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ユリ熊嵐のオープニングはここがすごい!:ユリ熊嵐OP感想


 今期の話題作の一つ『ユリ熊嵐』もうすぐ最終回ですけど、今更のオープニングレビューです。

 いいですよね!ユリ熊。内容が百合物と言う事で、夕食時に家族と見る訳にもいかず、けっこう遅れて見始めました。でもオープニングを視聴した瞬間・・・!

・・・・こ・・これは・・・すごい・・・!!

またもや大変な傑作OP作品が出たものです・・・一気に心奪われました
【関連投稿】2015年 アニメ オープニング ベスト10選:今年感動した神OPはコレ!

一気に心をつかむ導入部


 しかしあの唐突に出てくる『ユリ熊ァァァァァァァァァァァァ・・・ユリ熊嵐!』のタイトル。すごいよ!本当に。『何これ・・・』って唖然としているうちに、一転、美しい賛美歌調コーラスのイントロがはじまりサブタイトルへ。雰囲気を一変させます。

突然流れる『ユリ熊ァァァァァァァァァァァァ』の文字
ユリ熊嵐 オープニング映像より画像引用/©2015 イクニゴマモナカ/ユリクマニクル

 そこから更に一転! ハスキーボイスとヒップホップ調の太い低音の刻みでOPがスタート。この劇的なコンビネーション・・・ああ、なんてカッコいいんだろう!考える間もなく一気に気持ちを持っていかれる・・・もうこれだけで感動してしまいましたよ。

とにかくこの楽曲の素晴らしさ!


  歌は声優さんではなくて、ボンジュール鈴木という女性シンガーソングライターさん。初めて聞いたと思ったら’14年から『宅録系アーティスト』としてネットで作品を発表していた方だそうで今回が初CDシングルだとか。なんか時代を感じさせますね。

【CM】ユリ熊嵐OPテーマ「あの森で待ってる」ボンジュール鈴木
mediafactory (公式)/©2015 イクニゴマモナカ/ユリクマニクル

 しかし、なんという魅力的な楽曲と歌声・・・。『ウィスパー系』と呼ばれる、ささやくような歌声。40代的にはカヒミ・カリィを連想させる歌声だなぁと思ったら、フランス在住だったそうで、なるほどなぁと思いました。

 エレクトロやヒップホップの影響を受けているという通り、この曲の前半は韻を踏んだまさにヒップホップ調。しかし、甘いささやき声で歌うヒップホップがここまで魅力的とは・・・。

 さらに賛美歌的なコーラスが刻みに入り、セクシーな歌声、清廉なコーラス、そして力強いヒップホップのリズムという、一見相容れない要素が入り交じり何とも言えない気持ち良さ・・・
 

一瞬に詰め込まれた素晴らしいコラボレーション


 これだけ力のある楽曲だと映像が負けてしまうかと思いきや・・・これがすごい!楽曲に頼るどころか、楽曲をさらに素晴らしいものにする、これぞまさにコラボ!

 リズム・タイミングがバッチリシンクロしているのは言うに及ばず、更に踏み込んで映像自らリズムを表現しています。

 特に感動したのはA’メロ前半の下記のシーン。イントロからキャラクターが歩くシーンの後、わずか2小節分のシーンです。でも、この映像が本当にすばらしい。
人物以外のライトは裏拍のリズムで動く
ユリ熊嵐 オープニング映像より画像引用/©2015 イクニゴマモナカ/ユリクマニクル

 暗闇のなかサーチライトが当たるように丸い光が左右にすばやく流れます。驚くのはそのタイミング!コーラスの刻みに絶妙に合わせて動くのですが、キャラ以外のライトは微妙にずらした裏拍のタイミングで流れます。

 ライトの大きさが変化しつつ、それぞれの軌道も交差していて、一見複雑な動きをしていながら、それが全体ではすごくリズムに合っている。本当に見ていて気持ちがいい! 

