今更で恥ずかしいのですが、TVアニメ『ビッグオーダー』ED曲、畑 亜貴 『 毀レ世カイ終ワレ』(こわれ せかい おわれ)を聴きました。
いやぁ、コレすごいですね!初見では『なんだろコレ?』って感じでしたが、なぜか気になっちゃって。歌詞をよく読むと結構怖い曲なんですけどね。どんどん引き込まれてしまいました。本当に素晴らしい作品だと思います。
ミュージックビデオが前衛的なので電波っぽいと言われたみたいですけどね。もちろん万人向けではないとは思いますけど・・・決して奇をてらったものじゃなくて、歌詞、楽曲、歌、そして前衛的な演出のMVも含めてひっくるめてムチャクチャ感動してしまいました。
なんといっても衝撃的な歌詞ですよね。
絶望が日常になった日々、希望は惰性で追ってるだけ。裏切られ、報われない。そんな世界でもマトモな人間として振舞ってきたのに、それすら偽善かのようにアッサリ否定してきます。(※あくまで自分の解釈です)
そして本当はこんな世界は壊れて欲しいと願ってると聴く者に迫る。愛ですら『ただの執着』と斬って捨てる。
でもなんでだろう・・・これだけ否定的なのにむしろ絶望しない。カウンセリングのような、全てを吐露した後の開放感を感じるくらいです。
それにしても『希望』を持つことを『習慣』とか『気休め』と表現したのはすごいなぁ。無駄な希望でも持ちたければ持てば良い・・・つまり希望なんて大吉のおみくじと変わらない程度のモノか・・・なんかハッとしちゃいました。
ある意味で達観した感じですけどね。若い人は『希望』をまっすぐ信じて良いと思うんですよね。でも『希望』って歳とるとちょっと重いじゃないですか。
長年大事にしていたはずの希望も良く見ると傷だらけだったりして・・・なんか、こう表現されると少しだけ開放されたような気分になります。
そして、この歌詞をのせる楽曲が本当にシビれました。現代音楽のような展開がありながら難解すぎず、歌詞のニュアンスがすごく伝わって来るメロディ。歌詞と楽曲の一体感がすごいですよね。
圧巻はサビ部分。なんか本当に泣けてきます・・・。
この曲を聴いた誰もが印象に残るだろうインパクトのあるフレーズ!でも聞き込めば聴きこむほど目頭が熱くなってきます。なんだろうこの感動・・・ホント日本語ネイティブで良かった!って感じます。
合いの手みたいなカッコ書きのフレーズも良いんですよね。なんか宮沢賢治の詩集『春と修羅』を連想しませんか?
サビ以外も、メロディに歌詞をのせるだけじゃなくて、リズムや伴奏にも歌詞が乗っかる感じが、オペラみたいですごく楽しくなります。
歌詞の乗せ方もすっごく好きで、歌というより歌劇って感じで、舞台が目に浮かぶようなんですよね。
さらにこの曲を自ら歌う畑 亜貴さんの歌声!恥かしながらこれだけ名前を知りながら歌声を聴くのは初めてだったんですよね。最初に聴いたときは声優さんが歌っているのかな?と思いました。
語尾をキュっと上げて『何ンッ度も』って楽器のように歌う感じ、本当に良いですよね。鼻にかかるような声がカワイイ感じですが、萌え系とは明らかに違う感じ。
ちょっと矢野顕子さんを連想しますが、ジャズ的というよりボーカロイド的な無機質感を併せ持った独特の歌声ですよね。
だから、重くなりすぎず、暑苦しくならない、独特の開放感を感じるのかな?。本当聞いていて気持ちが良いです。
それにしてもこのミュージックビデオを初見で見たときは確かにちょっとギョッとしましたね。サビの蛍光メイクのシーンなんて、歌詞を合わせるとちょっと笑っちゃいましたが・・・。
でも見慣れると細かいところまですごく作り込まれてるんですよね。色々、前衛的な表現なので電波っぽいと言われちゃうんですけど、初見で拒否するのはもったいない感じ。
特に、度々出てくる踊りがすごく好きなんですよね。コンテンポラリーダンスのようなリズムに合わせた動きが本当に良いなぁって。
ダンスには詳しくないですがダンスだけのバレエ・バージョンも見てみたいくらいです。楽曲に負けずMVも繰り返し見てしまいました。
今回、今更ながら2016年春アニメの『ビッグオーダー』を見たのですが、本編もかなりぶっ飛んだ話だなぁと思ったのですが、本編以上に気になったのはこのエンディング曲でした。
初見で聞いたときは、暗くて現代音楽のような妙な曲・・・と、かなり難解な印象だったのですが・・・でも不思議と気になる感じだったんですよね。特に『正気だよ』の部分が耳に残りました。
クレジットをみると『ラブライブ!』で有名な『畑 亜貴』さんだったのですが・・・なんと作詞・作曲・歌すべて『畑 亜貴』さんじゃないですか!
