鑑賞後の後味がとっても良くて気持ち良く映画館を後にできる作品でしたね。後半はかなり笑ってしまって、なかなか幸せな気分にさせてもらいました。
「きんいろモザイク Pretty Days」CM(上映中)
KADOKAWAanime (公式配信)
©原悠衣・芳文社/きんいろモザイク Pretty Days製作委員会
映画と言っても新作スペシャルエピソードと題した49分の中編で値段も一律1,200円。ちょっと別用があったついでにサクッと見られる気軽さでした。
※以下軽いネタバレありのレビューですので未見の方はご注意ください。
意外と万人向けのエピソード・ゼロ?
きんモザの映画と聞いてどんな話にするつもりだろう・・・と思っていましたが、公開前の特報を見るとしっとりした雰囲気で、おお!なんか映画っぽい・・・と思ったんですけどね。
大宮 忍(右)をメインにした話かと思いきや 小路 綾(左)に焦点を当てたストーリー ©原悠衣・芳文社/きんいろモザイク Pretty Days製作委員会 特報/CMより画像引用 (当ブログの画像引用について) |
特報ではしのちゃんに何か起こるのかな・・・って雰囲気でしたよね。でも公式サイトみると完全にお祭りな感じでちょっと内容が想像つきませんでした。
蓋を開けてみればTVシリーズの続編というよりも『エピソード・ゼロ』的な物語で、TV版本編に詳しくない人でも全然OKな感じでしたね。日常系とはいえストーリーもしっかりあって、むしろTVシリーズよりわかりやすいくらいで万人向けになってた気がします。
現在休業中の種田梨沙さんが出演という事で注目してましたが、小路 綾ちゃん視点のエピソードとはいえほとんど主役級の出演でびっくりしましたね。
エンディングが無茶苦茶よかった
中盤までのちょっとしっとりした回想エピソードから、エンディングにかけてのコメディー連打でグッグッと盛り上げてくる感じが、短時間のTVではできないすごくいい構成でした。
綾ちゃんの衣装は最高に可愛かった 赤面シーンもたくさんあるしお芝居シーンも素晴らしい ©原悠衣・芳文社/きんいろモザイク Pretty Days製作委員会 |
プレゼントシーンとか演劇シーンはおもわず体震わせて笑ってしまったのですけど・・・両隣の人はあまり笑ってなかったのでアレッ?って感じでしたけど、個人的にはかなりツボにはまりました。
かなり笑ってしまいました・・・ ©原悠衣・芳文社/きんいろモザイク Pretty Days製作委員会 |
そこで盛り上がったまま突入するエンディングが最高でしたね。ED曲の『Starring!!』がすっごく気持ちの良い曲で、本当にもっと続いて欲しい・・・って感じでした。曲中にエピローグ挟み込んでくる演出もすごく良かったなぁ。
amazon MP3 (試聴あり)
日常系アニメへの偏見
正直言うと、日常系アニメは結構苦手なジャンルだったりするんですけどね。日常系って言ってもいろんな種類があってひとくくりにはできない訳ですけど。
特に萌え度の高い日常系っていうのは良い歳して見るのはちょっと抵抗があるわけで、食わず嫌いで見てない作品もまだ多いのですけどね。ようやく最近は偏見もなくなってきて素直な気持ちで見る事ができるようになりました。
見た中で好きだったのは『ゆゆ式』や『恋愛ラボ』ですかね。(恋愛ラボはラブコメかな?)個人的に日常系で合う合わないのポイントの一つは笑いどころが合うかどうかってのがありますね。
コメディ要素が強い日常系が好みかも(画像/amazon)
この二つは笑いどころもツボにはまってましたね。でも萌えって意味では実はそれほどでもなくて日常系コメディー作品として見てたのかな。
ちなみに入れなかった作品は『みなみけ』かな。4期しか見てないけど、びっくりするくらい理解できませんでしたね。1期から見れば違うんだろうか・・・。
日常すぎると入れなかったり・・・
萌えという点では『ご注文はうさぎですか?』ですかね。キャラやOPはすごく好きなんですけど、肝心の本編は日常すぎてあまり入れなかったんですよね・・・本編あまり見ないけど好きって感じ。
ごちうさはストーリーには入れなかったけど萌えという点では好きな作品
(画像/amazon)
その点『きんいろモザイク』は独特のコメディ感があって『ごちうさ』よりは入れる感じでした。とはいえ眠くなっちゃう回もあってファンかと言われると・・・怪しいのですが、なんといってもキャラの魅力は抜群ですよね。
今回の『きんいろモザイク Pretty Days』は自分のような純粋な日常系がちょっと苦手な人にも入りやすいストーリー展開でよかったです。
日常系萌えアニメの魅力とは
今となっては『萌えアニメ』って言葉自体がちょっと死語っぽくなってますけど、日常系アニメにおける萌えってある意味『キモ』というか、そこを楽しむための作品ですよね。
萌え要素ってのは今やジャンルを超えて広くあるわけですけど、その他のいろんな要素を取り払い、濁りを沈殿させて、透き通ったきれ〜な上澄みだけをすくって鑑賞するような、純粋な『萌え』を楽しむのが日常系作品じゃないか、というのが自分の認識なんですよね。
ある意味で、アニメ界における粋人というか数寄者向けの作品ですよね。一見子供向けのようでありながら、実は大人のファンに向けた作品なので、見慣れない人には『日曜の朝にやっている子供向けアニメ』とどう違うのかわからないですよね。
子供向けアニメが『未来ある幼い子供達に夢と希望を与える作品』だとすれば、大人向け日常アニメは『厳しい現実を生きる大人たちに癒しと生きる望みを与える作品』。
自分へのご褒美に甘いお菓子を食べるように、甘くて楽しい夢の時間を与えてくれるフィクションな訳です。
日常系萌えアニメはアニメファンにとって甘いファンタジー ©原悠衣・芳文社/きんいろモザイク Pretty Days製作委員会 |
きんモザ難民やごちうさ難民なんて言葉もあったように、厳しい現実を前にこれらの作品を必要とする人々が大勢いるわけですよね。だから日常系作品は現実を乗り越えるための究極のファンタジー。
非現実的だと批判するのは野暮なわけで『あんな女子高生はいない』なんてのは『ミッキーマウスはいない』と言っているのと同じくらいナンセンスなわけですよね。
そういう意味では『きんいろモザイク』は日常系萌えアニメとしてはまさに、保守本流の系譜を受け継ぐ作品なのかもしれません。
幸せな気分で帰れる作品
凄まじい名作が目白押しの2016年のアニメ映画界。本作はたしかに号泣もしないし考えさせる事もない、毒や痛みを抜いた、悪い人は誰一人いないフワフワした作品です。
でもこんな、ただただ(一部の人を)幸せな気分にしてくれるだけの作品が映画館で流れているような世の中は嫌いじゃないな・・・と思うんですよね。
まあ細かい事を言えば気になる所もなくはないけど、『きんいろモザイク Pretty Days』は秋の休日を鼻歌歌いながら映画館を後にしたくなるような素敵な作品に仕上がっていたと思います!
監督:天衝/副監督:名和宗則
脚本:高橋龍也
キャラクターデザイン・総作画監督:植田和幸
色彩設計:歌川律子・木村聡子
プロデュース:ジェンコ/アニメーション制作:Studio五組
公式サイト:http://www.kinmosa.com
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