ライトが大きさを変えながら複雑に交差する。
ユリ熊嵐 オープニング映像より画像引用/©2015 イクニゴマモナカ/ユリクマニクル

 そしてもう一つの見所がライトに照らされる背景のテクスチャーパターンと色彩。動きが一瞬すぎてほとんどわからないくらいですが、キャラクターの背後には可愛らしい壁紙調のパターン。その後ろには百合と鳥のパターンが映ります。

 色の付いた大小のライトによって一瞬見える様子が本当に美しい。時折ハレーションを起こすような効果も入っていて、きらびやかで本当に幻想的です。

ライトに照らされる背景パターンが美しい。
ユリ熊嵐 オープニング映像より画像引用/©2015 イクニゴマモナカ/ユリクマニクル

 百合はわかりますが、鳥は何を意味しているのでしょうか?あえて顔を映さないのも何かを暗示しているようでいいですね。時間にしてほんの数秒ですが、一瞬の映像にここまで作り込むとは驚きです。

サビを盛り上げるタイミング


 そしてもう一つ感動したのはサビの映像。サビに入ると同時に、被告席の2頭のクマの上で大きな翼がひらき羽根が飛び散ります。サビにこの映像を持ってくるだけでも自分には到底思いつかないのですが、感動したのは次の点。

サビのタイミングでパッと翼がひらいて・・・
ユリ熊嵐 オープニング映像より画像引用/©2015 イクニゴマモナカ/ユリクマニクル

ワンテンポおいての星のきらめき!
ユリ熊嵐 オープニング映像より画像引用/©2015 イクニゴマモナカ/ユリクマニクル

 翼が開いた一拍あとに、クマのバンザイで星のきらめきが弾けるんです。これがサビの盛り上げにすごい効果的。羽が開いた瞬間に一気に弾けさせず、あえて2段階にすることで余韻が強まり一層感動するんですよね、これはシビれました・・・。

 リズムに映像を合わせるのみならず、映像で積極的にリズムを表現している所が素晴らしいですよね。

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トランス状態で号泣


 夜中に何度も繰り返し見ていたら、10回を過ぎたあたりで突然涙が止まらなくなりました・・・トランス状態ですね(笑)

 思わずiTunesで『あの森で待ってる』を買って聞きまくりました。曲も素晴らしいけどやっぱり映像と合わせると更にすごいですね。

 久しぶりに号泣すると翌日の頭痛がひどい(笑)数日は『あの森で待ってる』を聞いただけで涙が出るようになってしまい困りました。


【PV】ユリ熊嵐 プロモーション映像③
mediafactory (公式)/©2015 イクニゴマモナカ/ユリクマニクル

オープニングスタッフ


 これだけ素晴らしいOP作品ですが、コンテ・演出には監督の幾原邦彦氏は参加していないんですね。

 幾原邦彦監督は『少女革命ウテナ』、『輪るピングドラム』など前衛的で難解なところもあるようですが、非常に興味深い作品で有名です。
 独特の止め絵、バンクのトリッキーな使い方・ギャグ演出・演劇の手法を模した映像表現に定評がある。 構成作家としてはハッタリ・ケレン・メタファー・メタフィクションを多用し、現実世界における物理法則や外的必然性ではなく、作品世界における内的必然性に従って描こうとする傾向がある。(Wikipedia 幾原邦彦より引用)

 実は深夜アニメ見始める前の作品なのでまだ未見なんですけどね。いずれ見たいと思っています。サブカルへの憧れがあるので、上記の説明を読むと素直にカッコイイなって思っちゃうんですよね。だから本作は注目していました。

 やくしまるえつこの曲が好きだったので、楽曲が使われた『輪るピングドラム』のOPは見た事があります。派手さはないですがすごく印象に残るOP作品でしたね。

(参考)やくしまるえつこ お気に入り楽曲 ベスト5はこれ!

 今回監督が、あえてOPコンテ・演出に参加しない理由はわかりませんが、幾原邦彦世界観を表現しつつきらびやかな派手さと細かな作り込みが両立していてすごいクオリティ

 任せただけの事はあるすごい才能のOPスタッフなんでしょうね。

 とにかく本当に素晴らしいオープニング。大好きなOP作品の一つになりました!(でもまだ本編は追いついてないので早くみたい・・・)

※念のため、本作はあまり子供向きではありませんのでご注意下さいませ。

オープニング アニメ スタッフ
コンテ  相澤伽月
演 出  古川知宏
作画監督 住本悦子
色彩設計 木村聡子
美 術  スタジオ心
原 画  相澤伽月 川崎愛香 菊田幸一 北山修一 進藤優 鈴木大 高野やよい 高橋賢 寺尾洋之 戸田麻衣 横山なつき
3DCG  神谷久泰

TVアニメ ユリ熊嵐 公式サイト
http://www.yurikuma.jp

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劇場版 境界の彼方 -I’LL BE HERE- 過去編 感想:総集編ではなく未来編へのプロローグ!

