C)表記には正式許諾を受けたという意味があるか
  回答:(C)表示に『許諾』の意味を見出すのは難しいと考えます。
3ー1:(C)表記は誤解を誘発するのではないか?
  回答:逆に誤解を認める事になる恐れがあります。
3ー2:権利者が誤解した場合に問題はあるか?
  回答:適法な引用なら問題はないと考えます。
3ー3:読者が誤解した場合に問題はあるか?
  回答:3ー2と同様。
4:結論、それでも心配な場合は。

1:誤解が原因で『著作者名詐称罪』に問われるか?


 ありえないと考えます。

 『著作者名詐称罪』(著121条)は、権利者以外の人の名前を記載することが要件になります。つまり別人が著作権者であると詐称する罪です。ですから正しい権利者名を表示している以上は罪になりえません。

そして『正式許諾を受けたという誤解』をもって著作者名詐称罪となる可能性はありえないと考えます。『許諾』が要件になる事は条文上・判例上ともに確認できないからです。

2:(C)表記には正式許諾を受けたという意味があるか?


(C)表示に『許諾』の意味を見出すのは難しいと考えます。

 ご指摘の通り、コピーライトマーク(C)は著作権者が誰であるかを表明するために記載されています。これは慣例であると言えます。

 しかし、あくまで『著作権者が誰か』を表示しているのであって『許諾の表示』をしていると解釈するのは難しいと考えます。

 なぜならテレビや出版物で(C)の記載があるものが、すべて『引用』ではなく『許諾』であると言えるでしょうか。逆に(C)の記載のないものは『許諾されていない』と言えるでしょうか?

 実務上は『許諾』とは許諾契約ですので、契約内容によって表記の有無や方法は自由に決まります。有名なところでは『いらすとや』の画像は『ノンクレジットでの利用』が可能だとされています。またクレジット記載の場合も(C)の記入は指定されていません。あれも一種の許諾契約です。

 つまり(C)が許諾を受けたかどうかを示す目印にはなりえません。ですから、(C
)表示に『許諾』の意味を見出すのは難しいと考えます。

3ー1:(C)は誤解を誘発するのではないか?


 あえて記載を避ける事は、逆に誤解を広める事になる恐れがあると考えます。

 誤解の原因は、著作権や引用についての理解不足が原因だと感じています。著作権の誤解が広まってほしくないという考えで記事を書きました。(C)に限らず画像引用は誤解が多く、公開当時は実用的でまとまった記事が少なかったのです。

 その際に根拠のない論を広めたくはないと考えていました。(C)があってもなくても良い理由は根拠があります。しかし(C)に『許諾』の意味があるとする法的根拠はありません。

 『引用の場合は(C)を記載しないでください』というのは、むしろ誤解を誘発することになると考えました。それは(C)に特別な意味を与える事になり誤解を助長すると考えたからです。

 つぎに『誤解』をするのが誰なのか?という点について説明します。以下(3-2,3)は一種の思考実験的なものです。興味がなければ4へ飛ばしてください。


3ー2:権利者が誤解した場合に問題はあるか?


 権利者が『このブログ、許諾もしてないのに(C)と表示している。けしからん!』と誤解した場合を考えます。

 権利者が訴えるとすれば『引用として著作権法上は合法だが(C)をつける事で損害があった』という民法上の損害賠償請求になるかと思います。これは実害という意味でも認められるのは難しいのではないでしょうか。

 ご質問者は画像の引用が『もともとグレーゾーン』とお考えですが、要件を満たした引用は明らかに合法です。グレーゾーンとはいえません。なぜなら著作権法におけるグレーゾーンとは権利者から訴えがあれば負ける状態(黙認)であって、正しい引用は負ける事がないからです。

 ですから適法である以上、それ以外の損害を証明しなければなりません。適法な引用で(C)がある事で受ける損害を実証できるでしょうか。

 もし、ブログで引用要件を満たさない、もちろん許諾も得ていない転載に(C)をつけていたなら、それはただの無断転載で著作権侵害です。しかし、そこに(C)の有無は全く関係ありません。

 以上から権利者が(C)を許諾だと誤解したとして特に問題はないと考えます。

3ー3:読者が誤解した場合に問題はあるか?


 読者が誤解した場合困るのは、引用要件を満たさないサイトなのに(C)があるから許諾があると誤解される場合です。

 しかし前述の通り、現実には(C)の有無が許諾の目印にはなりません。法律や判例で(C)が許諾の印だと認定される見込みもありません。

 だとするならば、多くの人に著作権法上の引用について正しい知識をもってもらいたいと考えます。(C)マークに許諾の意味があるかのように黙認する事はむしろ逆効果でないでしょうか。

 もちろん適法な引用であれば、誰の権利も害していませんので、読者が『許諾』と誤解したとして実害はありません。しかし、誤解を解き多くの人が正しい認識を持つ事は、結果として権利者の擁護になると考えます。

4:結論、それでも心配な場合は。


 以上のように(C)をつける事で責任を問われる事はないと考えています。もちろん、つけるつけないは個人の責任に基づいて考える事です。

 ただ、心配な場合は『引用』の文言を記載しておけば万全ではないでしょうか?これなら『許諾』と誤解される心配はありません。

 肝心なのは著作権者が誰かがわかる事ですので、Copyrightでも著作権者でも、〜作品(作者〜)より引用、でもどれでも同じです。(C)マークを強制するつもりはなく、単に簡便な方法として紹介しています。

以上です。
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2018冬アニメ(1-3月)感想:短評 総まとめ

 2018冬アニメ(1-3月)の感想です。今期はわりと完走できたのが多かったです。いつも気に入った作品ほど見るの遅れちゃうんだけど、見やすい作品が多かったですね。

 それでは、現在完走した各作品ごとの短評は次の通りです。(重大なネタバレはないレビューですが未見の方はご注意ください)

 もくじ(リンク付き)

『宇宙よりも遠い場所』

2話に圧倒。音楽の演出に感動!

