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MacBook(Late2009)を東芝製ハイブリッドドライブ(SSHD)に換装したメリットとデメリット


 メインマシンに使っているMacBook(Late2009)の内蔵HDDをSSHD(ハイブリッドドライブ)に交換して1ヶ月ほど使用してみました。いやあ、交換作業はカンタン、費用対効果も高くて、かなり満足なパワーアップになりました。
いわゆる白ポリカのローコストMacBook
2.26GHz Core2Duo/5GB DDR3/256GB HDD/OSX 10.9.5

 古めのMacBookにSSHDを使用した感想と交換作業を含めたレビューです。

SSDとSSHD メリットとデメリットは?


 今ならSSDへの交換が主流ですよね。2015年現在、1万円ちょっとで256GBのSSDが購入できます。SSHDとSSD。どちらが良いか正直かなり悩みました。(ちなみに使っているMacBook(late2009)は内蔵HDD256GB/5GBメモリです)

  • SSDのメリット
    • 速度 すべてが速いが古いPCではフル活用は出来ない場合も。
    • 軽量 すごく軽い。
    • 低発熱 HDDほどは熱くならないらしい。
    • 対衝撃性 回転部分が無いのでノートPCには安心。
  • SSDのデメリット
    • 割高な容量 256GBで1万円〜。512GBクラスだと負担が重い。
    • 実質使用容量 ギリギリまで使うとパフォーマンスが落ちる。
    • 耐久性 余裕を持って使えば問題にならないらしいけど。

  • SSHDのメリット
    • 大容量が割安 容量比でSSDの価格の1/4、普通のHDDに数千円上乗せ。
  • SSHDのデメリット
    • 速度 未知数、たった8GBのSSDでどのくらいの性能?
    • HDDの欠点 発熱/対衝撃性などが心配
    • SSD部分の耐久性 小容量SSDの書換で劣化が心配

SSDではなくてSSHD(MQ02ABD100H)にした理由


●SSDは容量が少ない・・・

 SSDは100%フラッシュメモリで出来た記憶装置。RAMには及びませんがHDDよりは遥かに高速な読み取りが可能です。これまで64GBや128GBが主流でしたが、256GBもずいぶん安価になって来ましたね。

 安いSSDは速度が遅いものの古いPCなら十分すぎるスピードです。とはいえメインのPCで256GBの容量はちょっと物足りないのも事実・・・更に上の512GBクラスだと2万円オーバー。データのほとんどは音楽や画像などでスピードの必要性は無いですからね。ちょっと勿体ない気もします。

容量とスピードの二兎を追うと・・・SSHDかな

 SSHD(ハイブリッドHDD)というのはHDDに小容量のSSDを組み合わせた製品。iMacでいう所のFusionDriveですね。現在は第二世代としてSSDを内蔵して一つのディスクとして認識するものが主流です。何と言っても基本がHDDですので大容量でコストパフォーマンスに優れます。1TBでもHDDに比べて数千円高い程度。

 2.5インチSSHDでは東芝と米シーゲート社の製品がメジャーです。どちらも8GBのSSDを内蔵しています。たった8GBで効果あるの?と思いますが、シーゲートによると8GBのフラッシュメモリで充分SSDに近いパフォーマンスが得られるとの事。

仕事で使われるコンピューターが読み込むデータの総量は1日平均19.48GBだが、約10GB分は重複したものだという。そのため、ユニークなデータは9.59GBのみで、フラッシュメモリーは8GBあれば十分だそうだ。(スラドより引用/TechWeekEuropeの記事から)

 スペック上は東芝とシーゲートはは同じに見えます。ただSSHDは学習効果によるソフト制御がキモらしく、東芝の制御はかなり優れているという噂。使えば使うほど効率的になっていくようです。

(参考)東芝 SSHD (ソリッドステートハイブリッドドライブ)製品情報

(参考)東芝レビューVol.67 大容量化と高速なデータアクセス性能を両立させるハイブリッドドライブ(一般論文)(PDF)