 『劇場版 境界の彼方 -I’LL BE HERE- 過去編』を見に行きました。4月25日の『未来編』に先行して公開された『過去編』未来編は未見でのレビューです。

※ネタバレ(しても大丈夫だと思いますけど)ありますのでご了承下さい。
※未来編も見に行きました。感想記事のリンクは文末にあります。
(参考)劇場版 境界の彼方 -I’LL BE HERE- 予告編 感想:これは、す、すごい期待できるぞ! - アニメとスピーカーと‥‥。

 『過去編』は2013年冬放映のTV版の総集編です。TV版はあえて復習せずかなり忘れた状態で見に行きました。そんな状態でもわかる大幅なカット!相当エピソードが省略されています。

 でも実は見ていて気づいたんです。はっきり言って自分は勘違いしていました!過去編がTV版の総集編なら、未来編が劇場版の本編・・・じゃないんです!

 よく考えれば当たり前なんですけどね・・・これは2本合わせて一本の作品。主人公の栗山さんと秋人の二人のエピソードに焦点を合わせた作品。キャッチフレーズの『絆と愛の物語』とは、そういう意味だったんだなぁ・・・と気づかされました。

劇場版は栗山さんと秋人の2人に焦点を合わせている・・・
『劇場版 境界の彼方 -I'LL BE HERE-』予告篇 KyoaniChannel より引用
(C) 鳥居なごむ・京都アニメーション/境界の彼方製作委員会

2度のタイトルの意味・・・


 総集編と聞くとTV未見の人向けのまとめというイメージですが本作は違います。83分という短さから予想できる通り、かなり大胆にカットされています。

 ラストの境界の彼方との戦いに至る、栗山さんと秋人のエピソードに焦点を絞り、未来編のためのプロローグとして再構成されていました。

 それが現れているのがタイトルの出し方

 この作品は2回タイトルがでます。1回目はオープニング後に控えめに。これも良い味出ていたけど、本当のタイトルは2回目!エンディング前のモノなんですね。

総集編ではなく未来編の前編


 このタイトルまでがプロローグで、まさにここから『劇場版 境界の彼方 -I’LL BE HERE- 』がはじまるんだ!と感じさせる構成になっていました。

 ここで、この作品は「2本で1本の作品なんだなぁ」と確信しました。『過去編』はTV未見の人向けの総集編ではなく視点を変えた再構成作品なのだと。

 たしかに今回の『過去編』、映画単独ではファン向けのイベント色を強く感じます。でも2本合わせた『劇場版 境界の彼方 -I’LL BE HERE-』は、万人向けの作品になるのだと思います。

 そう考えると『過去編』のBD/DVDが劇場販売限定で一般発売の予定無しというのも理解できます。(おそらく)未来編の時に2本組みで一般発売ということなんですね。※過去篇BD/DVD情報は文末に追記あり
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テーマ通りの『絆と愛の物語』


 だから本作『過去編』はTVシリーズを見た人にも、初見の人にも向けた作品なんだと思いました。

 実際に初見の人にも理解できるように配慮した構成になっています。冒頭でいきなり栗山さんの目的を種明かししてしまうのは驚きましたが良いアイデアでした。これなら初見のひとでも筋を追う事に問題はないでしょう。

 TV版は序盤でここの謎解きが面白かったのですが劇場版ではテーマが違います。TV版で面白かった所の多くはカットされていますのでTV版の総集編を期待した人には物足りないかもしれません。

 でも劇場版は『絆と愛の物語』がテーマですからこれで良いんだと思います。TV版とは違う楽しみ方をする作品なんだろうなと。

 TV版で描かれる一見余計にみえるようなシーンの数々・・・下らないギャグシーンや栗山さんのネガティブっぷり、博臣(ひろおみ)先輩のシスコンぷり、美月(みつき)のSっぷり、秋人のフェチっぷりを描く事が、TV版独特の味わいを作っていました。

美月のSっぷりなど各キャラの特徴は劇場版ではあまり強調されない。
TVアニメ『境界の彼方』PV第1弾 KyoaniChannel より引用
(C) 鳥居なごむ・京都アニメーション/境界の彼方製作委員会

 でも劇場版は栗山さんと秋人に焦点を当てた作品。TV版とは違った楽しみ方、見方をする作品なんだろうなと思いました。

 ただ初見の人は『未来編』と一緒に見た方が良いかもしれませんね。

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期待通りのラストシーン


 過去編で特に良かったのは、やっぱりTV版最終回の『境界の彼方』との戦いのシーン。とても壮大な映像で、放映当時はこれが劇場スクリーンで見れたらなぁと思っていたんですよね。

