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2017年に見たアニメ映画25本:感想総まとめ!

 2017年に見た劇場版アニメは25作品(のべ40回)。これでも見逃しちゃったの結構あるんですよね〜嬉しい悲鳴ですけど。去年に比べると今年は小粒って言われますが良い作品がいっぱいありましたよね。

 時間がなくて感想アップできなかった作品も含めて、ここで総まとめしてみました。基本ネタバレはない短評です。気が向いたらリンク先の詳しい感想も読んでくれると嬉しいです。

 今回もあえてランキングにはしていません。でも『鑑賞回数』を書いているのでハマった作品はわかりますね(笑)でもやむを得ず1回だけの作品もあるので回数少なくても傑作はあります。(追記:やっぱりベスト10を選出してみました。文末にまとめてあります)

 順番は公開が新しい順です。(シリーズ物は初回公開日で揃えています)

作品リスト - 公開順】(リンク付き)
関連記事 2015年に見たアニメ映画 感想 総まとめ!- こちらは一昨年の記事です。去年(2016年)はまとめてません ^^;
それでは2017年のアニメ映画感想 25作品総まとめです!

ガールズ&パンツァー最終章 第1話

映画とTVのいいとこ取り。今後が楽しみな第1作目!

 面白くてホッとしましたよ(笑)あの歴史的大傑作の劇場版のあとじゃないですか。『6分割で劇場公開』と発表された時は、オイオイいくらなんでも調子に乗りすぎでしょ・・・と心配したくらい。

 50分弱とTV2話程度の長さなので、どうかな?と思ったのですが充実してましたね。もちろん劇場版とは違いますが、丁寧に作られていて今後の展開が期待できる内容でした。

 TVっぽさもあるんだけど各パートにたっぷり時間をかけられるので見ごたえがありますね。TVシリーズと劇場版のいいところ取りのような構成でした。
2話ごとに4DX版としてまとめて上映予定
TVとも単独映画とも違う構成が期待出来る1話だった
© GIRLS und PANZER Finale Projekt
当ブログの画像引用について

 それにしても、廃校を免れた後はどうするの?という心配なんて軽々と乗り越えてくれて笑いました。こういうガルパンらしい軽さが好きです。

 この理由で最後まで行くのか?それとも予想外の展開になるのか・・・最終章などと大仰なタイトルなので何があってもおかしくないよなぁ・・・って思いますがどうでしょう。

 1・2作をまとめて4DX版として公開されるそうなので、そちらも無茶苦茶楽しみです!
関連記事 ガールズ&パンツァー 劇場版 感想 (通常版):ブラボー!と叫びたくなる傑作映画 - 前作 劇場版の感想です。
関連記事 4DX ガルパン劇場版 感想:この猛烈な楽しさは4DXのキラーコンテンツだ! - 4DX版の感想です。

KUBO/クボ 二本の弦の秘密

国際的評価も納得の超絶映像。でも字幕で見れば良かったかも。

 人形をコマ撮りするストップモーション作品。もっと前知識つけてから見れば良かったなぁ。あまりによく動くのでCGなのかと勘違いしてしまいました。凄まじい物量の投入された映像は一見の価値ありですね。

コマ撮りと知っていても目を疑う激しい動き!
鑑賞前にメイキング動画を見れば良かったと後悔。
(C)2016 Two String,LLC/© GAGA Corporation

 ただ『日本を舞台』っていう宣伝に影響されちゃって、細かな違和感が気になってしまいました。アメリカ人監督によるアジアのイメージくらいに考えたほうが楽しめたかも。

 見たのは吹き替え版でしたが、字幕版の方が逆に違和感少ないかもしれませんね。
関連記事 映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』 感想:精巧すぎる映像で日本文化とは何かを考えさせられた - アニメとスピーカーと‥

GODZILLA -怪獣惑星-

SF作品として素直に楽しめた!虚淵脚本 爆発の1作目。

 これ3部作だって知らなくって・・・初日に見たらびっくりしちゃいましたよ。ずるいなぁ(笑)

 虚淵玄さんの脚本ということで『いつ展開するか?』ってみてたら『そういうことかぁ!』って・・・・やられました(笑)
 制作はポリゴンピクチュアズ。
キャラの顔が他の作品とかぶるんじゃ?と心配していたが杞憂だった。
 ©2017 TOHO CO., LTD.

 賛否両論あるみたいですが、自分は素直に面白かったですね。90分のスピード感のある構成。細かな説明はないのに全然意味不明にならないんですよ。そこは何気にすごいなと思いました。

 上映後に小さな子供が『すっごい面白かった!』って興奮してお父さんに言ってました(笑)子供でもわかるように自然に省略されている。でも決して子供騙しじゃないんですよね。

 興味をそそるSF設定の数々が大人も楽しめる深さを感じます。特に異星人の設定が良かったな。『地球に来る異星人』の固定観念を破る感じ。この辺はもっと掘り下げて知りたいですね。
攻撃シーンは重力や遠心力をしっかり感じられる動きで良かった。
『GODZILLA 怪獣惑星』予告より 
 ©2017 TOHO CO., LTD.

 ゴジラファンからは厳しい意見もあるようですけどね。自分はゴジラへのこだわりは少ないようで、SF作品として素直に楽しめました次回作への伏線が随所に散りばめられて凄く楽しみです。

 むしろ劇場版『亜人』三部作のように、終了後にTVシリーズとして改めて放映して欲しいくらいですね。省略されたサイドストーリーも凄く見たいです!

公式サイト:http://godzilla-anime.com

ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~(3回)

日常系の魅力がわかった!本当に気持ちのいい作品。

 この作品は良かったなぁ・・・3回見てしまいましたね。しかも3回とも泣いてしまうというね(笑)近くの上映ならもっと見たかったな。

 TVシリーズは実は挫折しちゃったんですが、この劇場版(OVA)でごちうさの魅力を理解できた気がします。のみならず『日常系アニメの魅力』自体を深く理解させてくれた作品でした。
正統派の日常系作品であると同時に難易度も高いごちうさ。
劇場版は自分にもその魅力を気づかせてくれた。
©Koi・芳文社/ご注文は製作委員会ですか??

 昨年の『きんいろモザイク Pretty Days』は日常系の入門として先に見られたのは本当に良かったです。ごちうさ自体がやや上級者向けの作品だと思うので、良い流れで見られたと感謝したいですね。
関連記事 映画『ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~』 感想:種田梨沙さんおかえりなさい!と思ったら泣いちゃったよ。 - 詳しい感想はこちら。
関連記事 映画 きんいろモザイク Pretty Days 感想:幸せをくれる甘いファンタジー - 昨年のきんモザの感想。

劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~ (4回)

今年一番の驚き!感動で動けなかった・・・完璧な劇場版

 これは今年一番驚いた作品ですね。本当に素晴らしかったです。

 『TV版2期を振り返った総集編』なんていう触れ込みだったので、『ユーフォ』ファンとしては一応見に行くかぁ・・・って感じで見たらびっくり仰天!!
ダイジェストではなく再構成された新版と言いたい作品。
焦点を絞ってTV版とは違った魅力を引き出している。
Ⓒ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会

 もう驚きと感動で涙が止まらない・・・衝撃で劇場出た後も座り込んでしまいました。総集編を4回も見に行くことになるとは思いませんでしたね。

 とにかく『大変なことが起きた!』って(笑)この時の驚きと興奮をブログにぶつけたのを今もよく覚えています。
関連記事 劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~ 感想:2期の総集編?これは新作と合わせた加筆完全版だ! - 詳しい感想はこちら。
関連記事 劇場版 響け!ユーフォニアム 感想:驚異の完成度 これは単なる総集編じゃない! - 1期総集編の感想です。

ユーリ!!! on ICE 4DX

ユーリファン向けのアトラクションですね!

 TVシリーズの『ユーリ!!! on ICE』12回を、そのまま4作×3回で4DX上映するという企画。映画といって良いか?は微妙ですが、全国の4DX劇場で上映されたので1作目のみ行ってみました。
最初に『ユーリ!!! on ICE』が流れるシーンが好きだった。
映像自体は通常版と全く同じです。

(C)はせつ町民会/ユーリ!!! on ICE 製作委員会

 ちょうど最近ユーリを見て気に入ったので、ファン向けのアトラクションとしては、かなり楽しめましたね。観客はやっぱり女性が多かったですが(笑)

 一番期待してた演技シーンの4DX効果はちょっと物足りなかったかな。でも演技が大画面で見られたのは良かったです。
関連記事 ーリ!!! on ICE 4DX 感想:ファン向け面白演出満載のvol.1 演技シーンはもっと望みたい!- くわしい感想はこちら。

ノーゲーム・ノーライフ ゼロ 通常版 & 4DX版(計2回)

脚本と演出がガッチリかみ合った、見事なクライマックス!

 TVシリーズの前日譚的な作品ですが、凄く評価が高かったですね。TVシリーズ未見でも問題無し!という評判を聞いて鑑賞。

 確かにストーリーも追えたし良かったんだけど・・・やっぱり『TVシリーズ全く知らない状態』だとね。ちゃんと理解できてない気がして・・・歯がゆい感じ。
高評価だったがTVシリーズ未見だったので迷っていた。
TVシリーズ未見でもストーリー自体は理解出来る。
©榎宮祐・株式会社KADOKAWA刊/ノーゲーム・ノーライフ ゼロ製作委員会

 早速、TVシリーズ12話を一気見して、改めて4DX版でリベンジ!