 今季印象に残った作品といえば『宇宙よりも遠い場所』(よりもい)ですかね。世間的な話題もトップクラスでしたね。

 特に2話ですね。駆け回るシーンの演出は感動したなぁ。何度も何度も見返して涙出てきました。完全にあのシーンでやられちゃいましたね。本当に素晴らしい。もちろん全編にわたって良いんだけど、自分は『2話最高』派ですね。
主人公の玉木マリを軸にした青春物語。
このPV第2弾も2話に通ずる素晴らしい出来栄え。
©YORIMOI PARTNERS
(当ブログの画像引用について)

 オリジナル作品という事で完全に大穴でしたね。Twitterでも熱狂的な支持者が多かった印象。自分もかなりの高評価でした。

 最終話も良かったですね。特に楽曲と映像の合わせ方がすごいですよね。キャプションの出し方一つまでこだわりを感じます。全編にわたって音楽の演出がすばらしい作品でした。

『ゆるキャン△』

すごく見やすい日常系青春アニメ。

 話題作って意味では『ゆるキャン△』も負けてなかったですね。序盤こそ『緩すぎるかなぁ?』と感じたけど、適度なリアリティー感があって日常系としてはすごく見やすかったです。

『ヤマノススメ』とも違う独特の雰囲気ですね。緩さに加えてコメディー風味もあるので見やすかったのかも。青春を求めるなでしこ見てるとちょっと『よりもい』連想しちゃっうんですよね。
個人的に今季一番のラーメンアニメだった『ゆるきゃん△』
なでしこ以外のキャラも魅力的な作品
©あfろ・芳文社/野外活動サークル(予告編より)

 あと、個人的には犬山あおいちゃんの関西弁が良かったなぁ。関東人なので正確なところはわかりませんけどね。すごい癒されますね。

 女の子が夜中一人なんて危ないんじゃ?なんて思ったけど、その辺も含めてゆるい感じですかね。キャンプ用品も高級品じゃない所が今っぽくて好感持てました。

 日常系作品としては一般にも親しみやすい作品じゃないでしょうかね。

『ポプデピピック』

歴史的なお祭り騒ぎに参加できて良かった。

 話題という意味で今季一番は『ポプテピピック』ですかね。初回放送時のTwitterの爆発っぷりはすごかったですね。何が起こったんだって感じでビックリしました。
amazon primevideo

 最高だったのは第2回の『ご覧いただけただろうか』の心霊シーンかな。これは久々に笑いすぎて涙出ましたね。何段にも重なるオチ。あの破壊力は半端なかった。

 面白さに波もありましたが実験的で自由な感じが楽しかったかな。ウゴウゴルーガに似てるって意見も見ましたが、子供向けとは違う深夜アニメらしさが良いですね。

 キングレコード単独出資をネタにした竹書房イジリも面白かった。制作の神風動画はこれまでもOP制作で注目してたけどさすがですね。上坂すみれのOP曲もすごく良かったです。

『刻々』

ワクワクする展開!毎週楽しみにしてた作品

 萌えとか感動とかじゃないけど、今季単純に面白かったのが『刻々』ですね。『博多豚骨ラーメンズ』と合わせて毎週楽しみで、ほぼリアルタイムで視聴してた作品です。

 SFミステリーって感じで、謎解き、意外な展開にワクワクしました。初回以降もテンポ良くて次回への引きも上手いですね。
主人公の樹里。独特の絵柄に最初は違和感あったが
EDも含めて慣れると良い感じ。
© 堀尾省太・講談社/「刻刻」製作委員会

 でもシリアスなだけじゃなくて『笑い』が上手に織り込まれてるんですよね。特に『ヘボ親父』のキャラが最高でしたね。ダメなだけじゃないさじ加減が絶妙でした。

 ラストも悪くなかったけど、もう少し時間たっぷりとって欲しかった気もするかな。1話にまとめるとちょっと窮屈な感じでした。まあ全体として満足度は高かったですけどね。

 OP/EDもすごく良かったです。特にエンディング。ちょっとHな感じで本編とのギャップが妙に良い味になってて好きでした。

『博多豚骨ラーメンズ』

何気にハマった。意外性が面白い!