 これはまさに期待どおりで、本当に劇場スクリーンに映える映像でした。音響も大変良く映画館に行った甲斐がありましたね。

 大きな部屋だったのですが、うっかり後方の席を取ってしまい後悔。この作品は中央寄りの席で視野一杯で見たくなりました。

ダンスPV


 公開直前に発表されたダンスPV。本編前のミニ作品という感じですが、TV版の切り出しかと思ったら本当にPVになってて笑いました。

TV版の切り出しではなくて普通にPVだった(笑)
『劇場版 境界の彼方 -I'LL BE HERE- 過去篇』『約束の絆』ダンスPV より引用
 KyoaniChannel/(C) 鳥居なごむ・京都アニメーション/境界の彼方製作委員会

 事前に知っていたから良かったけど、知らないで行ったらビックリしちゃいますね。これはまさにファンサービス。この映画はファンのためのイベントだって事をわかってくれている感じです。

 TV版の時は突然のダンスシーンに驚いたけど、3DCGを使っていない複数キャラのダンスシーンってよく考えたらすごいですね。

 最近はラブライブとか3Dモデリングでのダンスシーンが進化していて複数キャラのダイナミックなダンスは見慣れているけど、2Dだけでここまで綺麗にダンスシーンを見せるってすごい事なんでしょうね。

 今期はTVアニメSHIROBAKOでアニメ制作の現場が紹介されていますよね。こんな風に本編に直接関係ないのに大変なダンスシーンを挿入するって言ったら現場はさぞ大変だったろう・・・と想像します。

 劇場版で改めてPVとして上映したくなる気持ちもわかる気がします。TVだけではもったいない出来ですもんね。

オープニングとエンディングは・・・


 個人的に大変注目しているOPとED。OPはリード部分にクレジットのみで音楽無し。でもTV版OPの映像を多用していて少し不思議な感じでした。

 OPに曲が来ないのは残念ですが、控えめなタイトルへの導入としては好印象でした。それじゃあ主題歌『境界の彼方』はどこにくるのかな?とおもったら、TV版と同じくクライマックスの劇中挿入

 あれは良かったですね。でもTVと同じく1コーラスでちょっと物足りないかな。やっぱりフルコーラスで聞きたかったなぁ。

 それでEDにフルコーラスか?と思ったら、TV版EDテーマ曲の「Daisy」(STEREO DIVE FOUNDATION)がフルコーラス!でうれしい驚き。

STEREO DIVE FOUNDATION "Daisy" MUSIC VIDEO SHORT SIZE,
Lantis Channel (公式配信)

 ただ黒地にクレジットのみのEDだったので残念。TV版のED映像は曲とすごく合ってて良かったんですよね。さて未来編のOP/EDはどうなっているのか・・・楽しみです。

若い人の多い客層


 TV版『境界の彼方』は我が家では、夫婦で楽しみにできるヒット作だったのですが、ネットを見ているとアニオタ層では余り話題になっていない感じで、どのくらい人気があるのかわからない作品でした。
 
 映画館の客層は、さすがにガンダムTHE ORIGINほど混んではいませんが、若い人や非オタ的な客層で賑わっていて、やっぱり一般向けの作品なんだなぁと改めて感じました。

 男女比も女性が半分近くだった気がしますね。一緒に行った奥さんの隣に座っていた女のコは感涙していたそうです。

 物販コーナーも高校生くらいの人たちで人だかりになっていて、おじさん世代には近づき難かったです(笑)

 もちろん『未来編』も見に行きます、楽しみですね!