 2度目ということもあるけど、すんなり世界に入り込むことができて、クライマックスは涙ボロボロ(笑)初見の時も感動したけど2度目はさらにやばかったですね。

 脚本と演出の歯車がガッチリ完璧に合っている感じ!ラストにかけての演出が見事でした。(花田十輝 脚本はもともと好みなんだけど)
このキャラデザインは慣れないと難易度が高かった。
TVシリーズを見るとすごく馴染めるようになる。
映画『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』 PV 第3弾より
©榎宮祐・株式会社KADOKAWA刊/ノーゲーム・ノーライフ ゼロ製作委員会

 確かにストーリー自体はTV版から独立した作品なんだけど、ノゲノラの『ノリ』や『世界』を理解してないと、うまく入り込めない気がします。そういう意味でもTVシリーズを最初の方だけでも見たほうが良いですね。楽しい作品ですしね。

 ちなみに劇場版見た後にTV版見ると下ネタの多さにビビりましたね。シリアスな劇場版でなぜか下ネタがチラチラ入る理由がわかりました(笑)ちなみに4DX版は灰の降る効果が印象的でしたね。

公式サイト:http://ngnl.jp

劇場版 生徒会役員共

映画化した勇気を賞賛したい(笑)ストレートな下ネタを映画館で!

 まさか劇場版になるとはね・・・いやはや発表された時は耳を疑いました。どう来るかと思いきや、変に手を加えずテレビシリーズのイメージのまま。良くも悪くもストレートでしたね。

 オープニングがTV版と同じ曲だったのは好きだから良かったけど、映像は劇場版オリジナルのものにして欲しかったかな。
TVだと冒頭から笑えるけど、映画館だと最初は引く(笑)
でもだんだんと笑いが起こってきて・・・爆笑へ。
「劇場版 生徒会役員共」本予告より
© 氏家ト全・講談社/桜才学園生徒会視聴覚室
© King Record.Co.,Ltd. All Rights Reserved.

 でも、ほぼ満員の映画館で下ネタ全開で笑わせるって、よく考えるとすごいチャレンジングですね。序盤はさすがに空気が固くて笑えないんですよね、みんな同じファンだってわかってるんですけどね。不思議なもんです。

 でも、温まってきた後半はどぎついネタでも会場が沸いてました(笑)

 それにしてもこの作品、音響のこだわりがすごい!音質も良いし、サラウンドもリアル。近くの人が喋ってるのかと何度も勘違いするほどリアルな音響で、なんでそんなにこだわってんだ・・・って、逆に笑えるほどでした。

公式サイト:http://king-cr.jp/special/seitokai_G/

機動戦士ガンダム THE ORIGIN V 激突 ルウム会戦

おっさん向けの渋い演出。前半だけど満足度高かったよ!

 ジ・オリジン5作目にしてルウム編の前編。ルウム会戦の緒戦までなので『物足りない』という声も聞こえましたが、自分としてはかなり満足度は高かったですね。
ファーストガンダムでは珍しい大規模な艦隊戦
モビルスーツ戦が少なくても見所は多かった。
(C)SOTSU・SUNRISE

 ルウム会戦へ至るまでのブリティッシュ作戦(コロニー落とし)や人物描写も見ごたえありました。もちろん良いところで終わるんだけど、見終わった後の熱い感じは良かったです。

 後編となる第6話『誕生 赤い彗星』は2018年5月5日公開です。楽しみですね!
関連記事 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN V 激突 ルウム会戦』 感想:渋い演出と迫力の艦隊戦!ガンダムらしいクライマックス- くわしい感想はこちら。

きみの声をとどけたい

誰もが賞賛する今年一番のダークホース!

 この作品はダークホース的な話題になりましたね。自分もまさかここまで良い作品だとは思いませんでした。大傑作・・・というと語弊があるんですが、見て良かったなぁと素直に思える作品
平面的な独特のキャラデザイン
『文科省推薦』的なイメージで期待せず見たが・・・
(C)2017「きみの声をとどけたい」製作委員会

 説教くさい作品は苦手なんですが、なぜかこの作品では素直になれてしまう(笑)隣の人も泣いていましたが、良い歳したおっさんでも綺麗な涙を流せる作品でしたね。

 もう一回くらい見たかったんですが・・・残念ながら行けなかった。見た人は総じて高評価なのですが、なかなか魅力が広まらず早めに終わったのが残念な作品ですね。
関連記事 映画『きみの声をとどけたい』感想:普通にむっちゃ良い映画ですね! - くわしい感想はこちら!

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(3回)

初見で困惑、2度目で感動、3度目で絶賛!

 今年一番の話題作であり、賛否両論・議論百出の作品。絶賛派と完全否定派の落差がここまで大きい作品も珍しい気がしますね。

 そんな自分も初見では斬新すぎて困惑・・・でも決して不快じゃなくて、すっごく気になる作品で・・・結局3回見ました。
なずなの瞳の演出も見所の一つ。
予告やPVが素晴らしすぎて初見では拍子抜け感もあったが
2度目以降は斬新な演出を素直に楽しめた。
(C)2017「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作委員会

 2度目にはむちゃくちゃ感動してしまい『絶賛』に評価を変更(笑)今ではとても好きな作品です。

 沢山の解釈を受け入れる懐の深さがある作品で、絶賛派のなかでも解釈は様々・・・みんなの解釈を読むのも楽しかったな。

 ただ、『君の名は。』的な作品を期待した人は、当然ながら厳しかったようで、上映直後は散々な評価が目につきましたね。ただ時間が経つにつれて高評価の人が多くなったのが印象的でした。

 プレッシャーのなか、ここまで妥協なく攻めた監督には尊敬しかないです。もう一回くらい見たかった・・・。

 ブログでは初見の戸惑いと、2度目以降の驚き、そして多くのコメントを頂いて様々な解釈を知ることができました。
関連記事 『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』感想&考察:一般向け?実は斬新で深く考えさせられる作品だった! - くわしい感想はこちら!

メアリと魔女の花

映像クオリティーは高いけど自分には評価が難しい・・・

 ジブリスタッフの再集結として話題になりましたが、米林監督の作風は自分には合わないのかな・・・確かにクオリティは高いしエンターテイメント性もあるんですけどね。
映像は文句なく美しいと思うが・・・
「メアリと魔女の花」予告3より
©2017 「メアリと魔女の花」製作委員会

 導入部の映像は素晴らしかったし、踏み込んだメッセージ性もあって意欲的な作品・・・ではあるんだけど、どうにも相性が合わない感じで。自分としては評価が難しい作品でした。

 メアリ役の杉咲花さんや科学者の小日向さんの演技も馴染めなかったんですよね。どうも俳優さんの顔がダブってしまって米林監督の作風に馴染める方には良評価なようで、好みの分かれる作品ですね。

公式サイト:http://www.maryflower.jp

劇場版『艦これ』4DX版

2度目の鑑賞でわかった劇場版『艦これ』の凄さ!

 この作品はかなり衝撃的で・・・長文の感想を書いたのですが、まとまらずにまだお蔵入りしてます(泣)

 通常版の公開は2016年11月なのですが、4DX版が2017年公開でした。内容は同じなので実質2度目の鑑賞なのですが、これがビックリ・・・すごい感銘を受けてしまったんですよね。
初見の通常版では難解でピンとこなかった。
この作品のテーマは『死者への悼み』だと思う。
『劇場版 艦これ』本予告よ
(C)2016 「劇場版 艦これ」連合艦隊司令部

 初見では理解できなかったのですが『単なるキャラ萌えアニメで終わらせない』という監督の思いを感じました。戦争や死というものにちゃんと向き合った作品だと思います。

 でも、あんまり評価されていないようで残念・・・。

 生き残った者が『死』をどう受け入れるか。帰ってきてほしい、忘れないでほしいという想いを『艦これ』を通して表現していた気がします。
 
 散々な評価をされてしまったTVシリーズも、実は戦争に対して真摯な態度で考えていたんじゃないか?って感じました。やっぱりお蔵入りした感想をもう一度書いてみようかな・・・(笑)

 ちなみに4DXの効果はガルパンには及びませんがかなり良かったです。艦娘の疾走感がよく出ていましたね。4DXとしてみる価値も高い作品でした。

 でも、それ以上に2回みて『艦これ』をちゃんと理解できる機会になったのが良かったですね。もし4DX版がなければ『艦これ』を誤解したままだったかもしれません。

公式サイト:http://kancolle-anime.jp

劇場版『魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』

満足度は高いんだけど・・・お兄様強すぎ(笑)

 予告編も良かったしTV版も好きだったので鑑賞。TV版の直接の続編ではないので、原作未読の人はキツイのでは?という意見もあったけど、自分は大丈夫でした。

 予告編公式ページをチェックしてればストーリーを追うのには問題なかったですね。ただ、お兄様が強すぎて(笑)TVシリーズのようなカタルシス感が物足りなかったかな?
『さすおに』感は健在なんだけど・・・
もはや劣等生度はゼロなのでTVシリーズとは感じが違う。
©2016 佐島 勤/劇場版魔法科高校製作委員会

 作品全体としてはそんなに不満はないし、ファンムービーとしても楽しめたんですけどね。ちょっと期待しすぎはあったかも。

 もう一回くらいは見てもいいかなぁと思ったんですが・・・・行けずじまいで。次期TVシリーズがあれば、間の話が補完されるので期待したいところですね。
関連記事 劇場版『魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』の感想:満足度は高いけど『魔法科』の魅力ってなんだっけ? - くわしい感想はこちら!

BLAME!(2回)

世界に誇りたい本格SFエンターテイメント!

 血湧き肉躍るようなワクワク感・・・期待を裏切らない面白さでした!

 弐瓶作品は難解という評判ですが、難解さを保ちつつもエンターテイメントとして両立させた演出は見事でしたね。
セルルック3DCGでの萌え表現も見事!
大スクリーンにも映える映像
(C)弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

 『感動で泣く』とかじゃないけど素晴らしい作品。こういう純粋にワクワクするSF映画が日本から生まれるのは嬉しい限りです。セルルックアニメの進化も見所ですね。
関連記事 映画『BLAME!』感想:超ワクワクできるSFエンターテイメント! - くわしい感想はこちら!