 『博多豚骨ラーメンズ』もハマりましたね。ラーメンアニメかと思ったら全然違う『殺し屋アニメ』という意外性。どんどん展開していくテンポの良さ。意外にも奥さんもハマってました。

 殺し屋商売が跋扈する都市『博多』というトンデモない設定ですが、それ以外は普通な社会というギャップが面白い。(でも博多の人が怒りそうでヒヤヒヤしましたが)

 明かされていく登場人物の表裏のキャップも面白かったですね。終盤は意外とオーソドックスな人間ドラマになっていきましたが、最後までしっかり見せてくれました。
物語の軸になるリン シェンミン。
女装でこの雰囲気は実写化が難しい気がする。
© 2017 木崎ちあき/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/博多豚骨ラーメンズ

 実写でもOKじゃない?と思ったけど、博多のイメージもあるし、女装キャラの難しさがありますね。アニメ以外では難しいかな?深夜アニメならではの作品かもしれません。

 こちらもOP/EDが良かったです。特にエンディングはジャズ調の楽曲がカッコ良い!イントロと本編の接続が良いし、劇中のセリフを入れる演出がしびれました。

『恋は雨上がりのように』

最初は抵抗あったけど渋い傑作

 若干見るのに抵抗があった作品ですが、予想外に良かったですね。面白い中にも渋さがあって、すごく共感してしまったな。別エントリーで感想を投稿しました。
関連記事 『恋は雨上がりのように』アニメ版 感想:諦めの先にある人生 - アニメとスピーカーと‥‥

『3月のライオン』第2シリーズ

重量級エピソードの素晴らしいラスト

 最終回は本当に素晴らしかったです。賛否両論あるかもしれないけど、あの構成は個人的に大絶賛でした。

 ラスト2話が連続放送だったのも良かったのかな?静かなモノローグと、きらびやかなオープニングのギャップが素晴らしくて涙出てきましたよ。

 このオープニングは、最終回のために用意されたんじゃないか?と錯覚するほどの鮮やかな演出でした。
重量級のエピソードが多かった2期
後半の『焼け野が原』も素晴らしかった。
©羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会

 2期はイジメ問題が非常に重いんだけど、避けずに正面からたっぷり時間をかけて描いていたのがすごいね。

 絵や構成のおかげで不快感は緩和しているけど、何かが壊れて元に戻らない感じを視聴者の心にしっかり刻んでる気がしました。

 それだけに最終回の静かな構成は本当に感じ入るんですよね。長期間見たからこそ味わえる感動ですね。

 それにしても、あかりさんの描き方が本当に魅力的ですごいね。これは現実の女優さんじゃ出せない魅力ですよね・・・2次元の凄さを感じますね(笑)

『伊藤潤二「コレクション」』

ダークホース的な面白さ!傑作。

 当初は注目してなかったけど素晴らしい出来でしたね。まさにダークホースでした。

 ホラーの枠を超えた不条理作品といった感じで独特の魅力がありました。1話では戸惑いもあって『微妙かな?』と思ったのですが、慣れるとたまらないですね(笑)

 特に10話の『グリセリド』(油の話)は放送して大丈夫か?ってレベルですごかった。冒頭からヤバイ感じでホラーなのに笑ってしまうんですよね。
タッチの三ツ矢雄二さん演じる双一
本作を象徴する『不条理すぎて笑える』キャラクター
©伊藤潤二/朝日新聞出版・伊藤潤二『コレクション』製作委員会

 このエピソードに限らず、怖いというより不条理すぎて笑ってしまうのが魅力ですね。このバランスがすごく良い。

 あと『オチをつけない構成』も良いんだよなぁ。解決も解明もしないんだけど気にならない。それどころか、すごく良い味わいになってるんですよね。

 伊藤潤二といえば『ぐるぐる』しか読んだ事なかったのですが、伊藤潤二の魅力を理解できてませんでしたね。今回のアニメ化はすごく良かったです。

『斉木楠雄のΨ難2期』

安定の面白さ。さすが。

 2期になっても衰えないですね〜安定の面白さでほぼリアタイ鑑賞でした。ごはん時でも安心して見られる健全さなのに、このレベルで面白いってすごくないですかね。
お気に入りの目良さんも割と出てくれた。
相変わらずひどい扱いだけど(笑)
©麻生周一/集英社・PK学園2

 1期見たときは、序盤ですぐにネタ切れになるんじゃないか?って思ったんですけどね。ここまで長く楽しめるとは。

 実写劇場版も見に行くくらいだから、単に好みって事もあるんですけどね。2期後半も楽しみな作品です。

『ラーメン大好き小泉さん』

ヤンデレ作品として最高!

『ラーメン大好き小泉さん』はラーメンアニメには違いないのですが、個人的にはヤンデレ作品として魅力的な作品でした。

 明るく健康的な『ヤンデレ』ってのが成立するんですね。それがなんとも言えず心地いい楽しさでした。
小泉さんを追いかける大澤悠
ボーイッシュで健康的な百合ヤンデレが楽しい。
©鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会

 『心配性なのにポジティブ思考』という悠の感覚に共感するのかも。悠のヤンデレが出ない回はちょっと物足りなかったくらいです。

 賛否両論だった『ラーメンすすり音』ですが、自分はやっぱり苦手でしたね。ちょっと盛り過ぎかな。ちょっと食欲を減退させる感じだったかも。

 OP/EDもすごく良かったけど、特にエンディングが好きだったなぁ。悠の妄想が入ったイメージがとても切なくなる感じ。

 ノリの良い楽曲に2頭身キャラの可愛い絵だけど、本編からの流れで見るとすごく味わい深いEDでした。

『だがしかし2』

ストーリー重視で見やすい。絵も好み。

 なんだろ1期より好きだったかも。制作陣変更とのことですが、気のせいかキャラデザがちょっと見やすくなったかな?