追記1
 未来編を見に行きました!感想はこちらです。
劇場版 境界の彼方 -I’LL BE HERE- 未来篇の感想:これが本当の最終回!- アニメとスピーカーと‥‥
追記2
 過去篇のBlu-ray/DVDは現在『きゃにめ.jp(ポニーキャニオン)』のみで限定販売されています。(2015/11/18現在)※アフィリエイトリンクではありません。
 その他のショップでプレミア価格で販売されていますがご注意ください。DVDのみですが過去篇もレンタルが開始されています。
公式サイトBD-DVD情報 リンク
公式サイト 劇場版 境界の彼方 -I’LL BE HERE- 
http://anime-kyokai.com

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劇場版 シドニアの騎士 感想:しっかり詰め込んだ総集編

『劇場版 シドニアの騎士』映画館で見てきました。

 本作はTV版1期の総集編です。だからストーリーは知っているんですが、予告編のレビューにも書いた通り『きれいな映像をスクリーンで楽しむため』に行きました。(でも総集編で一律2千円は正直ハードル高いね・・・)

劇場版 シドニアの騎士 本予告 感想:血湧き肉踊る予告編 - アニメとスピーカーと‥‥。
※テレビシリーズ1期を見た前提で書きましたのでネタバレ全開です、ご注意下さい。

破綻の無い再編集に驚き


 まず感心したのは、TV版12話を劇場版133分に破綻なく詰め込む事に成功していることです。これは心配していた所でした。

 今回は全くTV版の復習をせずに見に行きましたが、適度に忘れていると、どこがカットされたのか、すぐにはわからないくらいでした。繋ぎ方も違和感を感じる所は少なくて無理がありません。

初めて見る人でも筋を追えるように配慮されていると思います。

盛りだくさんすぎて・・・


 その反面、盛り上がるシーンが続きすぎて少々消化不良になるかもしれません。TV版だと各話1回くらいのクライマックスシーンが、劇場版はどうしても連続してしまいます。

 特に戦闘シーンはTV版では手に汗握るシーンでしたが、劇場版ではさすがに疲れてくるかもしれません。かといってどの戦闘シーンも削るのは難しい・・・総集編の難しい所ですね。

 もともと熱量の多い作品でしたので、すこし濃厚すぎになっているきらいはあります。

戦闘シーンが映える大画面スクリーン


 期待していた映像は予想通りの美しさでした。特に終盤の延長砲身での攻撃シーンは大画面に映えますね。衛人(戦闘ロボット)の戦闘シーンはテレビより見やすいです。

 でもさすがにここまで大画面だとキャラの3Dぽさが目立ってきてしまうかな。特に前半ではちょっと感じました。

 それと、劇中のモニタ映像(文字など)はあえてボケた感じにしていますが、大スクリーンだとちょっとボケすぎに感じました。ああいうのって意外と小さなモニターやテレビの方が雰囲気出ますね。

 自宅の80インチスクリーンではあまり気にならなかったんですけどね・・・。あえて、小さめのスクリーンの劇場にするか、少し後方の席で見るほうが良いかもしれないなと思いました。

星白への感情移入が・・・


 TV版だと星白に死亡フラグ立った時や、実際にいなくなった際に、結構な喪失感というか、『そんなぁ!』といった感情をもたらしました。

 劇場版も星白の救出シーンは(おそらく)ほぼノーカットで挿入されているのですが、やっぱり足りないですね。もう少し前からの細かなシーンの積み重ねが、星白への感情移入をさせていた事を改めて感じました。

星白救出シーンはしっかり盛り込まれていたのだが・・・
(C) TSUTOMU NIHEI・KODANSHA/KOS PRODUCTION CMMITEE
KING RECORDS『劇場版 シドニアの騎士』本予告 より画像引用

 星白への思い入れがまだ十分できない内にガウナに取り込まれるので、その後の紅天蛾(べにすずめ)やエナ星白への感情も少し薄くなってしまったかな。


イザナ君は初めっからカワイイ


 本作だとイザナ君の方が印象が強くなった気がします。TV版見たせいか、初めっからイザナ君がかわいく見えちゃいますね。

 中性のイザナ君が段々女性化してくる感覚はとても面白かったのですが、劇場版ではその辺は少し足早かな・・・。

イザナ君ははじめからかわいく見えてしまった(笑)
(C) TSUTOMU NIHEI・KODANSHA/KOS PRODUCTION CMMITIE
KING RECORDS『劇場版 シドニアの騎士』本予告 より画像引用

 ここまで書いていて気が付いたのですが、劇場版ではTVシリーズで印象的だったラブストーリー的な感覚が減ったのかなぁ・・・と。

 かなり頑張って盛り込んではいるのですが、戦闘シーンの割合が多いので相対的に印象が減っているのかもしれません。それが星白への感情の薄さの原因かも。

シドニアの世界観


 同じように、TV版は細部の書き込みが『シドニアという世界観』を表現するのに非常に効果的になっていて、それが見る側のワクワク感・ドキドキ感を盛り上げていたんですね。