え?畑 亜貴さんってこんな曲も書くの?ってびっくりしますよね。しかも作詞だけじゃなくて、楽曲や歌も!
最初は意外性から入ったものの、聴けば聴くほど深みにはまる!何度もなんども繰り返し聴くうちにトランス状態に入って涙が出てきちゃいました(笑)
畑 亜貴さんといえば、アニメ界では知らない人のいない、超有名な作詞・作曲家。特に作詞については信じられないくらいの量の作品数(wikipedia)で圧倒されます。職業作詞家としても、ものすごい仕事のできる人なんだろうなと・・・。
特に『ラブライブ!』では全楽曲の作詞を担当しているので、自分としては明るく元気いっぱいな歌詞を書く人のイメージしかなかったんですよね。
でも、きらびやかなアニソン歌詞を紡ぎ出す畑 亜貴さんが、一方でこの曲のような楽曲を書いていることは『ラブライブ!』の曲を楽しんでた自分にとって、なにか裏打ちされたような嬉しさがあるんですよね。
『ラブライブ!』の曲に、『ただ明るく元気なだけじゃない、言外に、行間に、なにか込められた思い』というものを(勝手に)読み取っていた自分にとって、この曲は直接的ではないけれど、他の曲にも厚みを加えてくれる気がします。
別の曲同士に関連があるとまでは言いませんけどね。ただ、畑 亜貴さん自身がこういう曲を書くことでバランスを取っている方だと思うだけで『ラブライブ!』の曲も深く楽しんでいいんだという気になりました。
万人向けじゃないと冒頭に書きましたが、この曲の良さがわからないというのは、ある意味で幸せなのかもしれないですね。この曲に共感してしまう人って、何かしら抱えているものがある人だろうし・・・。
だから一部の人には、その人の持っている『何か』が引き出されちゃう恐ろしさがあります。そんな人には刺激が強いというか、変なスイッチが入っちゃうかもしれない危険な曲かもしれないですね。
その人の歩んできた人生や今の状況によって、何が引き出されるかわかりませんけどね。ただ、きっとこの曲は、絶望のどん底に落とすんじゃなくて、なんか開放してくれる気がするんですよね。
肯定も否定もせず、ただありのままの告白に許しを与えてくれるような・・・懺悔のような曲。自分には強烈に響くものがありました。(まあ本当の意味まで読み取れているのかは怪しいのですけどね)
それにしてもアニメのエンディングに『この曲』って、スタッフさんもビックリしたんじゃないだろうか・・・たしかにビッグオーダーという作品はだんだん正気を失っていくような作品でしたけどね。この曲はさらに上を行く傑作でした。
でもこのアニメがきっかけで畑 亜貴さんの楽曲を知ることができて良かったです。
ビッグオーダー TVアニメ公式サイト
http://www.future-diary.tv/bo/
畑亜貴という概念(公式サイト)
http://akihata.jp
AmazonだとCDのみですが、配信だとSONYのmoraやiTunesにあります。私は今回moraで買いました。
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いやぁ、コレすごいですね!初見では『なんだろコレ?』って感じでしたが、なぜか気になっちゃって。歌詞をよく読むと結構怖い曲なんですけどね。どんどん引き込まれてしまいました。本当に素晴らしい作品だと思います。
畑 亜貴 / 毀レ世カイ終ワレ - Music Video
Lantis Channel 公式配信(YouTube)
ミュージックビデオが前衛的なので電波っぽいと言われたみたいですけどね。もちろん万人向けではないとは思いますけど・・・決して奇をてらったものじゃなくて、歌詞、楽曲、歌、そして前衛的な演出のMVも含めてひっくるめてムチャクチャ感動してしまいました。
切なくなるほどの絶望を淡々と描いた歌詞
なんといっても衝撃的な歌詞ですよね。
外部サイト 『毀レ世カイ終ワレ』- 歌詞タイム(JASRAC許諾サイト)
絶望が日常になった日々、希望は惰性で追ってるだけ。裏切られ、報われない。そんな世界でもマトモな人間として振舞ってきたのに、それすら偽善かのようにアッサリ否定してきます。(※あくまで自分の解釈です)