夜明け告げるルーのうた(2回)

見逃さないで本当に良かった!音楽と映像のコラボに感動。

 食わず嫌いで見逃してたら後悔してただろうなぁ・・・こんなに楽しい作品だとは思わなかったです。映画館で観られて良かった〜!

 冒頭から一気に引き込まれて本当に痺れるオープニング。音楽と映像の合わせ方が最高!とにかく気持ち良いんですよね。
正直、見ようかどうか迷ったくらい期待してなかった。
開始10分で先入観をぶち壊された時の高揚感を思い出す。
©2017ルー製作委員会

 予告見てたら、どうしても『ポニョ』を連想しちゃって。正直ポニョはちょっと苦手だったのでね・・・でもこんなに心に響く作品だなんて想像もしてませんでしたね。

 共同脚本に吉田玲子さんが入ってるのですが、『やさしさ』が溢れるような素晴らしい構成。笑いながら涙が止まらなかったです

 終了近くでの鑑賞だったので滑り込みで2回目を鑑賞。もう1回くらいは見ても良かったな。
関連記事 映画『夜明け告げるルーのうた』感想:こんなに楽しい作品だと思わなかった・・・。 - くわしい感想はこちら!

結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-
 第1章「ともだち」 第2章「たましい」 第3章「やくそく」

TVシリーズ未見なのに感涙・・・改めて見直したい作品。

 いわゆる『新日常系』の代表的作品。前日譚ということもありますが、TVシリーズ未見の人にも配慮した構成でストーリー自体は一応理解できますね。

 TV版は2012年の放映当時に録画してたのですが結局未見で・・・でも結構気になる作品でした。(当時は『まどか☆マギカ』があまりに好きすぎて、それを連想させる作品は無意識に見るのを避けてた気がします)

 今回、上映前にTV版を見ようと思ったらディスクが行方不明で(泣)未見のまま映画を鑑賞。でもやっぱりTV版を見た方が良いですね。
多少設定は知っている程度のレベルで鑑賞。
結末を知らないので衝撃は大きかった。
ショートムービーの方は理解が難しかったけど。
©2017 Project 2H/特報より

 ストーリーは理解できるんだけど、やっぱりTVシリーズを見た後の方が何倍も感動できただろうなぁ・・・いろんなところに後の伏線みたいなのあるもんね。

 なんといっても圧巻は第3章「やくそく」のラストね・・・未見でもこんなに感動したんだからTV版見てたら凄かっただろうなぁ。ホント、あそこの花澤香菜さんのセリフが感動的でした。

 テーマ曲の「やくそく」も素晴らしかったですよね。この曲は自分にとって『今年のベストアニソン』の一つになりました。

  今期のTV版『鷲尾須美の章』は改めて1期を見てから鑑賞したいですね。

公式サイト:http://yuyuyu.tv/washio/special/movie.php

劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール

単体でも楽しめるエンターテイメント!

  TVシリーズは見てないのですが、予告編が魅力的だったんですよね。主題歌のLiSA『Catch the Moment』がすごくカッコよくて映画見る前からハマってました

 TVシリーズは未見でもストーリーも全然問題なく追えたし面白かったですね。ファンムービーを超えて単体の作品として完成されてました
TV版未見でも楽しめるけど
二人の関係を知ってたら一層楽しかったかな?
©2016 川原 礫/KADOKAWA
アスキー・メディアワークス刊/SAO MOVIE Project

 ただ、見終わってみると他の方のレビューが超大絶賛でびっくりしました。確かに面白かったけどこんなに高い評価か・・・とちょっと温度差感じました(笑)この辺は好みの差ですかね。

 映像やストーリーのクオリティーも高くて、エンターテイメントとして満足できる作品でした。でもTV版を見てキャラへの思い入れが多かったら、さらに楽しめたかな?

 あと『Catch the Moment』の使われかたは予告編の方が好きだったな。

公式サイト:http://sao-movie.net

夜は短し歩けよ乙女

素晴らしい色彩と仰天の展開に圧倒 

 見終わった後、圧倒されて興奮状態でしたね・・・期待通りのキレイな色彩もすごかったんだけど、話の構成もすごいんですよね!まったく予想外の展開でした。

 『四畳半神話体系』みたいのを期待して見に行ったので、後半からはひっくり返りそうになりました(笑)

 万人向けではないけど・・・自分はとっても好きな作品。感動はないけど、感激して涙が出てきてしまいました
予告編では予想できない超展開に驚いた。
『夜は短し歩けよ乙女』 90秒予告より
(C)森見登美彦・KADOKAWA/ナカメの会

 本当に盛りだくさんで、現実と非現実の境目が曖昧になって、どんどんおかしな方向に突き進んでいく感じ。序盤では想像がつかない展開がすごく楽しかったなぁ。特に学祭のあたりは最高でした。

 花澤香菜さんの演技も(ファン贔屓ということを差し引いても)本当に良かったです。最初は『四畳半』のイメージがあるので、かなり違和感あったんですけどね。

 黒髪の乙女感がすっごく良く出てるというか、花澤香菜らしさを残しつつも、四畳半の理系女キャラとの違いを明確に感じました

 あと、ロバートさん。最初に発表された時は正直『え〜芸能人枠?』って感じだったんですよ。ホント謝らなくっちゃいけないですね・・・すごく良かったです!

 予告で期待してた色彩の美しさにも圧倒。どのシーンも絵になりますね。そしてアジカンのエンディング!すごく良かった。なんだか分からないけど涙出ました(笑)

 万人向けとは言いにくいですが、自分はかなり満足度の高い作品でした。

公式サイト:http://kurokaminootome.com

ひるね姫 ~知らないワタシの物語~

予告編で騙された(笑)愛すべきオッサン賛歌!

 これも予告編で騙されましたね・・・これはもう、紛れもなく『おっさん讃歌』ですよね。誤解を恐れずに言えばですけど。

 もちろん若い人が見ても面白いと思いますよ。良く練られた複雑なストーリー展開だから、逆に小さい子供には難しいかな?
この全く萌えない主人公『ココネ』
普通の高校生の物語と思いきや・・・実は!
映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』本予告より
©2017ひるね姫製作委員会

 でもね、なんといってもエンディング曲の『デイ・ドリーム・ビリーバー』ですよ。この作品のテーマがここに収斂されていくんですよね。これが本当に見事!

 見る前は『この曲を流せばそりゃ泣けるわ・・・』って安直な感じもしましたが、いやぁなかなか、ちゃんとこの曲の芯を捉えた作品でしたね。

 映画自体は冒険活劇的な大風呂敷を広げてくれる楽しい作品ですが、すべてのストーリーがこの歌詞に収斂されて終わるエンディングは見事。

 歌詞を直球で表現されるとベタで引いちゃうけど、こういう変化球で表現されるとヤラれたって感じ。これも本編見ないと理解できないってのがイイですね。

 でもこのジーンとする感覚は若い人には伝わるかな?大学生くらいならわかるだろうけど、やっぱり30〜50代のおっさんにこそ伝わるんじゃないかな。

 大事なパートナー、一緒に歩んでくれる人がいる人には、特に響くものがあると思います。

 はっきり言って自分は、家族の絆とか、あざといハートフルは苦手で・・・でもこの作品はあんまりそういう嫌味を感じなかったですね。

 萌えないキャラや、ファンタジー色で、自分向けじゃないと敬遠するのはもったいない作品。細かい所では『企業のCMみたい』とか思う所もありましたが(笑)見て良かった作品ですね。

公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/hirunehime/

虐殺器官

未来を予言するような重量級の社会派SF

 伊藤計劃のアニメ化3部作の中では、この『虐殺器官』が一番好きですね。ハードな社会派SFという感じですが、人類という種族の『業』までもテーマにしているような深さを感じます。
主人公のクラヴィス・シェパード
イケメンの戦闘シーンだけじゃないとても深い作品。
(C)PROJECT ITOH/GENOCIDAL ORGAN

 途中冗長に感じるところもあったけど、鑑賞後の充実感はかなり高いです。複雑な話にもかかわらず疑問点が少ないのでスッキリ見終わります。他の2作品は鑑賞後のモヤモヤが結構ありましたからね。

 虐殺器官の後世界を描いたのが『ハーモニー』だとコメントで知りましたが、それを聞いてゾクゾクしましたね。原作も読んでみたいと思う作品でした。

 ちなみに映画はひとりで来てる女性が結構多くてビックリしましたね。声優ファンかもしれませんが『屍者の帝国』みたいな女性受けする作品かと思ったら、すごいハードな内容でいい意味で裏切られました。
関連記事 映画 虐殺器官 感想:やっと伊藤計劃の凄さがわかった! - くわしい感想はこちら!