 その辺が省略されている劇場版ではどうしてもその感情の盛り上がりが希薄になってしまいます。あと谷風長道の活躍が続くので絶望感とかもTVほどにはならず、カタルシスが得にくいのかなと思いました。


初見の人にもわかる総集編


 TVシリーズを見てしまった自分は、もはや初見の人の気持ちはわかりません。初見の人がどんな感想を抱いたのか興味がありますが、少なくとも初見の人が見てもストーリーはしっかり追えると思います。

 不足な部分はネットで補えばいい訳ですし、133分でしっかり完結していると思います。4月から始まる2期『シドニアの騎士 第九惑星戦役』のための確認という位置づけなら十分です。

 そういう意味では成功している作品だと思います。ただ、シドニアの何とも言えないワクワク感を楽しむならTVシリーズも是非お勧めしたいですよね。


大スクリーンで見る価値


 自分のようにTV版を視聴済みの人には・・・やっぱり劇場で見る事をお勧めします。予想通り戦闘シーンは大画面スクリーンが映えます。(ただ値段が高いけど・・・)

 それと結構TV版には無いシーンも多かった気がします。しかもなぜかサービスシーン多数!これは、ちょっとビックリしました(笑)まさかイザナ君のサービスシーンまであるとは。

 ウチも奥さんと見ましたが、結構女性のお客さん多かったですよ。2割くらいのイメージでした。一人で来ている女性も散見されましたので、露出度の多いシーンはどうだったかな・・・なんて心配してしまいました。


でも残念なのは、シドニア!


 まあ、結果的に(2千円という高さを別にすれば)中々良い総集編になっていたと思います。でも唯一残念なのは・・・主題歌『シドニア』が使われてない事ですよ!

 どうなってんですか!予告編では使われてたじゃないですか!大音量で聞けると期待してたのに〜っ、まったく!(怒)

 オープニングは本編のリードに重ねており楽曲はありませんでした。エンディングは劇場版用の感動的な曲、『愛、ひと欠片』angelaでした。(まああれは合ってましたけどね。)

 でもなぁー、OPやタイトルバックとか、どっかにうまく入れてくれなかったかなぁ。それが残念!映画館であの曲を聞いてみたかったよ!

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原作コミックkindle版がお得でした・・・(2016/9現在)

シドニアの騎士 公式サイト
http://www.knightsofsidonia.com/

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YouTubeの仕様変更?『プライバシー強化モードを有効にする』とPCで埋込み動画が見られない現象について

 3月になってから気がついたんですけど、このブログの埋込み動画をPCで見ると『エラーが発生しました』となって見られないじゃないですか!どうなってるの?

YouTubeの仕様変更?


 一時的な障害かな?と思ったけど翌朝になっても変化せず・・・。折角見に来てくれる(数少ない)人たちにエラーが出るブログを見せるのは恥ずかしい。というわけで調べてみました。

 YouTubeはときどき内緒で仕様変更があるらしいですね。これもその一環かなぁ・・。どうも調べてみた所、埋込みコードを取得するときに『プライバシー強化モードを有効にする』にチェックを入れると再生時にエラーが出る事がわかりました。



 というか、YouTubeの埋込みコード設定画面の時点で、エラーになってんだけど・・・おいおい、これってどういう事?

調べてみた結果


OSブラウザの対応
Mac OSX 10.9.5

Safari  ×
FireFox  ×
Chrome  ○

Windows VISTA

IE8         ×
FireFox  ○
Chrome  ○

『プライバシー強化モードを有効にする』にチェックを入れてPCで動画再生できるか?
(2015/3/8 時点)


  MacメインなのでWindowsが古いのはご容赦(笑)これを見ればわかる通りYouTubeの仕様変更でChrome以外のブラウザではエラーになってるみたいですね。IEも9以降ならOKかもしれません。

 この感じだと、そのうち他のブラウザでも対応してもらえそうですね。まあ、待ってればいいんでしょうが、その間エラーが表示されるのは嫌なので修正したい所です。

スマホ・タブレットでは?