そして本当はこんな世界は壊れて欲しいと願ってると聴く者に迫る。愛ですら『ただの執着』と斬って捨てる。
でもなんでだろう・・・これだけ否定的なのにむしろ絶望しない。カウンセリングのような、全てを吐露した後の開放感を感じるくらいです。
それにしても『希望』を持つことを『習慣』とか『気休め』と表現したのはすごいなぁ。無駄な希望でも持ちたければ持てば良い・・・つまり希望なんて大吉のおみくじと変わらない程度のモノか・・・なんかハッとしちゃいました。
ある意味で達観した感じですけどね。若い人は『希望』をまっすぐ信じて良いと思うんですよね。でも『希望』って歳とるとちょっと重いじゃないですか。
長年大事にしていたはずの希望も良く見ると傷だらけだったりして・・・なんか、こう表現されると少しだけ開放されたような気分になります。
オペラのように歌い上げる楽曲
そして、この歌詞をのせる楽曲が本当にシビれました。現代音楽のような展開がありながら難解すぎず、歌詞のニュアンスがすごく伝わって来るメロディ。歌詞と楽曲の一体感がすごいですよね。
圧巻はサビ部分。なんか本当に泣けてきます・・・。
『正気だよ これでもね 多分まだ(誰が決めるんだ)』
この曲を聴いた誰もが印象に残るだろうインパクトのあるフレーズ!でも聞き込めば聴きこむほど目頭が熱くなってきます。なんだろうこの感動・・・ホント日本語ネイティブで良かった!って感じます。
合いの手みたいなカッコ書きのフレーズも良いんですよね。なんか宮沢賢治の詩集『春と修羅』を連想しませんか?
サビ以外も、メロディに歌詞をのせるだけじゃなくて、リズムや伴奏にも歌詞が乗っかる感じが、オペラみたいですごく楽しくなります。
歌詞の乗せ方もすっごく好きで、歌というより歌劇って感じで、舞台が目に浮かぶようなんですよね。
カワイイけど無機質な楽器のような歌声
さらにこの曲を自ら歌う畑 亜貴さんの歌声!恥かしながらこれだけ名前を知りながら歌声を聴くのは初めてだったんですよね。最初に聴いたときは声優さんが歌っているのかな?と思いました。
語尾をキュっと上げて『何ンッ度も』って楽器のように歌う感じ、本当に良いですよね。鼻にかかるような声がカワイイ感じですが、萌え系とは明らかに違う感じ。
ちょっと矢野顕子さんを連想しますが、ジャズ的というよりボーカロイド的な無機質感を併せ持った独特の歌声ですよね。
だから、重くなりすぎず、暑苦しくならない、独特の開放感を感じるのかな?。本当聞いていて気持ちが良いです。
前衛的な映像表現のMV
それにしてもこのミュージックビデオを初見で見たときは確かにちょっとギョッとしましたね。サビの蛍光メイクのシーンなんて、歌詞を合わせるとちょっと笑っちゃいましたが・・・。
でも見慣れると細かいところまですごく作り込まれてるんですよね。色々、前衛的な表現なので電波っぽいと言われちゃうんですけど、初見で拒否するのはもったいない感じ。
特に、度々出てくる踊りがすごく好きなんですよね。コンテンポラリーダンスのようなリズムに合わせた動きが本当に良いなぁって。
様々な手法を重ねて表現されているMV 特にダンスの映像はすごく楽曲と合っていて美しい 『毀レ世カイ終ワレ』MVより引用 (C) 畑 亜貴 (当ブログの画像引用について) |
ダンスには詳しくないですがダンスだけのバレエ・バージョンも見てみたいくらいです。楽曲に負けずMVも繰り返し見てしまいました。
TVアニメ『ビッグオーダー』エンディング
今回、今更ながら2016年春アニメの『ビッグオーダー』を見たのですが、本編もかなりぶっ飛んだ話だなぁと思ったのですが、本編以上に気になったのはこのエンディング曲でした。
初見で聞いたときは、暗くて現代音楽のような妙な曲・・・と、かなり難解な印象だったのですが・・・でも不思議と気になる感じだったんですよね。特に『正気だよ』の部分が耳に残りました。
クレジットをみると『ラブライブ!』で有名な『畑 亜貴』さんだったのですが・・・なんと作詞・作曲・歌すべて『畑 亜貴』さんじゃないですか!
