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東京喰種トーキョーグール 感想

※若干のネタバレあり。

ノンテロップスペシャル版 TVアニメ「東京喰種トーキョーグール」オープニング映像
TokyoGhoulAnimation(公式)

見る者に突きつける人の業


 人間を喰わねば生きていけない『喰種(グール)』という『人の心を持った捕食者』の視点を借りて、人間の『業』を視聴者に突きつける作品。

 他の生き物の命を奪いながらヒューマニズムを説く矛盾。他者を理解せず同族同士ですら奪い、他者から奪い続けなければ生きる事もままならない現実。そんな日常生活では見て見ぬ振りをしている現実をグロテスクにさらけ出す。

 本作において善悪の区別は激しく相対化されて崩壊してしまう。つまり絶対的な悪も正義もない。悪と正義が表と裏のように区別がつかなくなる。最も残忍で理不尽な人物ですらそうなるだけの理由がある。ファンタジーSFの設定を借りているが、憎しみの連鎖を作り出してしまう現実の人間の心を描いている。

 過去にもこのような善悪の相対化を試みた作品は多いが、本作は『喰う』という、他者を奪う究極的な表現で人の『業』に踏み込んだ点でより際立たせている。

極限状態の菩薩と阿修羅


 同時期にNHK ETVで放映されていた『100分de名著』の般若心経も見ていたのでどうしても関連づけて見てしまった。

『菩薩のような生き方ができるように心がけなきゃね』と思っても本来そこには激しい葛藤があるはず。主人公の母は優しい人だったが奪われるだけの人生で終わった。主人公はその母を誇りに思っていたが、心の安寧を得ようと現実から逃げてその挙げ句すべてを失った単なる弱者だ、と言われれば立つ瀬が無い。

 サバンナでも同じ事言えるの?ではないが、これだけの極限状況だから葛藤が明確となるのかもしれない。あえて極端な設定をすることで際立つ光景。修羅の道を現実に生きれば解脱したくもなるよな、と。だが、苦しみを乗り越えた先は解脱ではなく阿修羅となる哀しさ。

オープニング曲との見事なシンクロ


 地上波TVでは限界だろう残虐で不快なシーン。さすがに消しが入っているものの、これを描かなければこのテーマは表現しきれない。ホラーを楽しむためのスプラッターではないと思う。特に初回と最終回は秀逸。共にエンディング部分にオープニング曲『unravel』をかぶせてくるが、緊張感のある曲冒頭が素晴らしい・・・。

教えて 教えてよ その仕組を
僕の中に 誰かいるの
壊れた 壊れたよ この世界で
君が笑う 何も見えずに
     作詞 TK/『unravelTK from 凛として時雨より

 初回と最終回はまさにこの歌詞とストーリーを見事にシンクロさせている。
最終回の後半はカタルシス全開といった感じだが、爽快感の中に哀しみが織り込まれ歌詞の意味が際立ちます。格闘シーンとサウンドのシンクロも見事。
 ラストシーンに至ってはストーリーぶった切りという感じで、もしこれで2期なかったらどうすんだ?という感じだが、これはこれで大胆だが良いと思った。

PG12(※)が妥当かな(笑)

 
 全編にわたって重苦しいが、笑い要素(ブラックだが)もあり、戦闘シーンの迫力もあり、もちろん謎解き要素もありテンポよく楽しめる。しかしあくまでテーマは深く重い。

 まったく子供向きではなく、むしろ見せてはいけないという意味でも、深夜でやる事に意味のある作品。変な思想に染まりそうで怖い(笑)。これほどハードルの高い作品をアニメ化した点は大いに賞賛したい。

 原作は謎が解明されずに壮絶な終わり方をしたとの噂だが、別にそれで良いのではと思わせる。そもそもすっきりするようなテーマではないし矛盾を抱えて当然だから。

※ここでの『業』は人が生きる上で逃れられない矛盾という程度の意味で使いました。
PG12 (12歳未満(小学生以下)の鑑賞には、成人保護者の助言や指導が適当とされる指定)