 構成も駄菓子紹介からストーリー重視に若干振った感じ。そのせいか15分作品なのに密度感あって見ごたえありますね。1期はちょっと飽きがあったんですよね。好みとしては2期の方が馴染めました。

 あとメガネのお姉さんすごく良いですね。割と楽しみに見ちゃいました。続編も見たいなぁ
なかなか出てこなかった千夏さん。
地味な色気を醸し出していて良かった。
©2018 コトヤマ・小学館/シカダ駄菓子2

 OP/EDも良かったです。特にオープニングは楽曲とのシンクロも良いし、色彩が美しくて見ごたえある作品でした。

『たくのみ。』

だがしかしのついでに完走しちゃった。

 あんまり興味なかったんだけどね。『だがしかし2』と同時に録画されちゃうので、ついでに見ちゃうんですよね(笑)自分は酒が飲めない下戸だから、別に飲みたい気分にならないんだけど。

 おつまみが簡単に出てくるのとか、実際に作ると時間かかるだろ〜とか思いましたが、まあ、嫌ななところはない作品だったので完走しちゃいました。

 内田真礼さんのOP楽曲が良かったですね。

『りゅうおうのおしごと!』

序盤の抵抗感。でも意外と見応えあった。

 この作品は序盤でのJS萌えがキツすぎて正直ついていけない感じだったんですよね。さすがにムリかなぁ・・・と思ってたところ、原作小説ファンの皆さんのツイートを見てあやうく脱落を免れた作品。
さすがにこれは・・・無理かなと、断念を考えた序盤。
(c)白鳥士郎・SBクリエイティブ/りゅうおうのおしごと!製作委員会

 うわさ通り中盤以降は将棋アニメとしてなかなか見ごたえありましたね。自分は将棋打ちませんが盤上のシーンも緊迫感が伝わってくるし、群像劇的なところも良かったです。

 あと意外にも姉弟子の銀子のラブストーリーも良かったですね。ギャグ的なツンデレじゃないピュアな感じが良かったです。こういう展開はちょっと予想外でした。

 『原作小説はもっと良い』という声が多くてちょっと気になる所。でも序盤こそ受け入れられなかった雛鶴あいの強烈すぎる萌え描写も、最終回ではすっかり慣れてきて普通にかわいく見えました。慣れって怖いですね(笑)

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』

奥さん高評価のハイクオリティー作品。

 京アニの新作というものの、苦手なジャンルなので評価が難しいですね。前評判が高かっただけに期待度はありましたけどね。ガッツリ好みってわけじゃないです。
瞳の緻密な美しさが印象的な作品
イメージソング「Violet Snow」を使ったPVが素晴らしい
©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

 でも映像クオリティーの高さはすごいし、序盤こそちょっと入りにくかったけど、後半からの展開は引き込まれるものがありましたね。自分としては再構成して劇場版になったほうが見やすいかも。

 でも奥さんはかなりハマったみたいで毎回楽しみにしてましたね。石立太一監督ということで『境界の彼方』とちょっと雰囲気通じる部分がある気がしますね。

 新作決定とのことですが、どんな形式になるんでしょうね?原作小説は評判が良いのでちょっと読んでみたい気もします。

デスマーチからはじまる異世界狂想曲

好みとは違ったけど、なんとなく完走しちゃった。

 序盤は硬派なゲーム転生ものかな?と思いましたが、だんだんH要素が強くなって家族がいるときに見られなくなりましたね。こういうの困るんですよね(笑)
主人公の健全すぎる性格はちょっと苦手だったかも
プログラマらしい演出は面白かった。
© 愛七ひろ・shri・kadokawa カドカワbooks刊/デスマ製作委員会

 変化球的な展開を期待したんだけど王道的なラノベ展開かな?ベタな展開を逆手に取った『異世界スマホ』が好みだったので、ちょっと展開を期待してました。今回は好みに合わなかったみたい。

 『デスマーチからはじまる』ってタイトルに惹かれて見たところがあるんですが・・・結局始まっただけでしたね。続編で関連してくるんだろうか。

 まあそうは言っても最後までみちゃいましたけどね。

『キリングバイツ』

1話切りしそうになったけど意外と面白いね。

 1話で脱落しそうだったけど意外と面白かったですね。絵柄も好みじゃなかったけど、評判良かったので保留してました。
メインキャラのラーテル
アクの強い絵でちょっと苦手だった
少年誌的なノリで娯楽性は高い
©村田真哉・隅田かずあさ・HERO'S/キリングバイツ製作委員会

 H要素があるとTVでは見にくいのでKindleタブレットで視聴。ライト感覚で見るにはちょうど良い作品ですね。

 それにしてもテラフォーマーズと似てるので同じ作者かと思ったら違っててビックリ。SF要素を抜いて、Hと萌えを加えた感じですね。演出は敢えて被せてるのかな?