『君の名は。』IMAX版

アニメの可能性を感じる価値あるIMAX版

 こちらも通常版は2016年公開ですが、IMAX版は今年公開でした。

 4DXと違ってただスクリーンがデカイだけ・・・?じゃないんですよね。いやぁこれは良かったです。IMAX用に再調整が行われているだけあって空気感まで感じるような素晴らしい映像
高精細で上下方向の長さを感じるIMAX
このような映像では素晴らしい効果を感じる。
(C)2016「君の名は。」製作委員会

 割増料金を支払う価値がありましたね。2DアニメとIMAXというのはここまで合うんだという可能性を体験できました。もちろん本編の素晴らしさあってのことですけどね。

関連記事 『『君の名は。』IMAX版の感想:空気感を感じる映像に2Dアニメの潜在力を体験できた』IMAXのスクリーンって本当にデカイね。- くわしい感想はこちら!
関連記事 『君の名は。』感想:こんなすごい映画作るなんて本当に新海さんは大したものですね。- 通常版の初見感想です。

傷物語 III 冷血篇(6回)

本当に素晴らしい・・・6回見ても飽きなかったよ

 初回の感想では『もう一度見たくなる』なんて書きましたが結局6回見ちゃいましたね。今年最高の鑑賞回数はこの作品でした。

 初見の感想を今読むと『動揺しすぎだろ!』って我ながら恥ずかしいところですね(笑)6回見て『やっぱりこの作品好きだな・・・』ってしみじみ思いました。
初見の衝撃が覚めても魅力は増すばかり
羽川ファンである事を割り引いても素晴らしい作品
© 西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト

 感動して涙が止まらない・・・とかいう作品じゃないんですけどね。なんかこうジワジワ侵食されるような・・・切なさで胸がいっぱいになるような作品

 鑑賞後のあの気持ちを感じたくて何度も見に行った気がします。エンディングのフランス語の歌が本当に心地よいんですよね。

 1作目の頃はフランス語を多用することに違和感もありましたが、今となっては素晴らしい演出だと感じます。あの気怠い感覚はこれをおいて他にない演出ですね。

 最終日のムービックスさいたま。平日の難しい時間にもかかわらず50人近くのお客さんがいました。ああ、みんなわかってるんだなぁって嬉しくなりましたね。

 人によってかなり評価が分かれる作品でしたが確実にハマってる人たちがいる!

 2016年からの傑作アニメ映画ラッシュのなかで、話題としては埋もれがちでしたが、自分にとって他に難い魅力のあるとてもとても素敵な作品でした。
関連記事 傷物語 III 冷血篇 感想:羽川さん視点の超偏った感想です♪ - くわしい感想はこちら!

最後に



 読んでいただきありがとうございました!コメントあればお気軽にどうぞ。

 それにしても、もっと見た直後にちゃんと投稿しておけば良かったなぁ。『夜は短し』とか『ひるね姫』とか下書きで終わってたので・・・もったいない。来年はもっとアップしたいですね

 (追記)やっぱり自分もベスト10を作ってみたくなったので選んでみました!下に追記したのでご笑覧ください!

2017年 個人的アニメ映画ベスト10 発表!


 今回は『2017 アニメ映画ベスト10』を選出してみました!技術的なことは置いておいて、あくまで個人的に好きな順位ですね。『オススメ順位』じゃなくて100%自分の趣味なので誤解なきよう(笑)

 選出基準は『何回見たいか?』です(笑)実際に見た回数をベースにしていますが、僅差の場合は『あと一本追加で見るならどちらを見るか?』で決めました。

 10位までぜんぶ好きな作品、できれば何度も見たいと思った作品です!(カッコ数字は実際の鑑賞回数・リンクはページ内の説明に飛びます)

1位:傷物語 III 冷血篇 (6)
  (本当に素晴らしい・・・6回見ても飽きなかったよ)
2位:劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~  (4)
  (今年一番の驚き!感動で動けなかった・・・完璧な劇場版)
3位:打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? (3)
  (初見で困惑、2度目で感動、3度目で絶賛)
4位:ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~ (3)
  (日常系の魅力がわかった!本当に気持ちのいい作品)
5位:夜明け告げるルーのうた (2)
  (見逃さないで本当に良かった!音楽と映像のコラボに感動)
6位:きみの声をとどけたい (1)
  (誰もが賞賛する今年一番のダークホース)
7位:BLAME! (2)
  (世界に誇りたい本格SFエンターテイメント)
8位:夜は短し歩けよ乙女 (1)
  (素晴らしい色彩と仰天の展開に圧倒)
9位:ノーゲーム・ノーライフ ゼロ 通常版&4DX版 (2)
  (脚本と演出がガッチリかみ合った、見事なクライマックス)
10位:ひるね姫 ~知らないワタシの物語~ (1)
  (予告編で騙された(笑)愛すべきオッサン賛歌)

 いかがだったでしょうか(笑)ちなみにガルパン最終章GODZILLAも良かったんですが、次作が出てから改めて見たい!という感じだったので入りませんでした。評価が低いってわけじゃないですよ!

reade more... Résuméabuiyad

映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』 感想:精巧すぎる映像で日本文化とは何かを考えさせられた

KUBO/クボ 二本の弦の秘密』(吹き替え版)を映画館で見てきました。陰鬱な難しい作品かと思ったらとてもわかりやすい冒険活劇作品でしたね。

 人形を使ったストップモーションアニメということですが、もう信じられないくらい生き生きとした動き!そして表情!最新技術を使っているとはいえ、あまりに美しくて実物をコマ撮りしているとは思えません。これは一見の価値ありですね。


KUBO/クボ 二本の弦の秘密 予告編
鑑賞前にこちらのメイキング映像も見ることを強くお勧めします

 ただ『日本を舞台に』を全面に出していますが、自分には非常にアメリカ的に感じたんですよね。ディズニーの新作と言われてもわからないかな?

 監督の日本文化への愛情は感じますが、あくまでアメリカ人視点なので、その部分については最後まで違和感が残りました。

 吹き替え版なので特にそう感じたのかな?あまり日本を意識しないで見た方がいいかも。自分は違和感から逆に日本人らしさとは何か?と考えてしまいました。

ネタバレの無いレビューですが未見の方はご注意ください。

タイトルは知ってはいたけど・・・


 映画の日ということもありますが、公開3週目で半分以上席が埋まる盛況ぶり!評判の良さが噂になって客足も伸びているようです。

 2016年のゴールデングローブ賞アニメ部門にノミネートされるなど、高い評価の作品なのでタイトルくらいは知ってました。あの時は『君の名は。』がノミネートを逃したので特に記憶に残っているんですよね。

主人公のクボ君。三味線が得意。
見る前は音楽の物語かと思ってたら・・・違ってた(笑)
KUBO/クボ 二本の弦の秘密 予告編より画像引用
当ブログの画像引用について
(C)2016 Two String,LLC/© GAGA Corporation

 ただあまりキャラの絵柄に惹かれなかったし、あらすじもなんだか陰鬱な感じで積極的に見たいなぁという感じじゃなかったですね。

まあ評判になってるし、どんなものか見てみようかな・・・という感じで見にいきました。(せっかく近くの映画館でやってたので)

驚異のクオリティ!ストップモーションアニメ


 一応ストップモーション作品だってことは知ってはいたんです。人形を少しずつ動かして撮影するやつですよね?

 でも本当に?って感じで・・・今でも信じられないんですよ(笑)3DCGじゃないの?って。

この海原も実物をコマ撮りしているそうですが、
はっきり言って信じられないくらいリアル。
(C)2016 Two String,LLC/© GAGA Corporation

 信じられないほどの精巧さ、生き生きとした動きと表情。大波などの背景描写まで実物を使って撮影しているというのは、見ていても本当に信じられないくらい。『目を疑う』とはこのことですね。未だに本当に?って思ってる(笑)

 そのくらい最新の3Dアニメーションに見えるんですよね。メイキング映像があるのですが、鑑賞前に見ておけば良かった・・・と後悔しています(笑)

 上映中はずっと『やっぱりコレCGだよね?』って思ってたので。(VFX(視覚効果)はしているそうですが)

あまりに精巧すぎてCGと見分けがつかない皮肉 


 これだけ綺麗なストップモーションアニメだと、本当によくできた3Dアニメとの違いがわからなくなりますね。

 ディズニーピクサーの作品はあまりにリアルで本当に人形が動いているように見えるじゃないですか。逆にKUBOは人形とは思えないほど豊かな表情や動きでCGのように見えてしまう
最新の3Dプリンタで表情の一部を多数製作
なめらかなアニメーションを実現している
(C)2016 Two String,LLC/© GAGA Corporation

 両方が高いレベルに達しすぎると観客は『言われなきゃわからない』これって結構悩ましいというか皮肉な感じがしますね。

 現実の人形を使った作品は、むしろ一目でわかるくらいのクオリティーの方が、味わいが出るんじゃないか?って思いました。

リアルになりすぎると実在感が薄れる不思議


 例えば、クレイアニメ版のピングーですよね。今はNHKで3D版を放映していますが、古いクレイアニメ版も素朴さが良いですよね。一目で粘土をコマ撮りしていることがわかるので大変さが一目瞭然。でも可愛さは全く劣っていませんし、モノとしての実在感があります。

 また、2016年に日本で放映された『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 』これは、台湾の人形劇を虚淵玄さんが日本アニメの文脈で再構築した作品。特撮やCGによる演出と合わせてかなり意欲的な作品でしたね。

見るからに人形劇な『Thunderbolt Fantasy 』
だが動きや角度で表情を表現できていて感情移入してしまう。
カット割りや構図の工夫で躍動感を表現している。
劇場版『Thunderbolt Fantasy 生死一劍 予告編』より
©Thunderbolt Fantasy Project

 一見すると素朴な人形劇ですが、よく見ると動きや表情に伝統的な技の素晴らしさがあり見応えがありました。動きはKUBOとは比べものにならないシンプルさですが、見ていると不思議と感情豊かに見えてくるんですよね。これは日本の文楽(人形浄瑠璃)と通ずる技だなぁと感心したものです。

 それに比べるとKUBOはあまりにもリアル。最新の3Dプリンタとコンピュータによる支援でありえないような美しい動きを実現しています。でも、だからこそ『実物としての存在感』が薄まっているように感じてしまいました。難しいですね。

 ちなみにストップモーション作品だと『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(米1993年)が好きだったなぁ。(予告編はこちら

あくまでアメリカ映画として日本を描いている


 映像の凄さに対して、どうしてもこの作品で馴染めなかった部分。それは日本の描きかたなんですよね。ナイト監督は日本で過ごした幼少期の驚きを作品に込めたと聞きます。

 実際KUBOからは日本文化に対するリスペクト感はすごく伝わってくるんですよね。でもだからこそ感じる『強い違和感』が最後まで消えることがありませんでした。とはいえ細かいところなんですけどね。