東京喰種トーキョーグール 公式サイト
http://www.marv.jp/special/tokyoghoul/

あらすじ
人間世界に紛れ込み、人を喰らう正体不明の怪人・喰種が蔓延る東京。ある青年「カネキ」は喰種・リゼに襲われ瀕死となるが、喰種の臓器を移植されたことで、半喰種となってしまう。それ以来、カネキは苦悩と恐怖に満ちた日々を送ることになる。wikipediaより引用

東京喰種トーキョーグール(全12話 2014年)
原作:石田スイ(週刊ヤングジャンプ連載)
監督:森田修平 シリーズ構成・脚本:御笠ノ忠次
アニメーション制作:studioぴえろ

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2014年に第4世代iPodTouch買って驚いた7つの事


2014年も後半にさしかかり、第6世代iPodTouchが発表されるかどうかと言うときに、なぜ2010年発売の第4世代iPodTouchのレビューなのか?

 iOS 4からiOS 6への変化だけでなく、周辺技術の向上、googleやアプリメーカーの努力により古い端末とは思えないほど使いやすくなっていたのです!驚きました・・・。おそらく日本最後の第4世代iPodTouchのレビューです(笑)

どうして今、第4世代iPodTouchを買ったのか


 その前に、なぜ今更第4世代iPodTouchを買ったのか?実は以前、一度買って無くしているのです。愛用の第3世代iPodTouchを破損してしまい、2010年末に現行機種だった第4世代iPodTouchを新品購入後1年で紛失!泣いて探しまわりましたが見つからず・・・。

 しばらく音楽は初代iPodShuffle(まだ使える!)、スケジュールは『紙』の手帳とgoogleカレンダーの併用でしのぎました。でも最近手帳の転記ミスで失敗してしまい、やっぱりToDoとスケジュールだけはなんとかしたい!と検討。愛用のWillcom端末をAndroidにすることも考えましたが色々あって却下。やっぱり現行の第5世代iPodTouchが魅力的・・・でも高い、2万3千円。今年中には第6世代が出るかもしれないのに、末期モデルにこの金額はちょっと・・・ね。

 以前使っていた第4世代の印象は、Retinaディスプレイがキレイとはいえ、とにかく画面が小さくて入力が面倒。だからWebブラウズも非常用かなと、あくまで音楽プレイヤーがメインの端末。今さら買っても現行のiOS7が使えないので将来性もイマイチですが・・・仕方ありません。

 円安ばかやろうと呪詛をつぶやきつつ泣く泣く第5世代をあきらめ、中古の第4世代8GB版を5千円で購入。バッテリーの状態も良いし、TODOリストとさいすけを使うだけと割り切れば、この値段なら安いね!と自分を説得(泣)。2年数ヶ月ぶりにホーム画面が復活し、iOSも4系から6系にして環境整備をしてみると・・・。

 あれ・・・?こんなに使える端末だったけ!?

驚き1 オフラインなのに屋外でMapが実用的に使える!


 iPodTouchにはデジタルコンパスもGPSもありません。WiFiだけでおおまかな位置情報を取得できる事は知っていましたが、ここまで実用的になっているとは!ちょっと感動しました。

 街中だったら徒歩で角を曲がってもちゃんと追従してくれるんです!googleMapの保存機能を使うまでもなく、キャッシュが結構効くので家を出る時に目的地周辺を閲覧しておくだけでOK。駅からの徒歩移動ならこれで充分。電車に乗ってても線路上を追従していて感心しました。

 もしキャッシュ外の地図が必要になっても、今はフリーの地図があります。容量大きくて地図はシンプルだけど位置情報がわかれば充分実用になりますね。もちろん街中限定なので、山の中とかWiFiの無い所だと無理ですけど。


驚き2 Siri非対応なのにSiriみたいに使える!


 第4世代iPodTouchはSiri非対応。検索するにもチマチマ手入力・・・じゃなかった!