  それにしてもコブラ役の吉野裕行さんのゲスな演技が最高でしたね。あとオープニングのクルクル回るキャラの演出が好きでした。

『おそ松さん2期』

言うほど悪くなかったけどね。

 1期に比べて話題がトーンダウンした『おそ松さん』ですが、世間で言うほど悪くなかったですけどね。

 波はありますが面白い時はすごく良いし実験的な感じもあって好きでした。まあ、ポプデピピックにお株を奪われた感はありますね。
独特な色彩の美しさは変わらず良かった。
©赤塚不二夫/おそ松さん製作委員会

 ワイドショーみたいに『ワイプ』を表示してた回とか好きだったなぁ。

 ただ、下ネタ要素が強くなりすぎて、ごはん時に鑑賞しにくくなってしまいました。下品なのは嫌いじゃないんですけどね。

 ファンに媚びない姿勢が逆効果だったのか、欲張りすぎた結果なのか・・・ネガコメもありましたが嫌いじゃなかったです。

『まめねこ』

関西弁って良いなぁ・・・

 いかにも5分アニメって感じだけどカワイイ。猫が人間を不思議な動物扱いしているのが新しいというか面白いですね。関西弁って良いなぁ・・・って思う作品でした。

現在視聴中


・『三ツ星カラーズ』
 どうかな?と思ったけど意外と奥さんに評判が良い。萌え要素の低い日常系作品としての魅力があるのかな。「のんのんびより」に通じる雰囲気があるのかも。

・『からかい上手の高木さん』
 面白いんだけど、ときめきが強すぎて逆にストレス(笑)でちょっと重い・・・と思ってたら放置してしまった。すごく評判良いのでリアタイで追えば良かったな。

・『citrus』:1話視聴でH枠っぽいので後ほど。

・『スロウスタート』:3話くらい視聴。ちょっと苦手なタイプの日常系かも・・・でもとりあえず保留中。

・『ダーリン・イン・ザ・フランキス』:序盤のちょっとHな感じが抵抗感あって・・・見る時間に制限が(笑)あとでまとめてみたい感じかな。

・『魔法使いの嫁 』:奥さんに意外と人気なので、一緒に追いかけ視聴中。

途中脱落してしまった作品


・『刀使ノ巫女』
 3話まで。序盤超えると良いって話もあるので見直そうかな?意外にも奥さんはそこそこ楽しんで見てる感じ。あとで見るかも。

・『封神演義』
 作監で有名な相澤伽月さん監督との事で見てみたけど、好みと違う作品のため序盤で断念。

・『学園ベビーシッターズ』
 1話まで。どうにも好みと違う感じ。OPは割とキレイだった。奥さんは完走。

・『ハクメイとミコチ』
 4話までで脱落。期待してたんだけど、どうもあの世界観に馴染めず・・・。

・『BEATLESS』
5話まで。面白くなりそうと期待あったけど、好みと離れていく感じで脱落

・『グランクレスト戦記』 1話まで。このジャンルはちょっと苦手で難解。
・『25歳の女子高生』 5話くらいまで。どうも入り込めなかった。
・『gdメン(ぐだメン) gdgd men's party』2話まで。ちょっと難解。
・『オーバーロードⅡ』1話まで。初回が理解できなかった。
・『メルヘン・メドヘン』2話まで。どうも馴染めず。でもその後の騒動を聞いて見てれば良かったかな?と思った。
・『ミイラの飼い方』2話まで。苦手なタイプの日常系って感じ。

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『恋は雨上がりのように』アニメ版 感想:諦めの先にある人生

 オジサンと女子高生の恋愛物語なんて・・・正直言って序盤はかなり抵抗ありましたね。自分も40代なので気恥ずかしいというか『おっさん向けラノベ』みたいで拒絶感がありました。

 でもそんな単純な作品じゃありませんでしたね。不惑の40代だからこそ共感できる作品。切らないで良かったです(笑)

かなりクセの強いキャラデザイン。
でも、この瞳を使った演出がすごく良かった。
PVより(当ブログの画像引用について)
© 眉月じゅん・小学館/アニメ「恋雨」製作委員会
※ネタバレも若干あるレビューですのでご注意ください。