 SSDの速度は魅力ですが、古いPCは内部バスの速度が追いつかずSSDの速度をフルに活用できる訳ではないようです。第一、折角交換するのに今と同じ256GBじゃつまらない・・・容量気にせず使いたいんですよね。もちろん外付けHDDを使っていますが、どちらに保存するとか・・・考えるのが面倒になっていました。

 それにSSDは2〜3割は空けて運用しないと性能が落ちると聞きます。そうなると実質容量はもっと少ない・・・。SSDの高速性も魅力ですが、内蔵ドライブとしては容量も性能のうち!速度アップと容量アップの二兎を追うという事でSSHD(東芝MQ02ABD100H)に決めました

あらゆる引っかかりが消滅!足かせが外れたような動作


 まずは交換後の感想から。一言で言えば『ストレスからの解放』です。

 とにかく今まで引っかかりのあった動作がスムーズになります。時間にしたら僅かなのですが、ちょっと待たされるような所。例えば、よく使うフォルダを開いた時のアイコン表示、最初の日本語入力とか、いわゆるキャッシュを利用していた部分が格段に速くなりました。

起動時の日本語入力でモタつきが解消

 ブラウザなどのよく使うアプリケーションも起動が速くなりました。今まではアイコンクリック後に初回は3〜5バウンドはしていましたが、1〜3バウンドで起動します。しかも起動した直後にすぐスムーズに使えるのがイイ。これまでは起動した直後は色々引っかかりが多く数秒待って使っていました。これが地味に快適性を向上しています。

 もちろんCPU自体が速くなった訳ではないですから爆速になったという訳ではありません。でもディスク性能という足かせから解き放たれ、本来の性能を引き出せた感じがします。

起動時間はほどほど・・・でもすぐに使える!


 意外だったのは起動時間。SSHDに対する当初のイメージではシステムファイルをSSD部に読み込むため起動時間が圧倒的に速くなると思っていました。しかし電源ONからログイン画面までは1〜3割程度のスピードアップ。まあ速くなりましたが劇的とも言えず、少しがっかりしたのは事実です。

  • 起動時間の比較
    • 標準HDD:90秒前後
    • SSHD換装:60秒〜80秒程度(幅がある)

 でも、実はそこからが速かった。ログインしたらあっという間に使えるようになります。これまではログインしてからデスクトップ画面が出ても、しばらく色々読み込んでいてスムーズに使える様になりませんでした。なんだかんだ1分程度は放置して落ち着いてから使い始めるのが通例になっていました。

ログイン画面までは10%〜30%の高速化
でもログイン後の処理は劇的な高速化を体感できた

 SSHDでは、デスクトップ画面がでたら自動起動アプリもすぐに起動完了します。直後にブラウザを立ち上げてブックマークメニューを出してもモタつきません。検索窓から最初に日本語入力するときにも待たされる事が無くなりました。当たり前の動作ですけど、やっぱりすごく楽ですね。
  • ログイン後の時間(合計18秒〜25秒程度)
    • デスクトップ画面表示 5秒〜10秒
    • 使用可能状態 13秒〜15秒
      (自動起動アプリ:スティッキーズ全表示/メッセージ チャット可能状態/DropBox メニューバー接続完了表示 までの時間)

東芝製SSHDのメリット


 Finderにせよブラウザにせよ、以前だって一旦メモリにキャッシュされた後はスムーズに動いていました。でも最初に開く時は結構なストレスになっていたんですよね。それがSSHDなら最初に開くときでもキャッシュされた時と変わらないくらいスムーズ。

  • 東芝製SSHDで高速化が体感できる所
    • ログイン後に快適に使えるまでの時間短縮
    • ブラウザなどよく使うアプリの初回起動/メニュー表示
    • 起動直後の日本語入力
    • よく開くフォルダの表示
    • 複数アプリで作業中の切り替え
    • システム終了の高速化(20秒弱)

 もちろんすべてのファイル・フォルダではないですが、開く頻度の高いアプリやフォルダは明らかにスムーズになりました。キャッシュという意味では複数のアプリやファイルを切り替えて使うような場合でもモタ付きが減った気がします。

 これが東芝の制御技術かぁと感心しました。起動時間など正直どうでもいい部分より、こういう本当に必要な部分がSSDにキャッシュされているのが素晴らしいです。OSやドライバに依存せずSSHD独自で学習するって本当にたいしたものですねぇ。

HDD自体も高性能化!