 例えば、登場人物のほどんどが『つり目』で描かれていること。そして、役者のセリフや芝居がいかにもアメリカ的なこと。衣装や舞台は日本風を再現しているけど中身はアメリカ人という感じが拭えませんでした。

字幕版なら外国映画として素直に見られたかもしれない。
吹き替え版ではアメリカ的演技に強い違和感を感じてしまった。
アジア系アメリカ人が日本人の演技をしているように見える。
(C)2016 Two String,LLC/© GAGA

 書いてしまうと細かい話なんですが、精巧だからこそ細かい違和感が強く感じてしまうんですよね。町の愛情あふれる親子の演技、子を思う母の演技、いたるところで感じるディズニー的な演技が『アメリカ的価値観』を主張しているようでした。

ナイト監督を通した日本の描きかた


 だからダメってわけじゃないんですよ。この作品はあくまでアメリカ人監督によるアメリカ人に向けた作品というのが大前提なんだと思うんです。だからディズニー作品を見るのと同じスタンスで見るべきなんだろうなと。

 たとえばナイト監督の発言では、尊敬している宮崎 駿 監督についてこのように言っています。
宮崎は自身が魅了されるヨーロッパ的なものを統合して、自分のアートの中に織り込んでいる。(中略)宮崎がヨーロッパに対して行ったことを、僕は日本に対してやってみたかったんだ。(中略)僕なりの解釈を表現したかったんだよ。
KUBO公式ページ PRODUCTION NOTESより引用 © GAGA Corporation.

 宮崎駿さんがヨーロッパを舞台にしながら日本人に向けて作品を作ったように、まさにKUBOで描かれた日本は、アメリカ人であるナイト監督のフィルターを通した日本であるということですよね。

 それって逆に言えば宮崎作品を見た欧米人は違和感を感じないのか?って興味にもなるのですが・・・どうなんでしょうね。

欧米人に受け入れやすい形に変えた『日本』


 『侘び寂び』についても表現していると監督は言っていて、確かにそう感じる部分はあるんですよね。ただこれも、やっぱり外国人視点の日本文化、フランスでいう『Zen(禅)』と同じじゃないかなと思うんですよね。

 フランスのZenはすっかりフランス文化に取り込まれて独特の意味合いになっているそうですが、ナイト監督における『侘び』や『寂び』も監督自身が再解釈した『Wabi-Sabi』なのかもしれない。

逆にこのような非現実的なシーンは気にならなかった。
まさに監督のイメージする日本という感じで面白い。
(C)2016 Two String,LLC/© GAGA Corporation

 本来の意味はわかりにくいので、監督が噛み砕いて、誰にでも理解できる普遍的な価値観として提示している。だから『日本人以外の人』にはとても理解しやすいんでしょうね。

 『つり目』なのだって『顔立ちも日本人風にしなきゃ観客はわからない』と欧米人にとっての理解しやすさが優先されているのかもしれない。愛情表現の仕方だってアメリカ人が見ると何の違和感もない演技でしょうしね。

色々と考えさせられた作品


 今回吹き替え版を見たのですが、英語でしゃべってくれる字幕版だったらもう少し違和感が減ったかもしれないですね。なまじ日本語だから違和感強かったのかも。字幕版の予告を見たら雰囲気違いました。

 あ、ピエール瀧さんの演技は割と良かったですよ。ただ先日『アウトレイジ 最終章』を見たばかりだったので、どうしてもヤクザ役のピエール瀧さんが思い浮かんじゃいましたが(笑)

 KUBOはゴールデングローブ賞にノミネートされるのも当然の作品だなぁ・・・と思うと同時に、海外の人には『君の名は。』も併せて見てもらって、生の『日本人や文化』を知ってもらいたいな・・・なんて思いました。

 ディズニー作品が好きな人には素直に楽しめる作品かもしれませんね。自分はちょっと苦手なんですけどね。だから元々合わないのかも(笑)

 ただ、日本人や日本文化を別の視点から考えるきっかけになったし、精巧すぎるストップモーション作品の問題など、色々と新たな視点が得られる作品でした。


【参考リンク】
なぜ“日本”を舞台に選んだのか? 話題のアニメ大作『KUBO/クボ』監督が語る(ぴあ映画生活):ナイト監督の個人的な想いが語られたインタビュー。

KUBO/クボ 二本の弦の秘密』は全日本人が必見の大傑作!その素晴らしさを本気で語る!(シネマズ BY 松竹):KUBOを大絶賛なさっている映画ライターのヒタナカさん。私と反対に吹き替え版をオススメしているので参考に。

KUBO/クボ 二本の弦の秘密 公式サイト
http://gaga.ne.jp/kubo/

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映画『ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~』 感想:種田梨沙さんおかえりなさい!と思ったら泣いちゃったよ。

ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~ 』を映画館で見てきました!日常系のスタイルを維持したまま、ちゃんと1時間の物語を展開しててビックリ。でもラストではちょっと泣いちゃいました(笑)

ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~
予告/『公開直前ぴょんぴょんPV』より画像引用
当ブログの画像引用について
©Koi・芳文社/ご注文は製作委員会ですか??

 日常系に癒されるだけでなく、終わってみれば劇場版らしい満足感も得られる作品。映画館で見る事ができて本当に良かったです。(一応OVA扱いみたいですが)

【追記】2回目を見てきました!もう予想以上に最高ですね(笑)自分が『ごちうさ』が苦手だったとは思えないくらいです。見た後はエネルギーが充填される感じですね。(やっぱりラストでは涙でちゃましたが)本当に良い作品でした。

※後半に若干ネタバレのあるレビューですのでご注意ください。

予告からすごく良かった主題歌!


 予告の時から大注目だった主題歌『セカイがカフェになっちゃった!』これ良いですよね。最初に聴いた時に一遍で大好きな曲になりました。

 だからオープニングでさらっと流されたらショック!だよなぁ・・・と心配してたんですよね。OPが始まって違う曲だったので、その時点で『よっしゃぁ!』って感じでした(笑)もちろんOPもすごく良かったですけどね。

思わせぶりな編集が本当に楽しいPV&予告
主題歌の良さを楽しむにはこの『公開直前ぴょんぴょんPV』
劇場版予告は鑑賞後も一層楽しめる気がします。

 主題歌はエンディングでたっぷりフルコーラス!これは本当に嬉しかったです。自分好みの『本編に被せてくる演出』ではないものの絵付きのエンディングはやっぱり良いですよね。

ちょっと苦手だった『ごちうさ』の日常系


 1年前に公開された劇場版『きんモザ』の感想でも書いたのですが、実のところ『ご注文はうさぎですか?』は日常系アニメとしてはちょっと苦手な作品だったりします。

 きんモザと比べてもさらに抽象度の上がった(個人的にはさらにハイレベルな)日常系作品。時代も場所もよくわからない謎の舞台設定。日常度をどこまでも上げていった結果、舞台が非日常になってしまうという究極的な理想世界ですよね。
現代日本だと思うんだけど設定が和洋折衷でわからない。
でもそこは理想の日常系を実現するための舞台
©Koi・芳文社/ご注文は製作委員会ですか??

 そこで繰り広げられるドラマ性を排したストーリー。他の日常系に比べてもギャグ要素が薄めな事もあって面白さが理解できないでいたんですよね。だから2期もちゃんと見れていませんでした。

それでも気になる作品だった『ごちうさ』


 でも気になる作品だったのは間違いないんですよね。1期OP曲の『Daydream café』は本当に好きで今でもアニソン有数の名曲だと思います。

 それに絵もすごく好きでした。キャラの女性的な可愛らしさは他の日常系作品と比べても際立っている気がしますね。

キャラの魅力、美しさは他の作品と比べても独特
TV版は話についていけなくてもすごく魅かれる作品だった。
©Koi・芳文社/ご注文は製作委員会ですか??

 そんな状態で見たあの素晴らしい予告編!きんモザの映画が良かった事もあったけど、もう曲だけもで聴きたい!って気分で見に行きました。

 初日とはいえMOVIXさいたまの2番目の大部屋が満席になるのは壮観ですね。さすがすごい人気。予約が遅れてセンター席が取れませんでしたが、熱気とお祭り感が楽しかったです。

※次の章から若干ネタバレがあります。


日常系で長編を作るむずかしさ


 予告編ではいかにもドラマっぽい感じでしたね。なにか起こりそうな・・・まあ、どう考えても引っ掛けでしょ?って思いましたが(笑)

予告・PVの『いかにも』な編集はすごく面白い。
特にPVでこのシーンの入れ方はミステリーっぽくて秀逸な編集
©Koi・芳文社/ご注文は製作委員会ですか??

 ただ、昨年の劇場版『きんモザ』では多少日常度を下げて、万人向けに見やすい作品に仕上げていたんですよね。

 でも、あれはあれで、すごく良かったんですけどね。自分みたいに日常すぎるのは苦手って人にもなじみやすい作品になってました。

 そもそも日常系で長編って作るの難しそうですよね。四コマ的な構成だとさすがに厳しそうなわけで。

 だから『ごちうさ』はどういう構成にするのかな?って。まさか予告通りのシリアス展開はないだろうとは思いましたが(笑)

日常系を維持したままでの展開に驚き


 そしたら、1時間『ひとつのストーリー』にまとめながらも、ちゃんと日常系に収まってるんですよね。『きんモザ』よりさらに日常度が濃い印象でした。

 葛藤やドラマッチックな展開を極力排しながらも、ちゃんと1時間のストーリーとして展開させているのに驚きました。

時折見せるドラマチックなシーンも
違和感なく日常系の文脈に織り込んでいる
©Koi・芳文社/ご注文は製作委員会ですか??

