『劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~』 WEB予告より画像引用(当ブログの引用について) Ⓒ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会 |
2期を振り返る総集編・・・?あはは、バカ言っちゃいけませんよ。ダイジェストなんかじゃない、あえて新作と分ける事で魅力を純化させた完璧な劇場版じゃないですか!TV版を見たからこそ、もっと、もっと、感動できる作品でした。
1期の劇場版は総集編として奇跡的なほど上手にまとまってたけど、2期劇場版は、のちの新作2本と合わせた『加筆完全版』と言いたくなる作品でした。
『TV版見たからパス』なんて絶対ありえない『ユーフォ劇場版、三部作の第一章』だと思います!
『劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~』
WEB予告/KyoaniChannel 公式配信
WEB予告/KyoaniChannel 公式配信
あすか先輩とお姉さんを重ねた物語
予告を見ると明らかに『あすか先輩と久美子を軸に・・・』って感じでしたよね?新作として『みぞれと希美の物語』を別に制作すると発表されましたし。
でも実際に見てみると『あすか先輩と久美子』の二人ではなくて、久美子のお姉さんを加えた3人に焦点を合わせていて、これが想像以上に良いんですよね!
もちろんTVシリーズ見てるので、久美子がお姉さんとあすか先輩と重ね合わせていた・・・って知ってはいましたよ。でも、その対比がもっとダイレクトに伝わると、こんなに感動が大きくなるんだ!ってびっくりしました。
予告の印象は『田中あすか』と『黄前久美子』の物語だったが・・・ Ⓒ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会 |
だから、久美子の電車での涙とか、渡り廊下での涙とか・・・久美子の心の動きがすごく伝わって来て、TVシリーズで知っているにもかかわらず、感涙スイッチがぶっ壊れるくらい感動してしまいました。
全部TVで見てたのに、ああ、自分は本当の意味でちゃんと理解してなかったんだなぁ・・・って思い知りました。それが、この作品に対して『総集編』というよりもテーマを分けて加筆修正された『完全版』のように感じてしまう理由だと思います。
『3大 泣いちゃった所』から見える『この作品の魅力』
泣ければ良い作品なのかよ!って言われそうですが(笑)でも、どうしてTV版と同じシーンを見てるのに、それほどまでに号泣してしまったのでしょうか?
TV版を見ていたときはジンワリ感涙って感じでしたが、劇場版はとめどなく涙が止まらなくなった不思議。もちろん映画館で一気に見る効果というのはあります。でも、劇場版ならではの再構成こそがすごい効果でした。
自分が完全にやられちゃった『3大号泣ポイント』で、この作品の魅力を説明したいと思います。
※以下、猛烈ネタバレなので劇場版未見の方は鑑賞前に読まないでください。『TV版見たから大丈夫』じゃないよ!(笑)(ネタバレ避けて最終章へリンク)
号泣ポイント1:あすか先輩を呼び出しシーン!
TV版でも一番の感動シーンかもしれない、久美子が必死にあすか先輩に訴えるシーン。TV版でももちろん感動しましたが、あすか先輩の嫌味なセリフとか、ストレートに感動させない感じがありました。
今回は基本的にセリフが変わってないにもかかわらず、猛烈に感動しちゃったんですよね。それはこのシーンの前にお姉さんについて丁寧に描いたから。そのおかげで、久美子の言葉、そして気持ちが、すっごい伝わってきました。
久美子の必死の叫びがTV版よりも一層響いたのは 二人の心情がより理解できたから。 あすかの嫌味なセリフは必要だと、今ならよく分かる。 Ⓒ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会 |
あすか先輩の嫌味な言葉も、大人ぶって弱みを見せたくない『彼女の必死の抵抗』に見える。TV版でも一応わかってはいたけど、劇場版だと本当に素直にそう思えました。
劇場版では『お姉さん』と『あすか先輩』の対比をはっきり見せてもらえたおかげで、久美子のあの、涙声を震わせた必死の叫びが強烈に響いてしまいました。
ここでもう『涙のスイッチ』が壊れてしまいました(笑)
号泣ポイント2:トランペットのソロのシーン!