 SSD部分に注目してしまいますが、HDD自体が格段に性能アップしている事も見逃せません。当然と言えば当然なのですが、標準の内蔵ドライブと比べてHDD単体でリードタイムの向上が著しいです。起動時の高速化はHDD自体の高速化による所も大きいと思います。

 それに加えてランダムアクセスはSSD効果で補う。体感的には、確かに古いPCの交換としてはSSDと遜色無いというのも大げさではありませんね。
Xbenchでの標準HDDテスト結果
明らかに4Kブロックのランダムアクセスが足を引っ張っている
XbenchでのMQ02ABD100Hテスト結果
参考程度ですが4Kブロックのランダムアクセスは劇的な高速化
それ以外の部分も概ね高速化を果たしている  


TOSHIBA MQ02ABD100HをMacBookで使うメリット


 さて、同じ1万円の予算でSSHDとSSDのどちらをお勧めするか?と問われたら、現状256GBで十分余裕があるという人は迷わずSSDにしたら良いと思います。低性能のSSDであっても気にする必要はありません。古いMacBookは内部バスの転送速度も遅いので余りある性能です。

 でも256GBでは手狭だという人は迷わず東芝のSSHDをお勧めしたいですね。やっぱり大容量は良いです。ファイルを保存するのに考える必要も無いのは気がラク!もちろんクラウドより圧倒的に高速!

 1TBあると容量を気にする事は一切なくなりました。CDの読み込みもすべてロスレスにできるし不要な写真を選ぶなんていうセセコマしい事もありません。それでも半分以上容量が残っているという安心感、なんか解放された気分です(笑)

 SSHDがSSDと体感性能はほとんど同じというのは決して誇張ではないと思いました。日常の運用ストレスは圧倒的に下がりました。いわゆるレインボーカーソルも換装後はほとんど見た記憶がありません。もちろんキャッシュされていない部分はHDDの性能になってしまうけれど、HDD性能もアップしているから不満は無いんですよね。


SSDと比べたデメリット


 とはいってもSSDの方が基本性能は優れている訳です。デメリットも織り込んで購入する事をお勧めします。
  • 速度が安定しない すべてのアクセスが高速化する訳ではないです。起動時間もいつも同じではありません。ただ内蔵HDDより遅くなる事はありません。
  • 長時間の起動によっては速度低下? 気のせいかもしれませんが色々なソフトを使っていると起動直後より若干スピードが落ちるような気もします。(標準HDDより落ちるという意味ではありません)
  • SSD部の劣化の心配 わずか8GBのSSDを酷使して寿命が短いのでは?という心配はあります。当然メーカーでも十分な予測をして設計しているとは思います。ただ、そもそも旧型ノートの強化としてはあと何年使うのか?という根本的な疑問もありますね。そう考えると10年持つ事を期待する必要は無いのかなぁと思います。
  • 新機種を買う気が失せる 1TBの容量に慣れちゃうと256GB程度の新機種では乗り換える気がしませんね。CPUの速度に不満があっても中々買い替えられないというジレンマに陥るかもしれません。

まだまだ頑張れる!MacBook Late 2009 


 今となっては懐かしい白ポリカのMacBook。2009年頃は廉価版としての位置付けでした。でも意外と性能は侮れないんですね。

  Mac Benchmarksによると2010年のMacbookAirよりもスコアが高くなっています。分厚く重たい筐体ですが逆に言えば薄く軽くするために性能を犠牲にせずに済んでいるということでしょうか。

Mac Benchmarks - Geekbench Browser

 正直標準HDDではMacOSX10.10 Yosemiteは厳しいかと思っていましたがYosemiteへの移行しても良いかもしれないなぁと思っています。1万円の予算としてはかなりコストパフォーマンスが良い交換になったと思います。

 長くなったので換装方法は後日別記事でアップします。とってもカンタンで拍子抜けしました。

追記:換装編を書きました。『MacBook(Late2009)東芝SSHDへの交換 簡単オススメ手順

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