 それでも平板にならず、『~Dear My Sister~』のサブタイトルの通り、チノを軸にココアとリゼの思いがちゃんと描かれている。コアな日常系ファンからすれば違うかもしれないけど、自分には『日常系の長編作品』として成立させたすごい脚本だったなぁと感動しました。

 でも『感動』といえば、もう、これを言わないわけにはいきません!

※次の章に超絶ネタバレがあります。未見の方は 最終章へジャンプ


種田梨沙さんおかえりなさい!


 何と言っても、あの、エンディング前のラストシーンですよ!

 日常系なんだから本来は『泣く』とかはないのに・・・あのセリフ。チノちゃんの『ちゃんと言えてなかった』からの『おかえりなさい』!!!

チノの最後のセリフにどんな意味が込められたのか。
真相はわからないけど自分は猛烈に感動しました。
©Koi・芳文社/ご注文は製作委員会ですか??

 もうあれは、どうしたって種田梨沙さんの事を思い出しちゃいましたよね。もちろんリゼに言ってるわけじゃないんだけど、でもね、やっぱりね。

 え?チノちゃん何言うのかな?って思ったら『おかえりなさい』だもんね。しかも、そこですぐにエンディングに転じた演出が最高でした。

 これイントロがサビのメロディーなんですよね(笑)これ最高!もうここで感極まっちゃって・・・『種田梨沙さんおかえりなさい!』って思ったら涙出ちゃいましたよ。

 ここまでずっと日常系が維持されてたのに『この一瞬だけ』すごい衝撃。劇場版らしい最高のエンディングでした。

『ごちうさ』が楽しめる嬉しさ。


 なんかようやく『ご注文はうさぎですか?』がちゃんと楽しめた気がします(笑)

 元々の『ごちうさファン』の人からすれば『それ違うから!』って言われそうだけどね(笑)でも劇場版ってすごく良いきっかけになりますね。(一応OVA扱いみたいですけど)

 個人的な話ですが、『まどか☆マギカ』から深夜アニメ見はじめて6年。当時は日常系作品の良さがわからなかったんですよね。特に(自分の中では)一番ハードル高かった『ごちうさ』を楽しめるようになったのは感慨深かったりします。

 劇場版として公開してくれて感謝したいですし、なんといっても種田梨沙さんの末長い活躍を祈りたいですね!(個人的に種田さんは『境界の彼方』でファンになりました)

ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~  公式サイト
http://www.gochiusa.com/ova/

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アマチュア弦楽合奏団 加須アンサンブル・リーベ 第22回コンサートの感想

 いきなりローカルな話題で恐縮ですが、アマチュア弦楽合奏団『加須アンサンブル・リーベ』の演奏会に行ってきました。埼玉北東部の加須市を拠点とする24名の弦楽器とピアノの楽団だそうです。

当日のパンフレットより
引用 (C)加須アンサンブル・リーベ

 吹奏楽団は珍しくありませんが、弦楽器が中心のアマチュア楽団は珍しいですね。ちいさなアンサンブルの発表会かと思ったらマンドリンの客演や、バロックの協奏曲もある本格的なコンサートでした。すごく良かったです。


コンマスの弾き振りによる指揮者なしの演奏


 この楽団はなんと指揮者を置かずにコンサートマスターが『弾き振り』をするとの事!(※コンマス:普通は第一バイオリンのパートリーダー)

 弾き振りなんて『のだめカンタービレ』の千秋先輩がやってたのを知ってるくらいで(笑)実際に見るのは初めてでした。数名のアンサンブルならともかく20名以上の規模の合奏ですから不思議な感じです。


24名と中規模なアマチュア楽団
この規模で『弾き振り』の演奏をする
公式ホームページより画像引用
 (C)加須アンサンブル・リーベ

 コンマスは千秋先輩には似てないけどシュッとした格好良い雰囲気の方。『弾き振り』といっても最初の合図以外は目立った動きはないんですね。

 自分はいちおう吹奏楽部の経験がありますが、指揮者がいなくても一応演奏はできるものの、緊張するとテンポが速くなりがちなんですよね。

アマチュア楽団ならではの工夫した構成


 大丈夫かな?と、正直ヒヤヒヤしながら見ていましたが、うまいなぁと思ったのがオープニング曲として『情熱大陸』を入れている所。

 この曲は楽団のテーマ曲との事ですが、慣れた曲を最初に演奏する事で楽団の準備運動になってる感じでした。

オープニング曲に楽団テーマ曲
序盤は映画音楽などで調子を上げていく構成
(C)加須アンサンブル・リーベ/解説(Vc)K.N

 そのあと映画音楽を前半に入れつつ、後半に難しい曲を持ってくる構成で楽団全体の調子を上げていく感じでしたね。アマチュア楽団らしい工夫なのかもしれません。

 休憩なしの95分で11曲+3曲を一気に演奏するのも調子を折らないという点で良いのかもしれませんね。

弦楽ならではの楽しさを出した演奏


OP曲:情熱大陸
1:タンゴ『プレパレンス』
2:『美女と野獣』
3:『パイレーツ・オブ・カリビアン』
4:『新世紀エヴァンゲリオン』

 前半の映画音楽は上品な弦の演奏でとても良かったですね。映画音楽というと吹奏楽でも馴染みがあるけど、弦楽でのアレンジも十分迫力ありました。

 自分は部活でコントラバスの経験があるものの、吹奏楽ではチューバに音をかき消された悲しい思い出(笑)弦楽だと2本のコントラバスの存在感がしっかりあって感動です。

 今回リクエストに応えて入れたというアニメ楽曲。『響け!ユーフォニアム』からの選曲だと嬉しかったですが、さすがにそれはなくて『新世紀エヴァンゲリオン』のテーマでした。懐かしいですね。40代向けですね(笑)

 まあ、この曲については管や打楽器も欲しくなる感じでしたかね。弦だけだとちょっと上品すぎたかも。でも迫力出そうと頑張っている感じが伝わってきました。

オリジナル編曲や加古隆の曲が良かった


5:歌劇『タイス』間奏曲
6:『宇宙戦艦ヤマト』(ミステリー)
7:『黄昏のワルツ』

 6曲目は『宇宙戦艦ヤマト』でしたが、途中を『ビオラ4重奏』に変えるというオリジナル編曲が面白かったですね。ビオラによるメロディーが新鮮だったし、ビオラって思ったより低い音域なんだと実感出来ました。

 7曲目の加古隆の『黄昏のワルツ』はすごく良かったです。ピアノと弦楽という構成にすごく合っている曲だったし一般向けにもわかりやすいですよね。元々加古隆の作品が好きなんですが生演奏で聴けて本当に良かったです。

興味深いマンドリン客演


8:『レクイエム』
9:『太陽がいっぱい』
10:『2つのマンドリンのための協奏曲』第1楽章
11:『2つのヴァイオリンのための協奏曲』第1楽章

 後半はモーツァルトを挟んでマンドリンを客演に迎えての演奏。マンドリンはギターの先祖みたいな古い楽器ですが、現在もマンドリン楽団とかあるので音は聞いた事はありました。

 でも今回マンドリン2本での演奏という事で非常に面白かったですね。9曲目の『太陽がいっぱい』ではマンドリン2本によるトレモロ奏法。10曲目のヴィバルディでは通常の奏法と違いが興味深かったですね

終盤にバロックの協奏曲
司会はチェロの奏者がMCとなって解説していた。
(C)加須アンサンブル・リーベ/解説(Vc)K.N

 バロック時代では通常奏法が多かったそうですが、チェンバロによく似た音なんですね。チェンバロと違って音の強弱が明確にできるのですが、音自体はやっぱり小さいので伴奏とのバランスが難しそうな感じ。

 それと比べると現代のバイオリンの音量のすごさがよくわかりますね。それにしてもマンドリン協奏曲なんて滅多に聴ける機会がないので本当に良かったです。

バロック音楽を聞ける貴重な場


 プログラムの最後はJ.Sバッハの『2つのヴァイオリンのための協奏曲より第一楽章』です。ソロはコンマスと2ndバイオリンの方による演奏でした。コンマスの安定感はすごいですが、2ndの方も難しい演奏にチャレンジなさってて感動しました。

 この曲もなかなか生演奏で聴ける機会はないですから良かったです。そもそもバロック音楽を近場で聴けるのは本当に貴重ですね。都心まで行けば度々やってますが関東とはいえ結構負担大きいですからね。

 吹奏楽も良いですけど、弦楽器の音は独特の味わいがありますからやっぱり良いですよね。でも管楽器と違って弦の音ってホールの後ろの方だと正直言って『ショボイ』んですよね。プロの楽団でもその点は同じです。

 大ホールの場合は前寄りの席でないとフラストレーションが溜まります。でも高額なチケットはそうそう買えないわけで。

S席相当の良席で聴ける楽しさ!