すばらしい7話、店長のモノローグにシビれる。


 この作品、平田広明さん演じる店長のモノローグがホント素晴らしいですね。この声にもうシビれました。

 特筆すべきは7話『迅雨』ですね。これは本当にすごい!
『何をやっても中途半端で、人に誇れることなんて何一つない。橘さんが思うような大人じゃないんだよ』

 ここからの一連の対話・・・そして店長の文学的モノローグ。

 これは本当にやられました。吸い込まれるようなシーン。セリフも演技も、楽曲も映像も、その演出も、何もかも美しい。本当に最高のシーンでした。

絶望の先に続く人生


 この作品って『ダメなボクでも受け入れてくれる女子高生!』を楽しむ話じゃないと思うんですよね。

 絶望の先の人生について考える作品というか・・・再起の物語というと軽いかな。

おじさんの夢物語ではなく
諦めた人生に気づきを与える物語
© 眉月じゅん・小学館/アニメ「恋雨」製作委員会

 色々頑張ったけど結果として挫折ばかりの40代。自分の限界を知るのってなかなか辛いものですね。

 若い人から見れば『詰んだ』だの『終わった』だの言われそうだけど。その先も人生は続くわけで・・・終わったその先を描いているんですよね。

『夢や希望』からの解放


 店長は『夢も希望もない』って言ってたけど、若いころって、夢や希望に囚われてるから逆に苦しかったですけどね。周りと比較しちゃうし。

 だけど年をとると、自分の実力も知って肩の荷が降りるというか・・・逆に苦しさから解放されちゃったかな。

コミカルなセリフと味わいのある独白の対比が素晴らしい。
若くもないし高齢でもない微妙な年代。
© 眉月じゅん・小学館/アニメ「恋雨」製作委員会

 良くも悪くも自分の実力を知ってしまったわけで。店長も自嘲気味だけど本心で言ってたんだと思う。

諦めたからこそ再起ができる


 店長はそうやって諦めモードの人生になってたわけだけど、青春真っ只中のあきらの恋に当てられて、気づかされたんだと思う。

 夢や希望を一旦諦めたからこそフラットな気持ちで再起できるって。

 他人と比較するのでも、自己実現のためでもなく、ただ純粋に追い求める。作家として成功した友人と再会して、心の傷も癒えていることに気づいたんじゃないかな。

 余計な憑き物が落ちたというか、良い感じで脂が抜けた感じ。ちょっとわかるなぁ・・・って、そこにすごい共感してしまいました。

 40代を『不惑』っていうのって、昔は『迷いがなくなる事』かと思ってたけど、実際には『余計な可能性が消えた事』だって気づいて、それって『諦め』と引き換えなんですよね。

 なんかその感覚と店長の姿を重ねて見てしまいました。

『傘を閉じて彼女の雨に濡れよう』


 だから7話の抱擁シーンで『今このひととき、傘を閉じて彼女の雨に濡れよう』というセリフは良いなぁって。すごい感じ入ってしまった。

 あきらを助けると同時に自分も『彼女の雨』に当たって、熱かった頃の気持ちを気付かされた・・・って意味に感じました。

TVアニメ「恋は雨上がりのように」 本予告PV(公式配信)

 あきらも店長も、結局の所は自分で自分を助けたというか、立ち直ったわけだけど、再起には互いが必要だったわけで。そんな奇跡の出会いの物語だと思うんですよね。

 ある意味7話がクライマックスで、後半は長いエピローグって感じがしました。ラストは原作とは違うらしいですけど、原作も読んでみたくなるのがウマイですね(笑)

TVアニメ「恋は雨上がりのように」公式サイト
http://www.koiame-anime.com

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映画『さよならの朝に約束の花をかざろう』感想:この時代に『愛』を語る意味

『さよならの朝に約束の花をかざろう』を映画館で見てきました!

 実はファンタジー作品って苦手で・・・ちょっと心配だったのですが、意外にもすごく見やすかったです。テーマは普遍的なんですよね。敢えてファンタジーを舞台にしたという事で。

 『愛する事が悲しみを生むなら、誰も愛さないほうがいいのか?』という問いに、丁寧に答えたような作品だった気がします。
さよならの朝に約束の花をかざろう予告編/PV映像)より
(当ブログの画像引用について)
©PROJECT MAQUIA

 舞台は全く違いますが、2015年の『心が叫びたがってるんだ』とメッセージの共通性を感じましたね。描いているものは『ここさけ』が恋なら『さよ朝』は愛ですけど。
関連 映画 心が叫びたがってるんだ。 感想 :あの花にイマイチ感動できなかった人に勧めたい恋愛の名作 - アニメとスピーカーと‥

 どちらも『傷つくことを避けたい』という現代の空気に対して、岡田麿里さんからの強いメッセージが込められていた気がします。

※後半にネタバレのあるレビューです(スキップできます)

『愛』をどうやって表現するか


 この映画って、作品自体が『愛』を体現しているみたいなんですよね。約2時間かけて、少しづつ、少しづつ、丹念に積み重ねていくようなところが。

 恋が『一瞬のきらめき』なら、愛は『少しずつの積み重ね』って事ですかね。

 『ヒビオル』(日々織る)と呼ばれる布が、この作品を通したキーワードですが、まさに一本一本紡いでいくような作品。
イオルフの民は布に意味を織り込む伝統を持つ
数百年を老いずに生きる希少な民族
©PROJECT MAQUIA

 スピード感のある昨今の作品からすると、中盤なんかはテンポがゆっくりに感じますけどね。最後に『実感』させてくれるんですよね。

 実感というか体感かな?これが『愛』・・・って、こうやって時間をかけてでしか表現できない概念。恋と違って『ときめき』とかでは表現できないものですね。

 それを純粋に表現するためのファンタジーの舞台だった気がします。

作品の核心を大切にするために


 ファンタジーとしての面白さとか、戦争の不条理さとか・・・それも描かれているんですよ。もちろん。ただ、部分的にみればもっと膨らませる事はできた気はしますよね。

 でも、そこが強くなりすぎるとこの作品の本質が見えなくなってしまう。だから敢えて抑えた気がするんですよね。
ファンタジーとしての世界は美しい美術で表現されている
特に都市の描き方は特徴的で面白い
©PROJECT MAQUIA