 Googleが音声入力対応になってたんですよ。PCばかり使ってたので存在に気づかなかったけどマイクアイコン押せば音声で入力できたんです。しかも、本家Siriでもうまく聞き取ってもらえない滑舌の悪いこの私の声を、googleお得意の予測変換で補正して検索してくれるんですよ。

 だから1でも紹介したgoogleMap。ここでも住所を音読するだけで表示してくれる!これはPCより楽かも。

驚き3 Safariの画面が広くてブラウズしやすくなった!


 なんか昔は画面が小さくてWebのブラウズが面倒だったんですよ。だから画面の大きい第5世代が欲しかったのですが、Safariのバージョンアップなんでしょうか、余計な機能が自動的に隠れたり、フォントサイズを読みやすく調整してくれたり、小さい画面でも読みやすいんですよ!Android端末でも見てみたんですが、あちらは忠実に表示するんですが、小さい画面だとちょっと読みにくいんですよね。

 もちろん、スマホ対応のホームページやWebアプリが圧倒的に増えて使いやすくなったというのもありますね。

驚き4 オフラインなのに時刻表のチェックができる!


 最近は電車に乗る機会も減ったのですが、やっぱり電車使うと便利なのは時刻表のチェックですよね。昔iPodTouch使ってた時は、内蔵カメラで撮影した時刻表を使っていましたが不便でしたね。携帯の乗換案内はWillcom(現Y!モバ)ですので無駄にパケット使いたくない上に遅い・・・(電話とメールには素晴らしい端末)

 それが今や、鉄道関係のアプリも増えてオフラインでの利用が結構便利に。乗り換え案内こそできませんが、予め時刻表ダウンロードしておくだけで、WiFiで現在位置取得してすぐに候補を提示してくれます。時刻表の更新も簡単。これならiPhoneじゃなくても事足りるね。


驚き5 Webやアプリなどの周辺サービスが進化してる!


 以前はまだスマホ対応がいまいちだったサービスも急速に進歩してました。ヤフオクはPC開く必要がないくらいだし、常用してるNiftyWebメールはWebアプリですが小さい画面でも使いやすい専用アプリのような使いごこち。GoogleAppsもiOS対応になってるし、PCサイトを無理して利用していた時代の苦労はほとんど解消していました。

驚き6 iCloud対応のメモ帳とかすっごく便利!


 MacユーザーですがMacbookしか使っていなかったのでiCloudはあまり利用していませんでした。以前iPodTouchを購入したときはまだiCloudは始まってなかったですからね。
ようやく、どれどれどんな機能があったけなぁと使ってみてびっくり。メモ帳とかリマインダの共有が便利ですね!MacかiPodtouchどちらに書いてもWiFi環境ならすぐに同期してくれるじゃないですか。

 自分一人で利用する分には屋外で同期する必要は無いのでWiFiで問題無し。

驚き7 無料WiFiスポットが充実してた!


 昔は郊外にはほとんどなかった無料WiFiスポット。7&iの7SPOTは無料会員になれば1日数回無料。全国のセブンイレブンなどでつかえるのですが、7系列のモールのフードコートなんかで使ってます。観光地のホテルや温泉宿でも無料WiFi提供する所が増えてますね。もちろん無料WiFiではセキュリティに注意が必要ですが。

7SPOT

この数年間でスマホの周辺環境が急激に進歩した証


 2010年のモデルが4年後に実用度が上がってるというのは、電子機器の常識としては異例だと思うけど、時代がようやく追いついたという事なんだろうね。第4世代はそれだけのポテンシャルを持っていたとも言える訳で。

 画面の小ささという欠点はRetinaディスプレイの利点を生かしてかなり改良されてるし、つい2年前まではiPhoneじゃないと無理だと諦めていた機能が実現していてびっくりさせられました。家にWiFiがあってSNSにリアルタイム性を求めていない、俺のような人間には格安SIMすら必要ない・・・・かもね。

 昔、AppleのNewton MessagePad130を使っていて、実用的にはPalmだなぁと(結局買わなかったけれど)思い出したけれど、昔あこがれていた夢のPDA(死語)はすでに完成していたんですね。それがたった5千円で手に入る未来に生きているんだなぁとしみじみ感じました。

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