 こういうアマチュア楽団の無料コンサートでは、観客が慣れていないせいか遠慮しているのか、中央の席から埋まっていくんですよね。S席相当の前方席は最後に埋まるという(笑)もちろん喜んで前方席で観賞しました。

 当然ながら『プロ楽団と同様のレベル』で評価してはいけませんが、弦楽の音を間近で楽しめただけでも本当にありがたい事ですよね。

 良いオーディオ機器で聴く演奏も良いですが、弦楽器が目の前で鳴っている力強さというのはオーディオで聴く楽しさとは、また違った良さがあります。

 音程が完璧で失敗もないプロの演奏はもちろん素晴らしいですが、気軽に聴けるアマチュア楽団の演奏も十分価値のあるものだと思います。

聴きに行きたいアマチュア楽団


 それにしてもアマチュア楽団って本当にすごいですよね。部活やプロのように強制力がある団体ならともかく、個々の演奏レベルも生活状態もバラバラな団員をまとめて一定レベルの演奏をする事の大変さ。想像するだけで苦労が偲ばれます

 アンコール最後の『エーデルワイス』の合唱は楽団員に向けた感謝の気持ちを込めて歌いました。加須市民ではないので知らなかったのですが、こんな楽団があるならまた次回も聴きに行きたいですね

弦楽合奏団 加須アンサンブル・リーベ 公式サイト
https://ensemble-liebe.jimdo.com

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2017夏アニメ(7-9月)感想:短評 総まとめ

 今回(2017年夏期)からテレビアニメの感想は季節ごとに一つのページにまとめる事にしました。最終回まで完走した作品は短評を追記していく予定です。

 基本的に重要なネタバレあらすじは無いレビューになっていますが未見の方はご注意ください。個人の評価です。異論反論はコメント欄へどうぞ。作品を追加したらTwitterで報告します。良かったらチェックしててください♪

異世界食堂

突飛な設定だけど良い雰囲気で楽しく見られた不思議な作品。

 10分アニメかと思ったら30分のフルサイズ番組でビックリ。個人的にファンタジー物が苦手なので正直『序盤で飽きそうだなぁ・・・』って気がしたんですよね。でも雰囲気に慣れてくると淡々とした感じが逆に良くって楽しみになりました。

 異世界の住人が次々と迷い込んでくる不思議な食堂。誰もがその食事に魅了されて虜になる・・・っていうのは、まあ面白いんですが、出てくるメニューが日本の食堂のメニューなのが、なんとも違和感のある組み合わせ。でもそこが面白いんですよね。

ひょんな事から給仕になったアレッタ
最初は彼女が中心のストーリーになるかと思っていた。
©犬塚惇平・主婦の友社/「異世界食堂」製作委員会

 ある意味、今流行りの『日本アゲ』的な番組を異世界モノでやった感じですかね。『納豆スパ』とか外国人なら拒絶されるだろうけど(自分もダメだけど)異世界の住人なら大丈夫な設定にできるのが新しい感じかな?

 序盤で脱落せずに引っ張ってくれたのは、上坂すみれさん演じる『給仕のアレッタの魅力』もありますが、それ以上にエンディング曲の『ちいさなひとつぶ』の良さですね。安野希世乃さんの歌声と水彩風の止め絵がすごくキレイでEDを見るのが楽しみな作品でした。

異世界食堂 公式ページ
http://isekai-shokudo.com/

THE REFLECTION(ザ・リフレクション)

地味だけど絵はキレイで意欲的。ただラストは唐突感があったかな。

 ちょっと難解でついていけない感がありましたが、なんとなく最後まで見ちゃいましたね。アメコミ風の絵の面白さと、謎を追う感じのストーリー構成が良かったかな。あとエンディング映像は美しくて好きでした。

 スパイダーマンの『スタン・リー』が原作に参加と鳴り物入りの作品で、さすがNHKだけあって質は高い気がしますね

 線が太く影のないアメコミ風デザインですが、渋い色彩が好きでした。キャラごとにテーマ色を入れてくるのも面白いですが、暗いシーンが多くてTVでは見にくかったのが残念。

色彩が素晴らしくイラストとして絵になる映像
萌えとは無縁だが、渋い配色が好き。
(C)スタン・リー,長濵博史/THE REFLECTION製作委員会

 激しい動きも結構あって良く動いているんですが、なぜか物足りないんですよね。構成の問題なのでしょうか?淡々としているように感じてしまいます。

 話自体は割とシンプルなのですが、序盤で情報が少ないので意味不明な感じが強かったのがね・・・映画ならいいですがTV作品だと辛いですよね。

 謎があるのは良いんだけど、回ごとのカタルシスがないとね。継続意欲の維持が難しいです。その辺は日米共同原作の難しさでしょうか?

 あと、序盤に出た日本の女子高生が全然出てこなくて、ラストで急に絡んでくる感じがかなり唐突感ありましたね(笑)結構良いキャラだったのでもったいない。もっとたくさん絡む構成にしてもらいたかったな。

 でも女子高生が関西弁だって事が伏線になっているようで面白かったです。(関西のノリがないとあの展開はないと思うので)おかげで最終回ではおもわず『なんでやねん』ってツイートしてしまいました。

 意欲的な企画だし、最後まで見たので魅力はある作品だと思いますが、日本のTVアニメの文脈で見ると厳しいかな?続編アリそうな感じでしたがどうなるでしょうか。

THE REFLECTION 公式サイト http://thereflection-anime.net

18if (エイティーン・イフ)

各話監督制が面白い意欲作。完結させなくても良かったのでは?

 これは相当実験的な作品でしたね。設定は統一しつつも、毎回監督を変えて作家性の強いエピソードを放映する形式は、昔のフジテレビの深夜ドラマ『if もしも』を連想させますね。

 自由で前衛的な演出なので初見では難解な印象でした。特にラスト3話でストーリー全体のまとめに入るのですがこれがかなり難解・・・というより相当無理がある印象でどう解釈すれば良いのかわからない。

 この作品は、無理にまとめずに『if もしも』のように全て自由に作らせる感じでよかったのではないでしょうか。

すごく切ないエピソード3話のヒロインと主人公
大半は各話完結の作家性の強い作品
全体の評価とは別に各話別個に評価したい作品
© mobcast inc./18if project

 ただ、各エピソードについては荒削りな感じもするけど、見直してみると味わい深いエピソードも多いですよね。『学生の卒業制作をプロが本気でやってみた』みたいな感じというか。

印象に残ったエピソード
興味のある人は公式動画の『18秒でよくわかる「18if」』を見ると全話を一気に紹介しているので面白いですよ。

3話:『病気の女子高生の話』シンプルな話だけど味わい深くて雰囲気が好きだなぁ。
4話:『ダイエットの話』話が重くなりすぎないのが良かった。加隈亜衣さんの声がすごく良いですね
5話:『フィギュアスケート選手の話』ラストがなかなか衝撃的。
6話:『陰陽師アニメおたくの話』いじめシーンは重いけどゲームの世界で生き生きとしている姿はすごく良い。急展開も良かった。
10話:『ブロガー少女の話』難解な演出で正直理解できないけど実験的で面白い。

 絶賛とは言えないけど応援したくなる作品でした。わかりやすく楽しむ作品ではないですが、形を変えてまたやってもらいたいですね。

18if公式サイト http://18if.jp

活劇 刀剣乱舞

女子向けかと思いきや意外と硬派な歴史アクションアニメ

 すごい面白い!ってほどでもないのですが(笑)結局13話まで見ちゃいましたね。Kalafinaの曲が良かったってのも大きいのですが、ラスト3話のクライマックスは五稜郭が好きな自分には面白かったです。

 いわゆる『歴女』向けのアニメかな?と思ったのですが、いかにも女子向けに振った内容ではなく、意外とちゃんとした『歴史アクション』になってたのが良かったかな。

 BLや逆ハーレム的なイケメン作品かと思ったらバトルがメインだったのは意外刀剣男士という『刀の生まれ変わり』が歴史の改ざんを防ぐために戦うというストーリー。でも設定がイマイチ飲み込めなくて公式ページ読んで理解しました(笑)

主人公の堀川国広。土方歳三 愛用の脇差が顕現した。
イケメン揃いだが男性にも楽しめる内容
(C)Nitroplus/DMM GAMES/活劇 刀剣乱舞製作委員会

 ちなみに2016年の『刀剣乱舞-花丸-』というアニメとは原作は同じですが、ストーリー上のつながりは無いそうです。この作品が2期ってわけじゃないんですね。

 本編の方は正直わからない事が多くて、敵の正体とか根本的な部分は謎・・・艦これ』と同じでゲーム原作アニメは細かい所にこだわらないほうがいいのかな?ちなみに公式ページのキャラ紹介を一読するのは必須な気がします。

 個人的にはもうちょっと踏み込んだダークさが欲しいかな。ラストの箱館戦争はいい雰囲気だったものの割とあっさりした印象でした。キャラは第一部隊の『三日月宗近』が好きでしたね。劇場版製作の発表がありましたが映画ではその辺も期待できるのかも。

活劇 刀剣乱舞 公式サイト
http://katsugeki-touken.com/chara/

賭ケグルイ

最初は引いたけどエンターテイメントとして楽しかったな

 クセが強い作品でしたね。でも最後まで楽しく見られました。ギャンブルがテーマという事で『カイジ』みたいな重たい作品をイメージしていましたが、意外と明るく狂った作品でしたね。

 序盤では気持ち悪さが目立って少し引き気味でしたけどね。構成自体は意外とオーソドックス。エンターテイメント重視でテンポ良く楽しめる作品でした。

 生徒会メンバーと対決するというわかりやすい構成でカタルシス感が気持ち良いですね。まあどうせ最後は勝つんでしょ?って思うんだけど(笑)飽きさせず楽しませるのが上手い。ゲームの内容をあまり理解できなくても楽しめますね。

ギャンブルの怖さというより
清楚な主人公夢子の狂った感じが楽しい作品だった
(PV2より画像引用)
©河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・「賭ケグルイ」製作委員会

 ストーリー以外でも主人公 夢子の狂った感じの演技が良かったですね。早見沙織さんの演技力になんかソワソワしちゃいます。エロチックな演出は悪くないけど奥さんと一緒に見てるとちょっと落ち着きませんでした(笑

 それにしても、アニメの生徒会って楽しそう(笑)仮面の副会長とかなんなんだよって・・・結局謎でしたね。

 最終話があっさりしているとの評もあるけれど、原作連載中なのを考えればいい感じの終わり方だと思いますね。クライマックスの会計『豆生田(まにゅうだ)』とのゲームは盛り上がったし、最後はいい意味であっさりした後味が良かったです。