 ところで少し前のTipsで、『プライバシー強化モードを有効にする』をONにしないと、iPhoneやiPodTouchにつかわれているiOSでは再生できないという話だったんだけど・・・。(アンドロイドでも多分同じだったような)

 だから『プライバシー強化モードを有効にする』にチェックを入れてたんですよ。改めてiPodTouchで閲覧してみたら・・・あれ?再生できる?こちらは改善されたようです(笑)

とりあえずの対応


 一部のブラウザとはいえエラーが出るのは嫌です。とりあえずはプライバシー強化モードを無効にした埋込みコードを貼り直せばOK。

 とはいえ、いちいち埋込みコードの再取得するのは面倒ですね。

埋込みコードの中にある・・・

『www.youtube-nocookie.com』
『www.youtube.com』

に差し替えればOKでした。

 再取得してもこの部分が違うだけみたいですし。大丈夫でしょう。(自己責任で
ブログのHTML編集画面で『-nocookie』を検索していけばカンタンに変更できます。

 まあうちのブログみたいに投稿が少ないのは簡単ですけどね。投稿の多いブログは大変そうですが。

 関係ないけど、調べてたら1年前に貼った動画はFlash形式だったみたいでiPodTouchでは見られないんですね。こちらも貼り直さなきゃ・・・。

ところで、プライバシー強化モードって・・・


 『プライバシー強化モード』ってクッキーを取得しないって事みたいですね。再生履歴などを記録しませんよ〜って事みたいです。まあ、実害的には少ない気がするのでオフでOKかなと。

 今後YouTubeのエラーが修正されても、このまま再修正しなくても大丈夫かなと思ってます。

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機動戦士 ガンダム THE ORIGIN I アニメ版 映画 感想:涙を抑える事ができない傑作


 まさか、ここまで感動してしまうとは・・・1時間だったので完全に甘く見てました。途中何度も涙を抑える事が出来ませんでした。本当に良かったです。1stガンダムが好きな40代には、もう絶対にお勧めの作品。劇場鑑賞の本編レビューです。
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※基本的に予告編/冒頭映像を越えたネタバレはありませんが心配な方はご注意下さい。

よくできた予告編



 
「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」第1話 90秒予告第2弾 [HD] [PlayStation®Store]
 PlayStation Japan(公式) (C)創通・サンライズ

 ガンダム THE ORIGINのアニメ版が出来るという話は聞いていたのですがすっかり忘却していました。思い出させてくれたのが予告編

 劇場版サイコパスを見に行ったときに、上記の予告編がやっていたんですよね。この予告編は出来が良く、大画面と大音量で見るととても印象的で・・・見たいっ!と思ってしまいました。

 1stガンダム世代ですが、はっきり言ってマニア度は高くない自分。もちろんTVシリーズは見ましたしガンプラも作りました。でも、ガンダムオリジンは名前は知ってても原作は読んだ事がありませんでした。もう完結しているんですね!


冒頭7分映像は見てもOK



機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ 青い瞳のキャスバル 冒頭7分映像 
BandaiChannel(公式) (C)創通・サンライズ

 この公式に公開されている、冒頭7分映像。62分しかないのに7分公開って大丈夫か?と思いましたが、結論から言えば視聴しても何の問題もありません。映画館の場合はむしろ見てから行った方が良いかも。

 というのも、冒頭の戦闘シーンは本編とは直接関わりのない将来のシーン。いわゆるアバンタイトルアニメーションです。

 なにしろ、本作は戦前の話なので当然モビルスーツが完成していません。ガンダムなのにモビルスーツの戦闘シーンがないのはあんまりなので、冒頭に入れたのは正解だと思います。

 あと、ジオン・ズム・ダイクン氏がイメージと違って結構いっちゃってる感じに描かれているのでそれに慣れておくのも良いかもしれないと思いました。

 でもガンダムで人間ドラマ・・・なんていうと退屈そうに聞こえますが、そんなことないんです!

劇場はすごい混雑!熱気!


 劇場へ見に行こうと決めたのは良いけど、本編62分と知ってちょっと短いなぁ〜と行く気がそがれたのは事実です。

 でも折角予定も空けていたので、土曜の午前中にムービックスさいたまへ。予約時に結構埋まっていたのである程度想像はしていましたが・・・想像以上の大混雑!

 増設された物販コーナーの行列が劇場の外まで続いているのは想定内でしたが、普通に見る人だけでもすごい人混み。物販の列と、映画入場の列だけでフロアがぎゅうぎゅう詰め状態。

 ここまで混雑するムービックスさいたまは初めてでした。熱気が充満していてまさにイベント。親子連れから比較的若い世代まで、ガンダム人気は根強いなと改めて感じましたね。

全世代に受け入れられる絶妙な映像・設定


 予告編を見てわかる通り、キャラクターなどの映像は昔のアニメの雰囲気を上手に残しています。映像はキレイなんだけどキレイすぎない、1stガンダムのイメージを壊さずに現代的に表現しています。だから違和感もないけど古くささも感じません。

 この辺りの絶妙な設定がすごいなぁと感心しました。さらにキャラ設定も昔の雰囲気をギリギリ壊さない程度に現代的になっています。これが、昔のファンも若い人にも受け入れられる絶妙のライン!