え?畑 亜貴さんってこんな曲も書くの?ってびっくりしますよね。しかも作詞だけじゃなくて、楽曲や歌も!
最初は意外性から入ったものの、聴けば聴くほど深みにはまる!何度もなんども繰り返し聴くうちにトランス状態に入って涙が出てきちゃいました(笑)
畑 亜貴さん、といえば『ラブライブ!』
畑 亜貴さんといえば、アニメ界では知らない人のいない、超有名な作詞・作曲家。特に作詞については信じられないくらいの量の作品数(wikipedia)で圧倒されます。職業作詞家としても、ものすごい仕事のできる人なんだろうなと・・・。
特に『ラブライブ!』では全楽曲の作詞を担当しているので、自分としては明るく元気いっぱいな歌詞を書く人のイメージしかなかったんですよね。
関連記事 『ラブライブ!』は私達に何をもたらしたのか? - アニメとスピーカーと‥そんな畑 亜貴さんのイメージからかけ離れた曲・・・だからかなりビックリしました。調べたら独自の音楽活動ではダークな曲も多いんですね。
『ラブライブ!』の歌詞を裏打ちされた嬉しさ
でも、きらびやかなアニソン歌詞を紡ぎ出す畑 亜貴さんが、一方でこの曲のような楽曲を書いていることは『ラブライブ!』の曲を楽しんでた自分にとって、なにか裏打ちされたような嬉しさがあるんですよね。
『ラブライブ!』の曲に、『ただ明るく元気なだけじゃない、言外に、行間に、なにか込められた思い』というものを(勝手に)読み取っていた自分にとって、この曲は直接的ではないけれど、他の曲にも厚みを加えてくれる気がします。
別の曲同士に関連があるとまでは言いませんけどね。ただ、畑 亜貴さん自身がこういう曲を書くことでバランスを取っている方だと思うだけで『ラブライブ!』の曲も深く楽しんでいいんだという気になりました。
ありのままの自分を告白するような曲
万人向けじゃないと冒頭に書きましたが、この曲の良さがわからないというのは、ある意味で幸せなのかもしれないですね。この曲に共感してしまう人って、何かしら抱えているものがある人だろうし・・・。
だから一部の人には、その人の持っている『何か』が引き出されちゃう恐ろしさがあります。そんな人には刺激が強いというか、変なスイッチが入っちゃうかもしれない危険な曲かもしれないですね。
その人の歩んできた人生や今の状況によって、何が引き出されるかわかりませんけどね。ただ、きっとこの曲は、絶望のどん底に落とすんじゃなくて、なんか開放してくれる気がするんですよね。
肯定も否定もせず、ただありのままの告白に許しを与えてくれるような・・・懺悔のような曲。自分には強烈に響くものがありました。(まあ本当の意味まで読み取れているのかは怪しいのですけどね)
それにしてもアニメのエンディングに『この曲』って、スタッフさんもビックリしたんじゃないだろうか・・・たしかにビッグオーダーという作品はだんだん正気を失っていくような作品でしたけどね。この曲はさらに上を行く傑作でした。
でもこのアニメがきっかけで畑 亜貴さんの楽曲を知ることができて良かったです。
http://www.future-diary.tv/bo/
畑亜貴という概念(公式サイト)
http://akihata.jp
AmazonだとCDのみですが、配信だとSONYのmoraやiTunesにあります。私は今回moraで買いました。