 エンディングもシンプルだけど好きでした。最初はちょっと違和感あったけど見るたび良い感じになりますね。OPもグロテスクさが気になったけど、慣れるとトーンの低い色彩は美しく見応えありますね。

賭ケグルイ 公式サイト
http://kakegurui-anime.com/movie/

妖怪アパートの幽雅な日常(1クール)

どこに向かっているのか謎(笑)でも見てしまう『幕の内弁当』アニメ

 奥さんと二人で夕食を食べる時に、無難に流しておける『ごはん用アニメ枠』というのがあるんですが、今季はこの『妖アパ』と『魔法陣グルグル』『異世界食堂』がそれでしたね。

 この作品、正直言って方向性が謎で、よく言えば『幕の内弁当』的に色々入ってる作品。友情物語?ほのぼの系?・・・戦い、修行、料理、学園モノと・・・右行ったり左行ったり、このアニメどこ行くんだよ!って笑ってました。

右が主人公の稲葉夕士。親友の長谷(左)との絡みがメインと思いきや
とにかくたくさんのキャラクターが出てくる作品。(予告編より)
©香月日輪・深山和香・講談社/妖アパ住人組合

 でも、なんとなく見てしまうんですよね。よく言えば『先が読めない感じ』が面白いのかな?『次回が楽しみ!』って思ったことはないんだけど(笑)嫌味がないのでなんとなく見てしまう良さがありますね。何気に消化の早い作品でした。

 正直言うと本編よりEDの曲が好きで見てたのかも(笑)『日常識Broken down(作詞・作曲 - Q-MH)』サビがすごく好き。サビ部分の同級生ヒロイン貴子のアップも止め絵ですがいい感じでした。

 ちなみに、CMスポンサーに不動産賃貸の大和リビングが入っていて、すごいですね。大手がスポンサーだと安定して2クールやれるんでしょうか?

 お店とコラボしているそうなのですが、『妖アパ』知ってる人がどのくらいいるのか・・・まあ大和リビング(D-room)というのを初めて知ったのでCM効果はあったのでしょうけど。

 まあ2クールも引き続きなんとな〜く見てしまいそうです。

妖怪アパートの幽雅な日常 公式サイト
http://youapa-anime.jp/movie/

アホガール

飽きるかと思いきや、力技の演技力で最後まで魅せてくれた(笑)

 最初はバカにしてたけど、なかなか見応えありましたね。アホさだけで最後まで引っ張れるのがすごいよ。サブキャラのエピソードを交えて飽きさせず1クール引っ張ってくれました。

 原作1巻を読んだ時は『けっこう面白いな』って思ったけど、さすがにヒロインの花畑よしこがアホすぎて、これTVだと飽きるなぁ・・・って思ったんですよね。いくら15分アニメでもちょっと長いかも?って心配になりました。

花畑よしこと犬(公式ページより)
よしこのアホさ以外にサブキャラの活躍も楽しい
©ヒロユキ・講談社/アホガール製作委員会

 声優の悠木碧さんの熱演につられて見続けましたが、意外と飽きさせないんですよね。ワンパターンになりそうになると他のキャラで楽しませる構成が良い感じ。

 よしこの母よしえの悪辣っぷり風紀委員長とのバトルは本当に見応えありました。浪川大輔さん演じる『』の回はすごく良かったですね。犬の好演は感動です。

 ED曲の上坂すみれ踊れ!きゅーきょく哲学』 がすごく好きなんだけど、あの無理やりねじ込んでる感はなんなんでしょう(笑)公式ページですら紹介されていないようですが・・・何か事情があるのかな。最終回だけ一応エンディングっぽくて良かったです。

アホガール公式サイト
http://ahogirl.jp

プリンセス・プリンシパル

話題になるのは伊達じゃない!工夫が凝らされた構成に感動

 今期トップクラスの話題作でしたね。オリジナル作品という事で前評判こそありませんでしたが初回からTwitterでは絶賛の嵐!一緒に見ていた奥さんもすごく気に入ってファンになっていました。

 ただ『架空歴史のロンドンが舞台のスチームパンク』とか『ほどんどのキャラが外国人名』など、自分はかなり入りにくい作品でした。特に名前と顔の一致がむずかしくて。奥さんに教えてもらいながら見ていたくらい。

苦手なジャンルだったけど楽しめた。
躍動感のあるOP映像は良かったですね。(OP映像より)
© Princess Principal Project

 そんな自分ですら、キャラに見慣れてくると良さがわかります。各話がある程度完結していているので見やすいですし、味わい深いエピソードが多いですね。

 特にドロシーの父親の回は切ないですね。他にも委員長との再会エピソードもすごく好きでした。遊園地の回想シーンは素晴らしいです。短いエピソードで感動まで持っていくのがすごいですね。

ドロシーをはじめ各キャラのエピソードを描いて
見応えのあるシリーズになっていた。
© Princess Principal Project

 本作の特徴としてエピソードの時系列をシャッフルして放送するという演出がありますが、これがとても効果的に使われていましたね。明と暗のバランススピード感が良かったし、面白い謎解き効果がありました。

 初回がいきなり『case 13』 というのにとても驚かされますが、順番を変えるだけでなく、あえて間引くことで逆に『エピソードをしっかり書き上げることができる』という素晴らしいアイディアでした。

 魅力的なサブキャラに対して、主人公アンジェの魅力がイマイチ伝わってこないなぁと思っていたのですが、ラスト3話アンジェがすごく魅力的にみえるようになりました。これも演出の賜物でしょうか。

プリンセス・プリンシパル公式サイト
http://www.pripri-anime.jp

ようこそ実力至上主義の教室へ

プロローグとしてはすごく楽しめた。2期に期待!

 『よう実』っていう短縮形がすごく好きだったのですが、内容も結構好きでした。終わってみると酷評も多く聞こえましたけどね。

  自分としては割と好きな作品だったけどなぁ。大真面目に中二病展開やってくれてる感じで、最終回まで引っぱってくれる魅力はありました。

 特筆すべきは櫛田ちゃんの序盤のエピソードですね。あそこでかなり惹きつけられましたね。そのあと櫛田ちゃんを軸に話が進むかと思いきや、そうでもなかったのは残念。まあこの辺は原作未完という事で仕方ないですかね。(原作未読です)

アイドルキャラの櫛田桔梗
彼女が重要な役割・・・と思ったら(PVより)
© 衣笠彰梧・KADOKAWA刊/ようこそ実力至上主義の教室へ製作委員会

 他にも『所持ポイント』とかね。エンディングに各人のポイントが表示されていたのは斬新でしたが・・・劇中ではあまり注目されなくて『アレ?』って感じ

 そんな感じで『?』って思うことも多い作品でしたがネガティブな印象はないです。今期では大きな謎も解決されないだろうと思っていたし。

 その代わり個別の事件解決とか面白かったし普通に楽しみに見てましたね。堀北鈴音がツンデレ化する感じとか、佐倉愛里の片思いとかのハーレムラノベ展開も楽しく見られました。

 でも何気に気に入ってたのは主人公 綾小路の中二病的キャラかも。『無気力で冴えないキャラ』が『実はスゴイ奴』って典型的な展開なんだけど、やっぱり面白いんだよね。

無表情・無気力キャラの主人公
王道的な中二病展開がすごく良い
© 衣笠彰梧・KADOKAWA刊/ようこそ実力至上主義の教室へ製作委員会

目立ちたくないんだ』ってリアルで言ったらすごくイタイけど(笑)こういうの好き。まあ何か裏がありそうですけどね。その辺もちょっと楽しみだったな。

 そんな彼が難題を解決していくカタルシス感は楽しめました。ただ、1クールだとやっぱり短すぎて中途半端さは確かにありましたね。

 最終回も賛否両論って感じでしたね。自分としては不満はないんだけど、2期へのプロローグとして考えるとよくできていると思いました。これで2期がないと残念な作品になってしまうので、ぜひ続いて欲しいですね。

ようこそ実力至上主義の教室へ 公式サイト
http://you-zitsu.com

途中脱落作品

残念ながら視聴継続を断念した作品

・DIVE!! :2話まで。競技自体にちょっと興味沸かなかった。
・バチカン奇跡調査官 :3話まで。西洋物のせいか継続意欲がわかず。
・潔癖男子!青山くん :2話まで。奥さんは好きで最後まで楽しく見てました。
・RWBY :3話まで。正直良さがわからなくて・・・難解でした。
・ボールルームへようこそ :2話まで。絵柄と雰囲気が合わなかった。でもすごく評判良いので見直してみようかと密かに検討中(笑)
Fate/Apocrypha :1話まで。Fateはよくわからなくて・・・残念。

視聴中/視聴予定作品(2017/10/19現在)


てーきゅう[9期] (視聴完了)
終物語 (視聴完了)

天使の3P (視聴中)
異世界はスマートフォンとともに。 (視聴中)
はじめてのギャル (視聴中)
魔法陣グルグル (視聴中)
恋と嘘 (視聴中)
メイドインアビス (視聴中)
徒然チルドレン (視聴中)

ひなろじ~from Luck & Logic~[2期] (未見)
縁結びの妖狐ちゃん (未見)
戦姫絶唱シンフォギア[4期] (未見)
バトルガール ハイスクール (未見)
ナイツ&マジック (未見)
スカートの中はケダモノでした (未見)
最遊記RELOAD BLAST (未見)
捏造トラップ -NTR- (未見)
アクションヒロイン チアフルーツ (未見)
コンビニカレシ (未見)
将国のアルタイル (未見)
時間の支配者 (未見)
ひとりじめマイヒーロー (未見)
セントールの悩み (未見)
NEW GAME!![2期] (未見)
クリオネの灯り (未見)
ゲーマーズ! (未見)

以上/未記載タイトルは鑑賞予定なしです。

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