『ラブライブ!』って本当に美しいですね!特に劇場版のラストライブ・・・極限まで高められた美しさに圧倒されました。『萌え』の上級表現である『尊い』って言葉がこれほど似合う作品ってあるでしょうか?
ここまで心に響く理由・・・それは『ラブライブ!』という作品がアイドルの持つ偶像部分のみを分離し、現実の枷から飛び立つ事が出来たから。現実に囚われない理想のアイドル像を実現できたからだと思います。
『ラブライブ!』というコンテンツがμ'sの解散という形で一つの区切りを迎えようとする今、この作品が何を成し遂げ、私たちに何をもたらしたのか振り返ってみました。
2009年に放映された『けいおん!』によって広く支持された『声優が歌う音楽アニメ』の流れは、その後2011年放映のアニメ版『THE IDOLM@STER』(アイマス)によって『アイドルアニメ』というジャンルが確立されるに至りました。
アイマスは架空のアイドルであっても、現実のアイドル以上に支持される事を証明した非常に優れた作品です。
アイマスは出自がアイドル育成ゲームという事もあり、アニメらしい表現をつかいながらも、現実離れしないように配慮されていました。スタッフ・ファン・メンバーの競争まで描写する。それは、あくまで現実のアイドルという枠組みをベースにしたドラマ作品だったからです。
2013年、そこへ発表されたのが『ラブライブ!』という作品でした。架空のアイドルをつくるメディアミックス・プロジェクトを出自とするの一環である本作にとって、現実のアイドルという縛りは初めから希薄なものだったのです。
当時、多くの人がアイドルアニメといえばアイマスのようなものをイメージするなか、京極監督はおそらく気づいていたんだと思います。『アイドルアニメはもっと自由になれる』という事に。
『ラブライブ!』のTV放送一回目。多くの視聴者の度肝を抜いた突然のミュージカル演出。これによって本作がダンスと楽曲のコラボレーションに重点を置いた作品である事を宣言しました。
その特異にも見える現実離れした演出は回を重ねるごとに深まり視聴者を戸惑わせます。しかし秀逸なストーリー構成は私たちの心を掴み、いつしか違和感を感じなくなっていきました・・・ここに、現実のアイドルという枷が外れた『ラブライブ!』という作品がひとつの完成を見たのだと思います。
しかしそれは通過点に過ぎませんでした。2015年公開の劇場版『ラブライブ!The School Idle Movie』では、突如として挿入される学年別ライブパートがまさにミュージカルそのもの・・・いや、むしろ現実のミュージカルでは実現できないような過激な演出を披露します。
夢とも現実ともつかない構成は、TVシリーズで慣れていたはずの観客ですら驚愕させ、私たちにより一段の高みへ登るように促します。
そして辿り着いたその先に見たラストライブの光景・・・そこにあったのは現実世界への配慮は微塵も感じさせない背景描写。美しさを最優先にしたカットとカメラワーク。すべてが超現実的表現・・・まさに神々しいまでに純化されたアイドル像がありました。
現時点での最高の技術で実現された究極のアイドル表現・・・それを見た時、誰もが心を動かされずにはいられなかったのです。
実のところ、自分はアイドル自体にあまり興味がなかったし、ましてアニメのアイドルなんて実体のない幻想に熱狂するなんて考えられませんでした。
だからTV版『ラブライブ!』では、いい歳してアイドルアニメなんて・・・という自分の常識に『ストーリーが意外と面白いから見ているんだ・・・』と言い訳していました。ちょっと後ろめたい気持ちで。
でも、そんなくだらない常識を吹き飛ばしてくれたラストライブのシーン。今なら誰憚ることなく断言できます。
『ラブライブ!』は美しい・・・と
実体がなく抽象化したからこそ表現できるものがある。劇中の『飛べるよ』というセリフは、まさにこの作品自体に向けられた言葉のように思えてなりません。
現実のアイドルという縛りから飛び立った時、アニメーションはここまでの表現ができるという事を教えてくれました。アニメーションの可能性がさらに一歩広がった事を実感できたのです。
こんな瞬間に立ち会えた幸運に感謝するとともに、京極監督はじめ、こんな素敵な作品を作り上げてくれた皆さんに最大限の賛辞を送りたいです!本当にありがとう!
他の『アニメ』の記事を読む
『スピーカー』『オーディオ・ビデオ』『備忘録・Mac・その他』『生活』
当ブログの引用画像について法律上の扱いについての説明
reade more...