 若い世代からみて、確かに今のアニメと違いは感じるでしょうが、『古いアニメ』だとは思わないと思います。現に、上映後に中学生位の男子がお父さんに『すっごい面白かった』と話しているのを聞いて微笑ましい気分になりました。

でもやっぱり1stを知っている世代には感動


 でもやっぱり一番楽しめるのは、1stガンダムを知っている世代だと思います。
今作でなぜ涙が止まらなかったか。それはもう四半世紀以上熟成された思い出が引っ張りだされるからでしょう。

 本編全体からにじみ出る1年戦争前の雰囲気。テロなどで不安な時代とはいえ、まだ戦前の、疲れ果てていない平和な時代の空気感を感じるのです。これも、あの1stガンダムの殺伐とした雰囲気を知っているからこその味わい。

 見ている最中は、その懐かしさと違和感の入り交じった不思議な気分が、スターウォーズ エピソード1を連想させましたね。でも世代的にはガンダムオリジンの方が一層強く感じる事が出来たと思います。


アルテイシアの可愛さと・・・


 特筆すべきは、アルテイシア(セイラさん)がカワイイ!とにかく可愛いと聞いてはいたけど、本当に素晴らしいキャラ設定。なんて書くと単に萌え系と思われそうですがそうじゃないんです!

表情豊かで可愛らしいアルテイシア(セイラさん)
 (C)創通・サンライズ
BandaiChannel 機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ青い瞳のキャスバル冒頭7分映像より 

 とにかくアルテイシアの可愛さというのは本編では非常に重要だと思うんですよね。あのセイラさんが幼い頃ってこんな感じだったかもなぁ・・・と全く違和感がない

 それと同時に、ああ、この天真爛漫な子が色々哀しみを乗り越えてあのセイラさんになって行くんだ・・・と思うと涙が止まらない訳です。

そして意外な登場人物


 そしてアルテイシアと同じくらい大切なキャラクター、ランバ・ラル。ランバ・ラルが1st時に35歳設定だっていうのも改めて驚きなんですが・・・本当に良かったです。

 なにか直接に感動的なことをする訳じゃないんですが、ランバ・ラルやハモンさんの事を知っていれば涙が止まらないはずです。ランバ・ラルと言われてぼんやり思い出せる程度の自分ですら感動するのですから、思い入れの強い人はヤバイでしょう。

 忘れている人はランバ・ラルハモンさん、タチ中尉の事くらいはさらっと復習してから見ると楽しめると思います。(ORIGINのネタバレも含まれるので読みすぎない方がいいですが)

もちろんキャスバルも


 もちろんキャスバル(シャア)も見所が多いです。父への複雑な思いというものも良く描けていますし、なんと言っても初めての戦闘シーン・・・。

 どうしたってアムロが初めてガンダムに乗る時のシーンを連想してしまいますよ。詳しくは書きませんが、はっきり言って込み上げるものがありました。

 キャスバルのシーンもそうなんですが、すべて1stの思い出が引っ張りだされて込み上げてきちゃうんですよね。ライトなファンの自分が言うのも口幅ったいですけどね。マニアでなくてもここまで感動できるってすごいですね。

 細かい所を言えば、政治的な描き方が少し単純化しすぎかなぁと思ったりもしますが些末な事です。全体的には僅か1時間余にここまで盛り込めるかと驚愕するばかりです。

 劇場版は2週間限定公開だそうですが、大画面に映える映像ですので是非映画館か、BDで大画面での視聴お勧めします。ブルーレイも同時発売、iTunesやPlayStation®Storeで同時配信だそうです。


【追記】2・3・5作目の感想も書きました。よかったら読んでください!
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 機動戦士 ガンダム THE ORIGIN 公式サイト
http://www.gundam-the-origin.net

漫画原作・総監督/安彦良和
監督/今西隆志
キャラクターデザイン/安彦良和、ことぶきつかさ
脚本/隅沢克之
総作画監督/西村博之
アバンアニメーション 絵コンテ・演出/板野一郎

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