 この作品の核心を大切にしたい。それなら自分で責任を取るべきだ。そう思ったから、岡田麿里さんは自ら初監督を希望したのかも・・・そう感じました。

※次章よりネタバレが含まれます。(ネタバレの章を飛ばして最終章へリンク)

あいまいになる『ヒビオル』という言葉


 ところで『ヒビオル』の意味、『日々を織る』って書きましたけど、勘が悪いので鑑賞後に気がついたんですよね(笑)(公式ページに書いてありました)

 もちろん劇中でも説明あるんだけど、なぜか途中で意味が曖昧になったんです。というのも、途中から布だけじゃない意味に聞こえるんですよね。『私のヒビオルが・・・』みたいな。
主人公マキアとエリアル
『ヒビオル』の意味の広がりと共に物語も展開していく
©PROJECT MAQUIA

 単に『記録された布』っていう意味だけじゃなく『記憶』とか『思い出』という感じですかね。とにかく『大切なもの』というニュアンスを感じました。

 なんかこの『ヒビオル』という言葉の曖昧さというか、多くの意味を織り込んだ感じが、この作品のキーワードとしてすごい効いているんですよね。

なぜレイリアは『忘れて!』と叫んだのか


 この作品で一番印象に残ったのはレイリアですね・・・マキアと対照的に描かれるイオルフ族一の美少女。
愛し合っていたレイリアとクリム
過酷な運命は彼らから何もかも奪ってしまう
鑑賞後に見返すとつらいシーン
©PROJECT MAQUIA

 特に彼女のラストシーンは『えっ?』って感じで・・・一瞬ポカーンでした。どうしてようやく再会できた娘に『私のことは忘れて!』と叫んだのか?

 でも、後になってレイリアのセリフを思い返すと彼女の気持ちがわかった気がします。それは『私のヒビオルにあなたはいない・・・』(みたいなセリフ)

記憶を紡いだマキア、紡げなかったレイリア


 愛する人を失い、故郷を破壊され、失意のうちに宿した娘。それすら会えずに無為に過ごす長い年月。

 たとえ血のつながりがあっても日々の記憶を重ねられなかったレイリア。
無為に時間を浪費させられたレイリア
失った上にさらに失い続ける事を強いられる過酷さ
©PROJECT MAQUIA

 それに対して、マキアとエリアルには、たとえ血の繋がりがなくても愛があるんですよね。それは日々紡がれた記憶によって紡がれた親子の愛・・・まさにヒビオル。

 それでもレイリアは、娘の助命を懇願し、最後まで再会を熱望していたじゃないですか。あの思いは本当だと思う。

 一見すると支離滅裂にも見えるレイリアの行動。自由人になっちゃったの?なんて、最初は混乱してしまいました。

私のヒビオルには娘がいない・・・


 でも、レイリアは娘と再会した『あの一瞬』に悟ったんだと思う。

 それは、娘に『誰?』と言われた時かな・・・でも、本当はずっと前から分かっていたのかもしれないけどね。

 私のヒビオルには娘がいない・・・娘のビヒオルには自分がいない。
このような何気ない日々の積み重ねが
もはや取り戻せないほど大きいものになっていると感じ
レイリアは運命を受け入れたのかもしれない
©PROJECT MAQUIA

 一度紡いでしまったヒビオルは戻せない。そこに『ほつれ』があっても完全には直せない。紡げなかった日々を取り戻すことはできないから。

レイリアの優しさが言わせたセリフ


 だからあのセリフは『優しさ』だと思う。自分勝手とは正反対の優しさ。

 レイリアは『母』であることを諦め、娘の人生の一部になることを諦めたんだと思う。それが成長してしまった娘のため。それが娘の幸せだと思ったから。

 だからレイリアは娘に対して、自分の存在を『布のほつれ』程度のものだと言ったんじゃないかな。だから忘れていいんだよ・・・と。

 本当は娘に駆け寄って抱きしめたかったのかもしれない。改めて日々を紡ぎ始めることもできたかもしれない。
再び飛び立つには運命を受け入れるしかなかった
飛び立つ事は不条理極まる彼女にとって唯一の光だったのかもしれない
©PROJECT MAQUIA

 でも今、一瞬の風のように消えることが、そして長い人生のなかで『気にしない』ほどの小さな『ホツレ』にすることが、互いのためになると考えた・・・。

 これが良かったのかどうかは、正直わからないですけどね。

 でも、何もかも失ってしまったレイリアが、今一度、自分の意思で飛び立つには・・・・それしかなかったのかもしれない。

 自分にはレイリアの行動が、そんな風に感じました。この不条理さ・・・レイリアの行動はこの作品にすごく厚みを与えるものだと思います。

無数の記憶の断片が飛び散るようなラスト


 そして本当のラストシーン。すごく印象的でしたよね。

 象徴的なタンポポの綿毛。そして過剰なくらいの回想シーン!