※ラブライブ!全体を通じた感想・考察記事です。
リアリティという縛りから自由になった美しい映像表現 劇場版で理想のアイドル像が完成された ©2015プロジェクトラブライブ!ムービー ラブライブ!The School Idle Movieより (当ブログの画像引用について) |
ここまで心に響く理由・・・それは『ラブライブ!』という作品がアイドルの持つ偶像部分のみを分離し、現実の枷から飛び立つ事が出来たから。現実に囚われない理想のアイドル像を実現できたからだと思います。
『ラブライブ!』というコンテンツがμ'sの解散という形で一つの区切りを迎えようとする今、この作品が何を成し遂げ、私たちに何をもたらしたのか振り返ってみました。
ラブライブ!に至るまで・・・
2009年に放映された『けいおん!』によって広く支持された『声優が歌う音楽アニメ』の流れは、その後2011年放映のアニメ版『THE IDOLM@STER』(アイマス)によって『アイドルアニメ』というジャンルが確立されるに至りました。
アイマスは架空のアイドルであっても、現実のアイドル以上に支持される事を証明した非常に優れた作品です。
アニメ版 THE IDOLM@STER (amazonリンク) |
アイマスは出自がアイドル育成ゲームという事もあり、アニメらしい表現をつかいながらも、現実離れしないように配慮されていました。スタッフ・ファン・メンバーの競争まで描写する。それは、あくまで現実のアイドルという枠組みをベースにしたドラマ作品だったからです。
2013年、そこへ発表されたのが『ラブライブ!』という作品でした。架空のアイドルをつくるメディアミックス・プロジェクト
※『出自』は分離した作品と誤解させるとの指摘があったので訂正いたしました。
現実から解き放たれたラブライブ!という作品
当時、多くの人がアイドルアニメといえばアイマスのようなものをイメージするなか、京極監督はおそらく気づいていたんだと思います。『アイドルアニメはもっと自由になれる』という事に。
『ラブライブ!』のTV放送一回目。多くの視聴者の度肝を抜いた突然のミュージカル演出。これによって本作がダンスと楽曲のコラボレーションに重点を置いた作品である事を宣言しました。
TV第1話の突然のライブシーン この作品の方向性をはっきりと宣言する演出だった ©2013プロジェクトラブライブ!/ラブライブ!1話より |
その特異にも見える現実離れした演出は回を重ねるごとに深まり視聴者を戸惑わせます。しかし秀逸なストーリー構成は私たちの心を掴み、いつしか違和感を感じなくなっていきました・・・ここに、現実のアイドルという枷が外れた『ラブライブ!』という作品がひとつの完成を見たのだと思います。
劇場版でみせた さらなる高み
しかしそれは通過点に過ぎませんでした。2015年公開の劇場版『ラブライブ!The School Idle Movie』では、突如として挿入される学年別ライブパートがまさにミュージカルそのもの・・・いや、むしろ現実のミュージカルでは実現できないような過激な演出を披露します。
夢とも現実ともつかない構成は、TVシリーズで慣れていたはずの観客ですら驚愕させ、私たちにより一段の高みへ登るように促します。
TVシリーズよりさらに過激になった演出は ラストライブへの階段にすぎなかった ©2015プロジェクトラブライブ!ムービー ラブライブ!The School Idle Movieより |
完成された超現実的表現
そして辿り着いたその先に見たラストライブの光景・・・そこにあったのは現実世界への配慮は微塵も感じさせない背景描写。美しさを最優先にしたカットとカメラワーク。すべてが超現実的表現・・・まさに神々しいまでに純化されたアイドル像がありました。
この映像が映画館のスクリーン一杯に映し出された時 自分のつまらない常識も消えて無くなった ©2015プロジェクトラブライブ!ムービー ラブライブ!The School Idle Movieより |
現時点での最高の技術で実現された究極のアイドル表現・・・それを見た時、誰もが心を動かされずにはいられなかったのです。
ラブライブ!がもたらしたもの
実のところ、自分はアイドル自体にあまり興味がなかったし、ましてアニメのアイドルなんて実体のない幻想に熱狂するなんて考えられませんでした。
だからTV版『ラブライブ!』では、いい歳してアイドルアニメなんて・・・という自分の常識に『ストーリーが意外と面白いから見ているんだ・・・』と言い訳していました。ちょっと後ろめたい気持ちで。
ラブライブ!の美しさは映像技術の力にも裏打ちされている 3Dと2Dの融合は劇場版において驚きの完成度を見た ©2015プロジェクトラブライブ!ムービー ラブライブ!The School Idle Movieより |
でも、そんなくだらない常識を吹き飛ばしてくれたラストライブのシーン。今なら誰憚ることなく断言できます。
『ラブライブ!』は美しい・・・と
実体がなく抽象化したからこそ表現できるものがある。劇中の『飛べるよ』というセリフは、まさにこの作品自体に向けられた言葉のように思えてなりません。
現実のアイドルという縛りから飛び立った時、アニメーションはここまでの表現ができるという事を教えてくれました。アニメーションの可能性がさらに一歩広がった事を実感できたのです。
こんな瞬間に立ち会えた幸運に感謝するとともに、京極監督はじめ、こんな素敵な作品を作り上げてくれた皆さんに最大限の賛辞を送りたいです!本当にありがとう!
【関連投稿1】映画 ラブライブ!The School Idol Movie 感想:うれしい裏切り!ハラハラドキドキ感動の大団円!
【関連投稿2】劇場版 ラブライブ! 2度目の感想:やっと理解できた ミュージカルアニメとしての凄さ
【関連投稿3】劇場版 ラブライブ! 感想 :まさか3度目にして号泣してしまうとは・・・!
【関連投稿4】ラブライブ!『μ's Live in Theater』を見た感想とレポート:みんなありがとう!ラブライブ!公式ページ
劇場版Blu-rayは特装版の中古がお買い得ですね
他の『アニメ』の記事を読む
『スピーカー』『オーディオ・ビデオ』『備忘録・Mac・その他』『生活』
当ブログの引用画像について法律上の扱いについての説明