これは、もしかしたら共感してくれる人は少ないかも(笑)ラストの全国大会での演奏シーン。全曲演奏シーンのすごい映像・音響に圧倒されたのは当然なのですが、自分でもまさかの号泣シーンがありました。
それは、麗奈のトランペットソロシーン。今まで飽きるほど聞いたはずの、あのソロを吹く麗奈の姿をみたら猛烈に涙が止まらなくなってしまいました。
え、なんで?って自分でも思うくらい涙が出た。 それは思い出を共有しているから。 Ⓒ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会 |
今回、麗奈はとくに焦点があたってないんですよ・・・でも麗奈のソロを見て、この作品では全く描かれていない香織先輩とのオーディションやその軋轢といった『すべての思い出』が勝手に溢れてしまい涙が止まりませんでした。
これは、この劇場版が『3人の物語』であると同時に、もう一つ、初の全国出場という『吹部全体の物語』が柱になってたからですよね。個別キャラのディテールこそ描かないものの、部員が単なるモブキャラにはなっていない
どのキャラも知った顔。1期2期を見ているうちに いつの間にか自分も思いを共有していた。 Ⓒ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会 |
1期2期のTVシリーズを見ているからこそ、チラリと映る部員たち誰もが見知った顔。これまでの1年間なにがあったのかすべて知っている。まるで自分も部員として思い出を共有しているような気持ちになっていたんですね。
だから麗奈のソロを見て、まるで当事者の一人のように込み上げてしまったんですよね。まあスイッチ壊れちゃったせいもあるんだろうけど(笑)
この勝手に回想シーンが頭をよぎるような体験は自分でもびっくりでした。TV版見たから総集編はいいや・・・なんてありえないってこういう事。この劇場版はTV版見た人は何倍も感動できる作品なんですよね。
【追記】2回目を見たら、麗奈の回想シーンこそありませんが、あすか先輩や写真での回想は挿入されてましたね。泣いていてよく覚えていませんでした(笑)あの写真や楽譜が感動の良いフックになっていた気がします。
号泣ポイント3:そして『ユーフォ演奏』シーン!
これはもう完全にやられました・・・みんなそうですよね(笑)
あすか先輩と勉強からの川辺での会話、今作でもすごく良いシーンでしたが、その後にあるはずの『ユーフォ演奏シーン』には行かずに場面転換。
TV版では屈指の名場面でしたが、ああ、さすがにカットか・・・まあここで入れるとTVっぽいし仕方ないか、でもちょっと残念。なんて思ったんですよね。
TV版屈指の名シーン。本作最大の賞賛をしたくなる構成。/本予告より Ⓒ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会 |
まあ、それもすっかり忘れて、とうとうクライマックスを終えてホッとしたタイミング・・・。
まさかここで入れてくるとは・・・完全に不意打ちで、やられた!やられた!って、震えるほど感動するとはこの事かっ!てね。あまりの衝撃におもわず嗚咽を漏らして泣いてしまいました。(隣の人ごめんなさい)
もう完全に白旗ですよ。泣ければ良い映画ってわけじゃないけど、1期2期を見て総集編を見に来てくれたファンに対するご褒美ですよね。
TV版とどちらが優れているとかじゃなくて、TV版見た人にはもっと感動できるようにしてくれた。こんなに嬉しい作品ってあるでしょうか。
最後に:感謝でいっぱいになる作品!
いろいろ書きましたが、この作品が2番煎じのヤッツケ劇場版でもなければ、儲けるためのダイジェスト版でもなく、TV版を見たファンのためのサービス満点の作品だという事は、鑑賞した方のほどんどは納得してくれると思います。
自分はTV版だけだったら、あすか先輩の事を ちゃんと理解できないまま終わっていたかもしれない。 Ⓒ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会 |
とはいえ、TV版2期を見てない人も、1期総集編を見た後なら問題なく楽しめると思います。ただ、次回新作の『みぞれと希美の物語』も合わせて見た方がいいでしょうけど。
それにしても、TV版を鑑賞して理解してるつもりになってましたが、まだまだ十分理解してなかったんだなぁ。サブタイトルの『届けたいメロディ』って鑑賞前はぼんやりした印象でしたが、見終わった後はすごく響くものがありますね。
今回、TV版は復習しなかったので、どこが新しく書き起こしたシーンかわかりません。ただセリフは撮り直したのかな?中盤は久美子のモノローグで総集編っぽいつなぎもありますが1期総集編より全然違和感なかったですね。
本当に驚きと感謝の気持ちでいっぱいになる劇場版でした!来週もまた見に行きたいですね。
追伸:次回新作予告とフォトセッション
上映後に唐突に流される『リズと青い鳥』の予告編。なんだ?って感じでしたが、これがなんと、次回新作の『みぞれと希美の物語』の正式タイトルでした!全くイメージと違う予告なのでビックリ。山田尚子監督という事で否が応でも期待が膨らんでしまいますね。4月21日公開です。(『リズと青い鳥』公式サイト)
それと、この作品の上映前5分ほどのミニムービで『フォトセッション』のコーナーがあってスマホで写真が撮れます。実際に撮って良いのは1分くらいなので、スマホを再起動すると時間切れになる可能性があります。
1週目フォトセッションの映像 Ⓒ武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会 |
自分は知ってたのに、うっかり終了してしまっていて危なかったです(笑)映像は止め絵なのでブレる心配もないので落ち着いて撮影しましょう!
公式サイト:http://anime-eupho.com
原作:武田綾乃
総監督:石原立也/監督:小川太一
脚本:花田十輝/シリーズ演出:山田尚子/色彩設計:竹田明代
制作:京都アニメーション
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