 いきなり『孫』がでてきて時間を超えた感じと、タンポポの綿毛っていう世代をつなぐ象徴が交差する感じがすごく好きでした。
あとで見るとタンポポのシーンがたくさんある
象徴としての綿毛だと感じた
©PROJECT MAQUIA

 繋がっていく、繋がっていく・・・日々の記憶が繋がっていく。ラストシーンを見ながらそう感じました。

 無数のタンポポの種が舞う光景と、無数に繰り返される記憶の断片。これまで紡いできた糸が、涙とともにパラパラと解けるように感じました。

 正直、泣きながらも笑っちゃうくらいの過剰さでしたね。

 思うにあのシーンの過剰さって敢えてやってる気がするんですよね。(あのシーン見て『ニューシネマパラダイス』を思い出しちゃいました)

 本編では使われなかったシーンとかも沢山出てくるじゃないですか。描かれなかったけど、いろんな思い出がいっぱい、いっぱい、いっぱい・・・あるんだなぁって想像させる。

 この繰り返しで、記憶の断片の見えない部分まで、一本一本の糸まで感じるような人生の密度を感じる事ができた気がします。

 そして、つまりこれが『愛』だよなぁ・・・って思うんですよね。

この時代に『愛』を語る意味


 自分は男性だけど、男でも母性的な感覚を持ってる人は多いと思うんですよね。自分も割とそうだし、逆もあると思う。だから別に『女性なら共感できる作品』かどうかはわからないです。

 でもこの作品ってよく考えたら『親子愛』に絞ったテーマではない気がするんですよね。もっと広い意味での『愛』というか。
初見の印象では『親子愛』が強かったが
よく考えてみると親子に限らない愛を語っている気がした
©PROJECT MAQUIA

 見終わって一番に思ったのは『時代性を感じるなぁ・・・』って事でした。

 様々な価値観が変化していく中で、『愛』についても古い価値観が崩れてしまっている。そして変化する時には必ず歪みが生じるわけです。

 そんな中で苦しんだり、流されたり、諦めてしまう人たちがたくさんいるわけだけど、それでも『愛の本質』っていうのは変わらないわけですよね。

 だからこそ、ファンタジーという現実離れした舞台で描くことで、愛の本質的な部分を伝えようとする試みだった気がします。

それでも『説教くさく』ならない魅力


 別に岡田麿里さんが、明確な意図を持って活動しているとは思わないけど、やっぱり無意識だとしても『今語るべきものを書いている』という感じは強く感じました。

 ともすると説教くさくなりがちなテーマを、ギリギリのところで回避してるところがすごいなぁと思うんですよね。
マキアはエリアルを生かしたと同時にエリアルに生かされた。
マリアはすでにエリアルに守ってもらったと言える。
人を愛するという事は『生きる理由』になる。
©PROJECT MAQUIA

 単に『親子っていいでしょ?子供欲しくなったででしょ?』とか、まして『子供がいなけりゃ養子をとりましょう』なんて短絡的なメッセージを感じたら、すぐ興ざめじゃないですか(笑)

 自分には子供がいないのでそういうテーマには敏感ですが、この作品には嫌な感じが全然しませんでした。押し付けがましさがないんだなぁ。

 それはやっぱり『愛』の本質的な部分に集中しているからじゃないかな?と思うんですよね。

『あの花』『ここさけ』に感動しなかった人こそ。


 自分は岡田麿里さんの作品って、『あの花』『ここさけ』ぐらいで詳しいわけじゃないです。名作の『とらドラ!』『true tears』なんかもまだ未見だし。(『花咲くいろは』はちょと合わなくて脱落したけど)

 ただ、『ここさけ』は超絶ファンと言いたいくらいに好きです。『さよ朝』も相当泣きましたけどね(笑)『ここさけ』より好きか?と問われれば、正直『ここさけ』の方が好きです。

 でも、好きとか嫌いを超えた何かが伝わった作品でしたね。初監督作品だから・・・とか技術的なことで評価するのは憚られるような不思議な感じ。それは監督の訴えかけるような『何か』を感じた作品だからかな。

 そんな時、ぬーぼー(@yasusuke0325)さんのツイートを見てビックリしました!


 え、なんと!そっか・・・もしや、岡田麿里さんは、同じ人が感動する作品を繰り返し作るのではなく、作品ごとに『感動させる層』を書き分けてるんじゃないか?

 共感するポイントをずらしながら作れるから、ピンポイントで強烈に号泣する作品になる。『ここさけ』と全く同じだ・・・!

 『ここさけ』も駄作という人は少ないんだけど、一部の『強烈なファン』と『まあ普通』という感じにはっきりと分かれる作品でした。

 自分の勘違いかもしれないけど・・・そんな芸当が出来るとすると・・・ホント岡田麿里さんという人の才能に恐怖を感じる作品でした(笑)


 感想を書いてる時にけいどら(@kei_dora)さんから的確なツイートが。全くその通りです!どうやったらそんな風に書き分けられるのか想像もつかないですが・・・。

 とにかく、今の時代に見る事ができて良かったと思う作品でした!

『さよならの朝に約束の花をかざろう』公式サイト
http://sayoasa.jp

オリジナルアニメ作品/115分
監督/脚本:岡田麿里/制作:P.A.WORKS
関連 映画 心が叫びたがってるんだ。 感想 :あの花にイマイチ感動できなかった人に勧めたい恋愛の名作 - アニメとスピーカーと‥
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